世界の海運と港湾に関する研究
経営学部 国際経営学科 教授
経営学部 国際経営学科 教授
山本 裕 (ヤマモト ユタカ)
#海運経済論 #ロジスティクス(物流)論
Q.01
研究テーマとその内容、具体的な取り組みについて教えてください。
A.
社会人での大学院以来、15年ほど世界の海運と港湾に関する研究を行ってきました。実務経験を入れると30年ほどになります。実証的な研究として、スペインのバルセロナ港、イタリアのナポリ港、フランスのマルセイユ港・ルアーブル港、ベルギーのアントワープ港、オランダのロッテルダム港、ドイツのハンブルク港などを対象に聞き取り調査を行い、日本やフランスの海運会社へは意見交換にも行きました。港湾の研究は国際的なガバナンスの比較、海運の研究は独占禁止法との関係、アライアンス(企業連携)と企業合併、海運市況の変化とそれらの運賃への影響などです。
Q.02
この研究をはじめようと思ったきっかけについて教えてください。
A.
大学を卒業して2年で日本の会社を辞め、以来アメリカの海運会社に22年間勤務していました。そこではアメリカの駐在や多くの海外出張も経験しました。したがって個人的にはアメリカは卒業と思い、研究対象はおもにヨーロッパにすることにしました。2018年にはオランダ・ロッテルダムの大学に研究のために留学もできました。さらに、国内の多くの港や海運会社に知己があったため、そのつながりを大切にしてきたことが国内での調査にも活かされました。
Q.03
研究内容が身近な社会とどのように関わり、影響を及ぼすのか教えてください。
A.
実は国(国土交通省)や県(長崎県や高知県など)、佐世保市などで港湾に関わる委員を長く務めています。それらのポジションは海運の実務経験と、研究者・有識者としての知見が必要とされ、それらの会議を通して社会貢献を行っていると考えています。また、海運会社や物流会社には求めに応じてアドバイスすることにしています。
Q.04
今後、研究をどのように進めていこうと考えていますか。
A.
一昨年から海運の歴史の研究にも着手しています。現在は日米(太平洋)の海運史の研究をアメリカのテキストを翻訳することにより進めています。出来れば数か月間でよいのでアメリカの大学や研究所に滞在して資料の収集を行いたいと思っています。