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学生広報スタッフ『新任教員取材シリーズ』企画 大澤 裕次 教授
2022-07-06
カテゴリ:お知らせ
 皆さんこんにちは。学生広報スタッフです。新任の先生方にスポットを当てて紹介する「教員取材」シリーズ。今回は経営学部国際経営学科の大澤裕次教授を取材させていただきました。
 国際金融の最前線でご活躍されてきた先生。ご自身の学生時代や教員を目指したきっかけ等を語っていただきました!!

0、取材に際しまして、先生について教えてください!!
 皆さん、はじめまして。大澤裕次と申します。この4月に東京から長崎県立大学佐世保校にやってきました。前職は、日本銀行で、主として国際畑を歩んできました。海外駐在は、留学を含めますと、アメリカ、ドイツ、オーストラリアなど約10年になります。今日はどうぞ宜しくお願いします。
取材に応じる大澤教授
1、先生の専門とされている分野を教えてください。
 専門分野は国際金融論です。私が日銀に勤めていた間に、わが国のバブル経済の膨張やその崩壊(1990年代)をはじめ、アジア通貨危機(1997年)、欧州単一通貨ユーロの導入(1999年)、リーマン・ショック(2008年)、ユーロ危機(2010年)など、歴史に残る出来事がたくさん起こりました。現場の最前線に身を置いて、それらへの対応に全力で取り組んできました。また、国民の金融リテラシーの向上に資するような、金融教育の普及を図る仕事にも従事しましたので、自分のゼミでは、家計管理・生活設計といったパーソナル・ファイナンスにも注力しています。自分自身もファイナンシャル・プランナーの資格を取得しました。

2、先生の教育理念を教えてください。
 「お金を通して世の中を見る目を養い、より良い社会づくり、より良い人生を考える」を教育理念にしています。学生の皆さんが、精神的にも経済的にも自立して、自由な人生を歩むことができるよう、お手伝いできればと思っています。また、私は、現場の実務家出身ですので、理論と実務を橋渡しする研究ができればと考えています。自分が担当する国際金融論の講義では、最近、話題になっている「円安・ドル高」を採り上げ、G7財務大臣・中央銀行総裁会議の声明文を教材に、為替相場の決定理論との関連性や、望ましい為替政策について、クラス全員で検討しました。

3、先生は学生時代をどのように過ごされましたか。
 学生時代は、政治学と経済学を中心に勉強しました。また、教育について関心がありましたので、教職課程を履修し、中学・高校の教員免許(社会科)を取得しました。教育実習のノートは、初心を忘れないよう、今でも大切に取ってあります。指導教員から頂いた辛口コメントは、読み返すたびに、気持ちが引き締まります。このほか、サークル活動では、英語会(E.S.S.)に所属しました。通訳ガイドの免許や英検1級を取り、通訳・翻訳のアルバイトを経験しました。そういえば、大学1年生の時に初めて出場した英語の弁論大会は福岡の大会、日銀で最初に転勤した支店は熊本支店でした。今回は佐世保で教鞭をとることになりましたので、九州にご縁がある人生といえるかもしれませんね。
大澤教授を取材する学生広報スタッフ
4、先生が大学教員を目指そうと思ったきっかけは何ですか。
 昔から教員は憧れの職業でした。研究に取り組み、その成果を教育として還元していく仕事に魅力を感じています。日銀を退職することは、自分にとって、とても大きな決断でした。ですが、家族の応援もあり、憧れていたこの世界に思い切って挑戦することにしました。若い学生の皆さんに囲まれて、やりがいを感じながら、充実した毎日を過ごしています!!

5、先生が考える長崎県立大学で学ぶメリットは何だと思いますか。
 風光明媚な環境で勉学に集中できることだと思います。佐世保の町では、いろいろな国の方を見かけることが多く、私自身の英語学習のモチベーションにもつながっています。また、現在、初めての単身赴任中ですが、思いのほか生活には不自由を感じていないんですよ。それは佐世保、そしてこの大学が本当にアットホームな雰囲気にあふれているからだと思います。東京から一人でやって来た自分のことも温かく迎えてくださいました。あと、恥ずかしながら、私は、これまで料理をしたことがなかったんです。しかし、食材の新鮮さに助けられ、見よう見まねの料理ですが、結構、美味しくできるので、ズボンが少しきつくなりました(笑)。

6、先生が学生に求めるものは何ですか。
 夢をもって積極的に行動してほしいと思います。ときには一人で何も考えない時間も必要ですが、問題意識をもって、自ら動くことで、道は拓けます。国際経営学科の学生には、折に触れ、「教室の窓から世界が見えますか」と問いかけています。将来、国際舞台で活躍する自分の姿を思い描きながら、専門科目やTOEICに取り組んでほしいと思います。また、私は、実務の世界からアカデミズムの世界に入りましたので、学生の皆さんの就職活動、あるいは、社会に出てからの職業人生について、分からないことがあれば、どんどん質問してほしいと思います。本学には皆さんが気軽に研究室を訪れ、質問することができるオフィス・アワーもあります。私自身、組織の採用責任者を務めた経験がありますので、採用面接官は就活生のどういった点に着目しているかなど、皆さんの就活に役立つ情報を積極的にお伝えするよう努めています。
経営学部 国際経営学科 大澤裕次教授
7、学生に一言メッセージをお願いします。
 社会人になると、「時間」と「お金」の価値が逆転します。時間に余裕のある学生時代に、読み応えのある本を是非読んでみてください。最近は、インターネットを通じて簡単に情報を手に入れることができますが、その情報は断片的なものが多いように思います。学生時代にじっくりと骨のある本と向き合い、本と対話することで、筋の通った「骨太の思考力」が身につくように思います。本学には、充実した図書館がありますので、積極的に活用して、自分自身の成長につなげてほしいと思います!

8、進路の選択途中である高校生の方もこの記事を読んでいると思います。是非本学を志す皆さんへのメッセージもお願いします!
 将来の進路が明確に決まっている人は、そのまま専門分野が学べる場所で、目標達成のために日々頑張ることが夢への近道です。
とはいえ、高校生の時点では将来の夢が定まっていない人も少なくありません。まずは、失敗を恐れず、いろいろなことにチャレンジすることが大切だと思います。様々な経験を積んでいく中で、自分は何をしているときに、「楽しいな、好きだな」と思えるかが分かってきます。そうした試行錯誤の中で、自分の強みや得意分野が徐々にはっきりしてくると思うのです。国際分業に関する理論の中に「比較優位」という概念があります。これは、それぞれが自分の得意な分野に特化して生産したものを、貿易によって交換することで、お互いに利益を得ることが出来るという考え方です。この考え方によれば、自分の得意な分野に進むことが社会全体にもメリットをもたらすということになります。自分の好きな分野に進むことができれば、将来、多少の困難に遭ったとしても、へこたれずに頑張ることができるでしょう。
 佐世保から、高校生の皆さんに大きなエールを送ります!


取材後記
 高校生へ向けての先生からのメッセージは私たち大学生にも通ずる言葉ではないかと思います。また、社会人になると「時間」と「お金」の価値が逆転するという言葉も印象に残りました。この言葉を受けて大学卒業までにやるべきことは何かを改めて考え直すきっかけとなりました。

 大澤先生、お忙しい中、取材に応じて頂きありがとうございました。

取材/経営学部国際経営学科3年 吉澤和佳奈
議事録/地域創造学部公共政策学科1年 鷹巣心音
撮影/地域創造学部実践経済学科3年  深江龍太
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