平成24年度入学式

第5回(平成24年度) 長崎県立大学入学式 学長訓辞

平成24年度入学式 学長訓辞 学長の写真

 本日、長崎県立大学入学式を挙行するにあたり、新入生の皆さんに、心よりお喜び申し上げ歓迎致します。入学された学生は、経済学部 464 名、国際情報学部 149 名及び、看護栄養学部 109 名、並びに大学院経済学研究科 16 名 国際情報学研究科 10 名及び人間健康科学研究科 5 名の修士課程または博士前期課程の大学院生、また人間健康科学研究科博士後期課程の大学院生3名、総数756 名であります。ご入学をこれまで学生諸君をはぐくみ育てて来られた、ご家族、保護者の方々のお慶びもさぞ大きなものがあることと思います。心からお祝い申し上げます。
 本日は、公私共にご多用のところ、ご臨席賜りました 長崎県知事 中村法道様、長崎県議会議長 宮内雪夫様、佐世保市長 朝長則男様、はじめ、多数のご来賓の方々に心より感謝申し上げます。

 さて、新入生の皆さん、皆さんの遠い遠い祖先は36億年前に原始の海で生命力を獲得した1個の細胞です。やがて複数の細胞からなる生命体となり、海の中から陸上へと生活圏を拡げました。進化を続け人類の祖先がチンパンジーから分かれたのはおよそ2百万年前、現生人類が出現したのが大体40万年前と考えられています。アフリカから旅を始めた人類が、日本の地にたどり着いたのは、10万年前くらいの見当とされています。そして、日本が大陸から完全に分離したのは、1万2,3000年くらい前でしょうか。そしてその子孫である皆さんが今、ここ、長崎・佐世保の地で一堂に会しているのです。この出会いを大切にして頂きたいと思います。

 皆さんはこれまでにも多くの人との出会いがありました。これからもまた、多くの人と知り合うことでしょう。それらの多くの出会いは、偶然のように見えるかもしれません。しかし、お互いにそのことを意識していなかったかもしれませんが、皆さんひとり一人が長崎県立大学を受験しようと考えたときから、ここで一緒になることは必然の結果であるといえます。皆さんはこれから、同じキャンパスで、同じ教室で、あるいは同じゼミで切磋琢磨することになります。共に学び、共に遊び、様々な議論をし、アクティビティを共有し、インディビデュアルな人格を有する市民としての教養や専門知識を獲得していく課程が大学生としての時間です。これまでとは違って、友人の中には日本の様々な地域はおろか,外国で育った人もいます。考え方や感じ方が随分違うでしょう。それを肌で感じ取ることは、高校ではできなかったことではないでしょうか。

 皆さんの友人との出会いが、皆さん同志の意志よる必然なら、皆さんの先生との出会いは、皆さんの意志によって決まった必然です。大学では、教員の指導と事務職員のサポートの両方があって皆さんの生活や成長を支えます。友人達は同じ世代の人ですが、教職員は人生の先輩です。その経験も積極的に学びましょう。

 そう、「積極的に」という言葉は、大学生活のキーワードです。大学生活は、皆さんが自発的に求めれば、皆さん自身を飛躍的に大きく成長させる絶好の機会であります。高等学校での勉強は、それが全てとは申しませんが、大学への進学が1つの目標になっていて、受動的な面があったと思います。では、大学を卒業したらどうするか?多くの方は実社会へと巣立ち働くことを考えていると思います。そのことを実現するためには、どのように、どれだけ、何を学べば良いのか?この問への単純な正解はありません。皆さん、ひとり一人が自分自身で、自分に合った答えを見つけ出すことが求められます。間違わないで欲しいのは、学ぶ場は教室だけではありません。クラブ活動を通して学ぶこともあるでしょう、企業や病院の現場での実習も学びの場です。町の通りや自然の中での活動、ボランティア活動や地域住民の方々との交流から学ぶことも多いと思います。いずれにせよ、皆さん自身が積極的に学ぼうとするかどうかで、大学生活4年間で得られるものは天と地程違ってくるでしょう。

 では、どうしたら、積極的になることができるか、これが重要です。今度は答えがあります。自分自身の今のあり方を肯定することです。皆さんの中には本学への入学を目標に努力してきた方もいると思います。しかし逆に、本学への入学は不本意だと感じている方もいるかもしれません。いずれにせよ、今日から皆さんは本学で学び、日々過ごすのです。それなら、長崎県立大学に入学して良かった、と考えましょう。どう考えても変わらない事実を「良かった」と考えるか、「残念」と考えるかで、間違いなく人生は変わります。ノーベル文学賞受賞者のバーナード・ショウの有名な言葉を引用してみましょう。

 グラスに半分ワインが残っているのを見て、「ああ、もう半分しか残っていない」と嘆くのが悲観主義者。「お、まだ半分も残っているじゃないか」と喜ぶのが楽観主義者である。

 この両者で人生の楽しさがどれ程違うか想像してみて下さい。ポジティブな考え方、Way of Positive Thinkingが皆さんの人生を切り開いていくエンジンになるのです。この考え方で努力する人が、気がついたときには新たな地平に歩みを進めているのです。バーナード・ショウはこんなことも言っています。

「人生とは自分を見つけることではない。人生とは自分を創ることである。」

「見つける」と「創る」の間には大きな違いがあります。「創る」とは、今ないものを新しく創ることです。見つけるためにも努力は必要ですが、創る方はその何倍もの努力が必要であることは、明らかです。どんな自分を創るのか、イメージできないという方もおられるかもしれない。心配いりません。イメージできないなら、目の前の課題に全力を注いで下さい。そのうちにおぼろげながら見えてくることは間違いありません。「見えないから、見えてくるまで何もしない」というのは、怠けるための都合の良い言い訳に過ぎません。

 最後にもう1つ、今や世界的に有名になったハーバード大教授、マイケル・サンデル博士の言葉を引用させて頂きます。それは、「最高の教育とは、自分自身でいかに考えるかを学ぶことである」というものです。皆さんにあっても、このような学びとなるよう、努力して頂ければと思います。

 最後に、改めて、皆さんの長崎県立大学への入学を歓迎し、新鮮な意気と若いエネルギーの発揚に期待します。我々、教職員一同、全力を尽くしますが、最終的には皆さん自身にかかっています。どうぞ、積極的な気持ちをもって、有意義な大学生活を送られることを祈り、学長訓辞とします。

平成24年4月3日                       

長崎県立大学 学長 太田 博道