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 現在の仕事内容について教えてください。
 栄養士として幼児食と離乳食の献立を毎月ごとに作成します。幼児食は主菜と副菜2つ、汁物、果物、おやつを考案。私と調理師、主任保育士、園長の4人で毎月会議を行い、献立の内容を話し合ったり、園児の食べている様子などの情報交換を行います。また、ひなまつりやこどもの日、クリスマス、七夕などの行事に合わせて献立を考えたり、お誕生日会の日は園児が好きな給食を用意することもあります。園児の嗜好に合わせた内容はもちろん、なるべく食材の重複がないよう気を配りながら、栄養バランスに配慮することも大切にしています。
 また栄養士として主菜とおやつの調理も担当していて、毎日約100人分を用意して配膳まで行います。予想以上に体力の必要な仕事ですが、子どもに「おいしかったよ」と話しかけられると癒されます。他にも食材の発注、栄養管理に関する書類作成、食育活動などにも取り組んでいます。

 就職活動開始から内定までの大まかな流れを教えてください。
 3月に料理教室や特別養護施設(老人ホーム)など、就職活動を始め、大学の求人情報や求人サイトなども確認していました。10月頃に長崎県内の保育園栄養士の求人が掲載されているのを見つけ、内定をいただいた現在の保育園で働いています。適性試験などはなく面接のみでした。履歴書を書く際に、自己分析を行うのが難しかったのを覚えています。

 今後の仕事における目標について教えてください。
 私は普段から、なるべく新しい料理を献立に取り入れることを意識しています。子どもたちの反応を実際に見て、聞いて、そして他の保育士の先生方の感想も参考にすることで、さらにおいしい料理を目指していきます。
 また感染症の影響もあり、食育の機会や子どもたちと触れ合う機会が少し減ってしまいました。そのため普段から「この野菜は○○だよ」という声かけや、何気ないおしゃべりを積極的に行っていきたいと思います。
 そして保育園に通う時期は、特に子どもが成長するタイミングです。噛む動作や食事のマナーなども含めて、栄養士として子どもの成長を支えていきたいです。

配膳の合間に話しかける前田さん。子どもたちの意見を聞いて、次の献立に活かします。
子どもと接する仕事に興味があり、料理やお菓子を作るのが好きだったことも志望動機となりました。

 大学での実習や卒業論文の影響から、保育園の栄養士として働くことにしました。
 大学の実習では老人ホームを1週間、病院を2週間、保健所を1週間訪問します。老人ホームや病院の実習では、食事が食べられず流動食を胃に直接入れている方や、大きなけがを負った患者さんなどを目の当たりにし、自分に合った仕事について考える機会になりました。当時、栄養士とは関係ない就職先を考えることもありましたが、せっかく国家資格まで取得するのであれば、まず一度、栄養士または管理栄養士として働きたいと決めていました。
 私は卒業論文で、幼児の食事に関する研究を行い、その中で長崎市内の保育園に伺う機会がありました。そこで保育園の栄養士の方に直接お話を聞いたり、給食をおいしそうに食べている子どもたちを目の当たりにし、そうした経験から保育園で働きたいという気持ちが大きくなりました。甥っ子と姪っ子がいることで以前から子どもが好きだったこと、料理やお菓子作りが好きだったことも、保育園を志望する後押しとなったかもしれません。
 大学での4年間は予想以上に講義が忙しく、また実験や実習も多くて苦労しましたが、今思えば本当に充実した4年間だったと思います。栄養健康学科はやさしい雰囲気の学生ばかりでみんな仲良しで、友人との時間も楽しかったです。

 また長崎県立大学は、実験器具や調理室の設備などが整っており、専門的な学習が可能です。遺伝子や食材の細菌を調べたり、動物実験をしたり、大学ならではの学習内容はとても貴重です。私の叔母が栄養士をしていて、憧れる気持ちもあって栄養健康学科を選択しました。講義や実験、実習、卒業論文、国家試験など、とにかく忙しい面もありますが、栄養健康学科の先生方はやさしくて、難しい内容の勉強も頑張ることができました。興味のある分野を深く学び、大きく成長できる素敵な環境だったと思います。
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