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「海外事情講座」において、JICA九州の荒木裕調査役とJICAデスク長崎の戸崎千尋国際協力推進員に講義を行っていただきました。
2021-08-03
カテゴリ:お知らせ
 テーマ : 『国際協力機構(JICA)の組織・事業概要+α』
 7月28日(水)にJICA九州の荒木裕 調査役とJICAデスク長崎の戸崎千尋 国際協力推進員に講義を行っていただきました。
 荒木調査役は、JICAは日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、開発途上国への国際協力を行っていることについて御説明くださいました。
 JICAは人間の安全保障と質の高い成長をミッションとして掲げており、誰も取り残さない、持続可能な世界を目指していること、現在では開発途上国を中心に100か所以上の海外拠点、14か所の国内拠点で支援活動を行っていること、その活動内容として、
 ①技術協力(専門家派遣や受入研修)
 ②有償・無償資金協力
 ③その他、国民等の協力活動の推進(海外協力隊、草の根技術協力等)や国際緊急援助隊派遣
などを挙げられた上で、今や世界最大といってもいいほどの開発途上国支援を行っている日本ですが、第二次世界大戦後から戦後復興期にかけては支援される立場だったこと、戦争で壊滅的となったインフラ整備に対して世界銀行が融資し、その結果、九州内では八幡製鉄所や九州電力の発電所などが整備されたことなども御説明くださいました。
 また、荒木調査役がミャンマー駐在中に携わられた海外プロジェクトとして、ミャンマーのティワラ経済特別区(SEZ)開発について御説明くださいました。
 JICAは、同経済特別区の開発・運営主体であるMJTD社(Myanmar Japan Thilawa Development)に日本の商社・銀行、ミャンマー政府、ミャンマー民間企業連合と共に出資を行うとともに、同SEZの周辺インフラ整備(発電所、港湾、道路、水道など)の為の融資(円借款供与)を行い、また、国際水準に則った用地取得・住民移転・生計回復の実施支援や進出企業の手続きのワンストップ化やSEZ法等の法制度整備に係る支援など、日本が有しているこれまでの経験をミャンマーに提供する技術協力支援も行ってきたこと。さらに、JICAの国内拠点が行っている事業の一つとして研修員受け入れ事業に言及し、同事業の2つの大きな目的、すなわち、
 ①失敗も含めて日本の知見を共有・共創し母国の発展に役立てて頂く事
 ②親日家・知日家の育成
について御説明いただきました。
 ②については、日本人や日本文化に触れた研修員の大半が日本(人)に対して好意的になり、JICA研修員OBの中には現在母国で大臣などの要職に就いている方も少なくなく、こうした帰国研修員とのネットワークは日本外交の貴重な財産にもなっていることを教えてくださいました。
 荒木調査役は、御自身の国内や海外での経験を踏まえて、国際協力への関わり方は千差万別であり、これからは何をしようとも世界との繋がりを意識せざるを得ないことについてもお話くださいました。
 これから海外との関わりをもった仕事に就きたいと考えている学生に対して、海外で働くだけが道ではなく、グローバルな視野をもって地域の課題に取り組む所謂グロー“カ”ル人材が必要とされていること、そのためには情報感度を高くし、世の中の動きに日本語だけではなく英語でもアンテナを張ることの重要性をアドバイスしてくださいました。

 戸崎国際協力推進員は、JICA海外協力隊としてスリランカに派遣されていた経験をお話くださいました。
 高齢者介護という分野での協力を通じて、自発性を引き出すことの難しさや、「当たり前」は一人一人違っていてもいいこと、文化・言語・国の壁はあるものの、その壁をつくっていたのは自分自身であったことなどを、笑顔あふれるスリランカの人々との写真とともに教えてくださいました。
 国際協力といった分野で御活躍されているお二人のお話は、これからグローバルに活躍したいと考えている学生にとって、非常に刺激となり、またこれからの一歩を後押ししてくださるものとなりました。

 翌日は、JICA九州様と本学法人本部と2021年度開催事業に関する意見交換を行いました。
JICA九州の荒木調査役
JICAデスク長崎の戸崎国際協力推進員
スリランカでのあいさつ ආයුබ ෝවන්(こんにちは)
左からJICA九州平課長、稲永理事長、JICA九州吉成所長、JICAデスク長崎戸崎国際協力推進員、JICA九州荒木調査役
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