本文へ移動
九十九島高島の未来を拓く(一社)ESPO代表 重村友介氏を招いて合同ゼミ
2025-07-11
カテゴリ:お知らせ
7月3日、公共政策学科の「基礎演習」(車相龍ゼミ・石田聖ゼミの合同ゼミ)が開催され、佐世保市九十九島高島(以下、高島)の活性化に取り組む株式会社ACS代表取締役・一般社団法人高島活性化コンベンション協会(ESPO)代表理事の重村友介氏をお招きし、ゲストトークを開催しました。

 重村氏は、岐阜県高山市のご出身でありながら、父・祖父のルーツがある第二の故郷である高島に深い思い入れを持ち、地域振興や小規模離島の持続可能な発展に尽力されています。高島は、九十九島の中でも数少ない有人島の一つで、人口約150人、漁業を基幹産業とする小規模離島です。しかし、少子高齢化や人口減少、交通や情報インフラの課題に直面しており、離島ならではの厳しい現実を抱えています。

 授業では、こうした高島の現状と課題を踏まえつつ、地域内外の多様な主体が連携することで未来を切り拓く「一般社団法人高島活性化コンベンション協会ESPO」の取り組みが紹介されました。ESPOは、島民だけでなく、行政、企業、大学、NPOなど幅広い関係者が協働するプラットフォームとして設立され、島の活性化と持続可能な地域づくりに向けた実践が進められています。
 ESPOでは、具体的には、①産業活性化、②観光創造、③教育・人材育成、④環境・文化、⑤ライフライン・インフラ推進の5つの柱を掲げ、多角的なアプローチを展開。中でも、若者や子どもたちの未来を見据えた取り組みが大きな特色です。

 たとえば、ESPOでは、休眠預金事業(一定期間取引のない預金を活用し、地域課題の解決や公益活動を支援する仕組み)の一環として、島の交通制約により課外活動や学習機会が限られている子どもたちの「交通難民」問題に対応するため、海上タクシーの増便やチャーター便を導入。また、新しい情報通信技術「スターリンク」を活用し、離島の情報インフラハンディキャップを解消することで、島内外をつなぐオンライン学習や地域間交流の環境整備が進められています。
 さらに、地域の魅力を内外に発信し、子どもたちの郷土愛や誇りを醸成するための「高島アートプロジェクト」や、漁業体験・環境教育を通じて島に関する学び、地域外の子どもたちとの交流を促進する機会の創出など、離島の課題を乗り越え、未来へつなぐ様々なプログラムが紹介されました。

 最近の県立大学との連携では、本学佐世保校の学生が主体となった海岸清掃「高島海岸クリーン大作戦」(実践経済学科 芳賀ゼミナール主催)、「高島港岸壁アートMural Art」公共政策学科 石田ゼミナール学生が参加)などが取り組まれています。

「高島海岸クリーン大作戦」:

「高島港岸壁アートプロジェクトMural Art」:

 授業の終盤には、地域を自分事として捉え、つながりやキッカケを大切にし、仲間と協力して未来を創る力の大切さが語られ、学生からも活発な意見・質問が寄せられました。
 公共政策学科合同ゼミにおけるゲストトーク会に協力いただきました重村友介様には心よりお礼申し上げます。長崎県立大学では、今後も地域に根差した学びを推進し、次世代の地域づくりを担う人材育成に取り組んでまいります。

高島の紹介
ESPOが掲げる5つの柱
(一社)高島活性化コンベンション協会ESPOの紹介
重村友介氏によるゲストトーク
TOPへ戻る
資料請求はこちら/お問合せはこちら