令和6年度卒業証書・学位記授与式 学長訓辞
2025-04-01
カテゴリ:お知らせ
訓 辞
令和6年度長崎県立大学卒業証書・学位記授与式に当たり、卒業生、修了生の皆さんに心よりお祝いを申し上げます。おめでとうございます。
御家族の皆様にも、お祝いとお礼を申し上げます。長年にわたり学生たちをお支えいただき、ありがとうございました。ぜひ喜びを分かち合ってあげてください。
本日の式には、皆さんの佳き日のために、御来賓として、長崎県知事 大石賢吾様、長崎県議会議長 徳永達也様をはじめ、大勢の皆様が御臨席くださっています。衷心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
卒業生の多くが入学された4年前、新型コロナウィルスのために、全学での入学式は実施できませんでした。その後も約1年にわたり、対面での授業や活動への制約が残りました。
そのようなイレギュラーな状況もありましたが、皆さんは一人一人、それぞれの思いを胸に、長崎県立大学の学生、大学院生として、自分の道を探し、創り、世界を拡げる努力をし、一歩一歩、歩んでこられました。その延長線上に今日があります。
後ほど成績優秀者の表彰もありますが、それだけでなく、在学中に全国レベルの大会やコンテストなどでトップクラスの成績を収めたり、難関の国家試験に合格したり、学生が学生の困りごとを支援する「ピア・サポート」活動に取り組んでこられたりした方もおられます。そういう皆さんの活躍、挑戦、行動力、公共心、思いやりを、とても誇らしく思います。
ここにいる全ての皆さんが、入学された時と今とでは、全く違う自分になっているはずです。そして、これからも変わっていくでしょう。それを楽しみにしています。皆さんの成長、活躍の土台に、本学での学びと経験が活かされることが私たちの願いです。
私は皆さんに幸せになっていただきたいと願っています。
ウェルビーイングという言葉はご存じでしょう。目指すべき社会の在り方として、ウェルビーイングに目が向けられるようになったのは、正しいことだと感じています。
但し、日本ではウェルビーイングは「幸福感」などと訳されることがありますが、国際的には、自分がどう感じるかという主観的な側面だけではないと理解されています。
例えばWHO(世界保健機関)は、ウェルビーイングを精神的側面だけでなく身体的、社会的側面も含めたものとして捉えています。個人だけでなく、社会のウェルビーイングも重要だということです。またUNICEF(国連国際児童基金)は、ウェルビーイングを、精神的ウェルビーイング、身体的健康、スキルの3つの側面から構成される包括的なものとしています。生活の質を高めるには、教育とスキルも欠かせないということです。
皆さんには、そういう広い意味でのウェルビーイングを意識していただきたいです。
もう一つ、OECD(経済協力開発機構)がEducation2030プロジェクトで提唱しているエージェンシーという概念を紹介します。私はこれが、これからの時代に決定的に重要だと考えています。
エージェンシーは、「変化を起こすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任をもって行動する能力」のことです。キーワードは「変化」と「行動」でしょう。頭の中で思うだけでなく、社会全体のウェルビーイングのために、世の中をより良い方向へと変えていく。そのために行動できる力です。
そして特に大事なのは、このエージェンシーは、他者との関係性の中で育つものだということです。自分がこうしたいと望むだけでは、現実は変わりません。どうして、どのように変えるべきなのかを論理的に説明し、関係者の理解を得たり、他の人の意見や心情にも配慮し、状況によっては自分の考えを修正したりするような柔軟さも必要です。その根底には、他者に対するリスペクトが不可欠です。
エージェンシーという言葉自体は忘れても構いません。でも、「変化を起こす」「そのために責任をもって行動する」「他者へのリスペクト」、こういったことが強く求められる時代だということは、心の片隅に留めていただければと思います。
3月8日、長崎原爆被災者協議会が主催する「~日本被団協ノーベル平和賞受賞記念~長崎平和フォーラム」に私も行きました。皆さんが卒業・修了された令和6年度(2024年度)は、1976年に長崎で結成された日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した年として記憶されることになるでしょう。
本県出身ではない私が長崎に来たいと考えた大きな理由の一つが、長崎が被爆地であり、平和の発信地であるからです。「微力だけど無力じゃない」。高校生平和大使のスローガンです。私も微力ですが、無力ではないと信じて努力を続けたいです。
縁あって長崎の地、長崎県立大学で大切な時間を過ごされた皆さんも、ぜひ、平和を希求する切なる思いを持ち続けてください。
未来を創るのは皆さんです。
あらためて、御卒業、大学院修了を心よりお慶び申し上げます。
一度きりの人生です。できるだけ悔いを残さないように、思う存分、挑戦を続けてください。
皆様の前途に幸多からんことを祈っています。
本学に来てくれて、ありがとうございました。
御家族の皆様にも、お祝いとお礼を申し上げます。長年にわたり学生たちをお支えいただき、ありがとうございました。ぜひ喜びを分かち合ってあげてください。
本日の式には、皆さんの佳き日のために、御来賓として、長崎県知事 大石賢吾様、長崎県議会議長 徳永達也様をはじめ、大勢の皆様が御臨席くださっています。衷心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
卒業生の多くが入学された4年前、新型コロナウィルスのために、全学での入学式は実施できませんでした。その後も約1年にわたり、対面での授業や活動への制約が残りました。
そのようなイレギュラーな状況もありましたが、皆さんは一人一人、それぞれの思いを胸に、長崎県立大学の学生、大学院生として、自分の道を探し、創り、世界を拡げる努力をし、一歩一歩、歩んでこられました。その延長線上に今日があります。
後ほど成績優秀者の表彰もありますが、それだけでなく、在学中に全国レベルの大会やコンテストなどでトップクラスの成績を収めたり、難関の国家試験に合格したり、学生が学生の困りごとを支援する「ピア・サポート」活動に取り組んでこられたりした方もおられます。そういう皆さんの活躍、挑戦、行動力、公共心、思いやりを、とても誇らしく思います。
ここにいる全ての皆さんが、入学された時と今とでは、全く違う自分になっているはずです。そして、これからも変わっていくでしょう。それを楽しみにしています。皆さんの成長、活躍の土台に、本学での学びと経験が活かされることが私たちの願いです。
私は皆さんに幸せになっていただきたいと願っています。
ウェルビーイングという言葉はご存じでしょう。目指すべき社会の在り方として、ウェルビーイングに目が向けられるようになったのは、正しいことだと感じています。
但し、日本ではウェルビーイングは「幸福感」などと訳されることがありますが、国際的には、自分がどう感じるかという主観的な側面だけではないと理解されています。
例えばWHO(世界保健機関)は、ウェルビーイングを精神的側面だけでなく身体的、社会的側面も含めたものとして捉えています。個人だけでなく、社会のウェルビーイングも重要だということです。またUNICEF(国連国際児童基金)は、ウェルビーイングを、精神的ウェルビーイング、身体的健康、スキルの3つの側面から構成される包括的なものとしています。生活の質を高めるには、教育とスキルも欠かせないということです。
皆さんには、そういう広い意味でのウェルビーイングを意識していただきたいです。
もう一つ、OECD(経済協力開発機構)がEducation2030プロジェクトで提唱しているエージェンシーという概念を紹介します。私はこれが、これからの時代に決定的に重要だと考えています。
エージェンシーは、「変化を起こすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任をもって行動する能力」のことです。キーワードは「変化」と「行動」でしょう。頭の中で思うだけでなく、社会全体のウェルビーイングのために、世の中をより良い方向へと変えていく。そのために行動できる力です。
そして特に大事なのは、このエージェンシーは、他者との関係性の中で育つものだということです。自分がこうしたいと望むだけでは、現実は変わりません。どうして、どのように変えるべきなのかを論理的に説明し、関係者の理解を得たり、他の人の意見や心情にも配慮し、状況によっては自分の考えを修正したりするような柔軟さも必要です。その根底には、他者に対するリスペクトが不可欠です。
エージェンシーという言葉自体は忘れても構いません。でも、「変化を起こす」「そのために責任をもって行動する」「他者へのリスペクト」、こういったことが強く求められる時代だということは、心の片隅に留めていただければと思います。
3月8日、長崎原爆被災者協議会が主催する「~日本被団協ノーベル平和賞受賞記念~長崎平和フォーラム」に私も行きました。皆さんが卒業・修了された令和6年度(2024年度)は、1976年に長崎で結成された日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した年として記憶されることになるでしょう。
本県出身ではない私が長崎に来たいと考えた大きな理由の一つが、長崎が被爆地であり、平和の発信地であるからです。「微力だけど無力じゃない」。高校生平和大使のスローガンです。私も微力ですが、無力ではないと信じて努力を続けたいです。
縁あって長崎の地、長崎県立大学で大切な時間を過ごされた皆さんも、ぜひ、平和を希求する切なる思いを持ち続けてください。
未来を創るのは皆さんです。
あらためて、御卒業、大学院修了を心よりお慶び申し上げます。
一度きりの人生です。できるだけ悔いを残さないように、思う存分、挑戦を続けてください。
皆様の前途に幸多からんことを祈っています。
本学に来てくれて、ありがとうございました。
令和7年(2025年)3月19日
長崎県立大学学長
浅 田 和 伸