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本学卒業生が西九州新幹線 開業の一番列車を運転します!!
2022-09-20
カテゴリ:お知らせ
 令和4年9月23日(金)にいよいよ開業する西九州新幹線(武雄温泉ー長崎)。その一番列車を運転するのは、本学卒業生の西尾 麻衣子さんです。博多駅~長崎駅間を最速1時間20分でつなぐ西九州新幹線の運転席に座り、いよいよ走り出す西尾さんに、今のお気持ちを聞かせて頂きました!!

1.いよいよ西九州新幹線も開業間近となり、本当に注目が集まっています。長崎から実践的な学びを標榜する本学としても、今回の西尾さんの一番列車の運転を、本当に誇らしく、また大変うれしく感じています。ハンドルを握る今のお気持ちをお聞かせください。

 4年ほど前に西九州新幹線の開業の話を聞いてから、新幹線運転士の資格取得を決意したという経緯もありまして、西九州新幹線のハンドルを握る、しかも一番列車のハンドルを握ることができ、今本当に感慨深く感じています。
 それまで普通列車や特急列車の運転業務にも従事していたのですが、西九州新幹線の開業をひとつの契機として資格取得を頑張ろうと思い取り組んで来ました。資格を取得しても実際に西九州新幹線の業務に従事できるという確約はなかったのですが、実際に今西九州新幹線の運転席に座ることが出来ていることに、改めて誇らしい思いです。
いよいよ開業する西九州新幹線。西尾さんとともに走り出します!
2.新幹線を「運転」するということは、なかなか私たちには想像ができない業務でもあります。具体的に、新幹線を「運転」するということを、簡単に教えていただけますか。

 新幹線に限らず、鉄道には「行路」という一日の乗務予定があらかじめ定められています。その「行路」にそって運転をするわけですが、それにより出社する時間や休憩時間まですべて細かく分刻みであらかじめ決まっているんです。時間に厳しい鉄道の業務であるからこそ、タイムスケジュールを中心にした日常を過ごしていると感じています。自分の一つ一つの業務が遅れてしまうと、結果として列車の運行に影響が生じてしまうため、責任感を持って業務に望んでいます。私だけではなく、列車の運行に関わる全てのスタッフが同じ思いを持っていて、その思いが結実して列車の定時運行が実現できるのです。

3.西尾さんはJR九州様で今、本当にご活躍されていますね。入社の当初から運転士を目指していらっしゃったのですか。

 私自身「専門職」というコースで入社したのですが、当時は、駅員、車掌、運転士というステップアップの流れがありました。その中で、自然と運転士という未来を意識するようになりましたね。

4.鉄道の運行スケジュールという、常に時間を意識した日常を西尾さんは過ごされている訳ですが、それだけにリフレッシュすることも大切ではないかと思います。休暇でのリフレッシュはどのようにされているのですか。
 
 仕事の反動という訳ではないですか、休日は起きたい時間に起きています(笑)。就職してからずっと福岡に住んでいたのですが、今回の開業と併せ長崎市内に住むようになりまして、休日は実家にも帰るようにしています。
オンラインでの取材に応じる西尾さん
 ここまでは、西尾さんの今のお姿をお話していただきましたが、学生時代のことも是非お聞きしてみたいと思います。

5.学生時代に打ち込んでいたことは何でしたか。

 学生の頃は、当時の英語のインテンシブコース(英語を集中して学ぶコース。現在は無くなっていますが、国際経営学科や国際社会学科ではTOEIC730点以上を取得するための充実したカリキュラムが準備されています)に入っていました。実は高校の頃は英語に苦手意識を持っていたのですが、逆に自分がどのくらい英語ができるのかを知りたくて、チャレンジしたんですよ。当時英語を教えて頂いた先生方とは沢山想い出がありますね。

6.学生時代に頑張った英語、今も役立っていますか。

 私自身英語ペラペラというわけではないのですが(笑)一緒に学んでいた同級生の英語力には刺激を受けましたし、ネイティブの先生方の英語を聞いているうちに英文を読むときの発音や、ヒアリングのときの話者のスピードに耳が自然に慣れていったという感じですね。

7.苦手意識のあった英語に逆にチャレンジされたわけですが、そのチャレンジスピリットは西尾さんの強みといえるかもしれないですね。

 自分の実力を知って、目標に向けてチャレンジしたいという気持ちは高校のころからずっと持ってきました。自分に負けたくない、という気持ちは常に今も持っています。何か目標を持てば、そこにむけていつも精一杯頑張るんですよ!

8.大学時代は、本学の山本 裕 先生に様々なことを教わっていたとお伺いしました。山本先生との思い出などあれば教えていただけますか。また、学生時代のゼミのこともぜひ聞かせてください。

 先生は港湾や物流を専門に研究されていて、「物流論」の講義ではたくさんのことを学びました。先生には卒論のテーマ含め、いつも相談をさせていただきながら卒論を書き上げたんですよ。先生と一緒に作り上げた卒論は、最終的に「辻論文賞」の表彰まで頂きました。 
 私が今の業種につくきっかけとして、「物流論」のなかで公共交通機関に興味を抱いたこともすごく大きいです。今も先生とは連絡をとることがありまして、海外に研究に出向かれた際は海外からお写真を頂くこともあるんです。また、先生のゼミに所属されている後輩に、先輩として体験談を話にいったこともありますね。卒業しても先生との絆は今も強く残っていると思います。
 ゼミは別の先生だったのですが、そこではゼミ長を経験させていただきました。自分たちで計画し、「三川内焼」の陶器市の市場調査を行いました。訪れている人たちに声をかけアンケートを取ったのですが、とても緊張しました。また、ゼミの先生とメンバーとともに平戸方面の教会や城をめぐる一泊ツアーのゼミ旅行に出かけたことが、一番楽しかった思い出です。
 
9.大学生活は、学びだけでなくサークルやアルバイトなど、様々な活動があったかと思いますが、学生時代に打ち込んでいたことを教えて頂けますか。

 学生の頃は準硬式野球部のマネージャーに打ち込んでいました。その時の先輩が先にJR九州に入社し、先輩を通じて社風や雰囲気などを知ることができたのも、就職の動機の一つと言えますね。また、サークル活動で、事前準備の大切さ、後輩との接し方なども身についたと感じています。 
10.これから、本学の学生やこの記事を見ている多くの方々も、西尾さんが運転する新幹線に乗車されることがあるかと思います。これから西九州新幹線に乗る方に、見どころの景色や西尾さんが運転席という視点から見る景色の中で、ここを「見てほしい!」というスポットはありますか。

 新大村駅付近から見る大村湾の景観ですね。広がる海はもちろん、長崎空港を離発着する飛行機も見ることができる眺望は推しのスポットです。また、長崎に向かう際に7,000Mを超える「新長崎トンネル」を通過するのですが、そのトンネルを抜けた直後に広がる長崎市内の景色は本当に美しいですよ!!あと、諫早駅の前後はアップダウンもあり、トンネルも続くなど新幹線のダイナミックな走りを体感していただける区間となっています。
 また、新幹線の駅は駅舎毎に異なるデザインコンセプトを持っていて、そこも楽しんでほしいですね。
   
11.西九州新幹線のキャッチコピー「はしれ、ぜんぶ乗せて。」。まさに今の西尾さんのお気持ちそのものではないかと思います。今この記事を見ている後輩や、将来の進路を考えている高校生に、西尾さんから是非メッセージをお願いします。
 
 長崎県立大学は本当に先生、学生、そして学生間の距離が近い、一人一人を大切にしてくれる大学だと感じています。学生時代に築いてきた人との「絆」は今の私にとってとても大切な財産です。
 また、私の後輩たちには、大学時代にどんなことでもいいから、何かに打ち込んでほしいと思っています。そこから、自分だけの「強み」を見つけてほしいと思います。その強さが、就職活動でも自信につながるはずです。
 最後にPRなのですが、新幹線では在来線では体感できない乗り心地や世界観があります。この機会に、是非新幹線の世界観を体験してほしいですね!!  

 西尾さんの更なるご活躍を、大学も心から応援しています!!
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