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「海外事情講座」において、㈱小川工務店の大塚麻実様とJICA九州の山崎正則調査役に講義を行っていただきました。
2022-05-20
カテゴリ:お知らせ
「海外事情講座」
 テーマ:『JICAのおこなっている活動について』

 5月18日(水)に㈱小川工務店の大塚麻実様と独立行政法人 国際協力機構(JICA九州)の山崎正則調査役に講義を行っていただきました。
 大塚様はセネガルにJICA海外協力隊の日本語教育担当として派遣されたときの様子をお話くださいました。大塚様が勤務されている小川工務店は社員の1/3が海外を視察・活動している国際協力を推進しておられます。物資や現金を寄付するのではなく、現地の人々と共に活動することを目指しており、その考えを踏まえ、実践されたセネガルでの体験談でした。
 「神さまが望むならば勉強します」と答える日本語を学ぶ生徒たちへの対応を例にあげて、相手の考え方の違いを受け入れて、同じ目線に立つことがいかに重要であるかを教えてくださいました。「正しいこと」であっても、相手にとって「正しいこと」とは限らないとおっしゃった言葉は学生の心に響きました。またセネガルの写真から、アフリカ=貧困と思い込んでしまっている偏見を思い知らされました。
 山崎調査役は、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関としてのJICAの事業をご紹介くださいました。その上で、ご自身が赴任したガーナ国における母子手帳の導入事業に言及し、母親-医療従事者間のみならず、母親と父親や家族間のコミュニケーションの在り方を国レベルで変えていく取り組みに関わることができたことに感動を覚えたと話しました。
 また、自身の経験を基にした海外勤務体験ワークとして、互いの違いを乗り越え、共に成果を出していくための現地職員とのコミュニケーションをテーマに小グループで議論しました。その上で、山崎調査役が実際に行ったこととして、計画づくりから現地職員に任せ、粘り強くフィードバックを続けていくことや目の前の業務の意味をストーリーで語ることなどをうかがいました。
 山崎調査役は、これらのご経験から、一緒に働くための決まりごとなどは一緒に作っていくことの大切さや、分かり合えないことを前提に分かり合おうとする努力の必要性をご教授くださいました。そして最後に、近年日本国内でも増加している外国人材との共生の重要性に言及し、これまで「海外の仕事」としてイメージしていたような活動に挑戦する機会が日本国内においても益々増えていくことついてご説明くださいました。「自分自身の成長のためにも、これから直面する葛藤を味わい尽くせ」という一言は、社会に出ていく学生にとって背中を後押しする言葉となりました。
 ポジティブに前を向いて歩んでおられるお二人の国際協力また海外での体験談は、多様性とその受容性が求められている社会を生きる学生にとって、心に残る講義となりました。
講演する㈱小川工務店の大塚麻実様
講演するJICA九州の山崎正則調査役
会場の様子
質問を行う学生
質問を行う学生
講義後の学生からの質問にも丁寧にお答えいただきました。
講義後の学生からの質問にも丁寧にお答えいただきました。
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