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「海上自衛隊のアデン湾ソマリア沖での活動状況」について、護衛艦すずつき艦長 岩森雄飛二等海佐にご講演頂きました
2023-04-25
カテゴリ:お知らせ
 本学国際経営学科では、4月18日(水)、海上自衛隊 護衛艦すずつき艦長 岩森二等海佐をお招きし、「海上自衛隊のアデン湾ソマリア沖での活動状況について」と題する合同ゼミを開催しました(参加ゼミ:岩重ゼミ矢野ゼミ大澤ゼミ新川ゼミ)。岩森艦長は、7か月に及ぶソマリア沖での海賊対処活動から4月上旬に帰国されたばかりで、たいへん貴重なお話を伺うことができました。
合同ゼミの告知板
護衛艦すずつき 岩森艦長
 冒頭、岩森艦長から、「日本にある島の数はいくつでしょう?」「日本が面している海域の広さは世界第何位でしょう?」といった面白いクイズが投げかけられました(答えは、それぞれ14,125、世界第6位だそうです)。
 続いて、アデン湾における、わが国海上自衛隊の一般船舶護衛活動といった臨場感あふれるお話がありました。「海賊」は、遊園地や映画の中でのお話かと思っていましたが、海賊事案が今なお世界中で発生しているそうです。幸いにも、ソマリア沖アデン湾では、わが国海上自衛隊や各国海軍による海賊対処活動が奏功し、最近では、海賊・海上武装強盗問題といった事案はゼロ件にとどまっているとのことです。
 また、長期間におよぶ厳しい航海勤務での艦内の過ごし方など、リラックスしたお話がありました。洋上勤務では24時間体制で緊張を強いられるため、休憩時間には、バンド活動や卓球大会など、艦長として、乗組員が息抜きできる時間を意識的に作っておられるそうです。とくに食事では、曜日感覚を忘れない意味もあって、毎週金曜日には、カレーライスが振る舞われるほか、季節感を感じられるよう、年始には、お節料理が提供されるそうです。
講演の様子(1)
講演の様子(2)
 その後、行われた質疑応答では、時間が足りなくなるほど多くの質問が、学生から寄せられました。まず、「危険を伴う長期間の航海勤務において、艦長の心の支えになっていることは何ですか」という質問がありました。「家族の笑顔や、本日の講演に熱心に耳を傾けてくれる学生の皆さんの応援が自分の士気の支えになっている」とのことでした。次に、「海賊が世界中に出没する根本原因は、何でしょうか」という質問が寄せられました。「海賊行為の根本には、実は、貧困問題がある。生活が困窮しているがために、やむにやまれず漁民が武装し、商船を襲撃しているのではないか」とのお答えは、国際経営を学ぶ当学科の学生にストレートに響いたようでした。また、「多くの隊員を束ねていくために、日ごろ、気を付けていることは何ですか」という質問がありました。「緊張を強いられる艦船勤務だけに、乗組員がなごめる時間を用意するなど、メリハリを意識している。他方、実際に海賊に対処する際には、逡巡することなく指示が出せるよう心の準備は怠れない」と、身の引き締まるようなお答えがありました。
熱心に質問する国際経営学科の学生たち(1)
熱心に質問する国際経営学科の学生たち(2)
 今回の合同ゼミでは、ふだん聞くことのできない海外における洋上警備の最前線の貴重なお話を伺うことができました。私たちの平和な暮らしは、こうした方々の努力のうえに成り立っていることを実感した一日となりました。長期にわたる厳しい海外派遣を無事終えられたためか、岩森艦長の笑顔がとても印象的なご講演でした。
 岩森艦長、お忙しい中、どうもありがとうございました!
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