低金利下の資産運用と節税行動
実践経済学科 教授
壁谷 順之 (カベヤ ノブユキ)
#会計ファイナンス #租税論
Q.01
研究テーマとその内容、具体的な取り組みについて教えてください。
A.
「低金利下の資産運用と節税行動」 我が国では、長引く低金利状態の中、家計のライフプランニングに大きな影響を与えています。特に、2019年に話題となった「老後資金2,000万円問題」前後より、政府によるNISAやiDeCoなどへの取組・推進は広く世間に浸透しています。現在は、いかにしてお金を増やすことと、節税によるメリットを享受するのかが重要な時期であり、金融商品選択や専門家活用などを検討しています。
Q.02
この研究をはじめようと思ったきっかけについて教えてください。
A.
大学卒業後、銀行や損害保険会社などの金融機関で勤務し、当時から個人・法人を問わず資産運用や効率化などに興味がありました。大学院では租税論や会計ファイナンスを研究し、資格取得を通じて専門性を高める努力をしました。金融分野は課題解決への正解が1つではなく、様々な切り口からアプローチが可能な面白い領域であり、現在のような経済環境だからこそ取り組める方向性を模索する喜びを日々実感しているところです。
Q.03
研究内容が身近な社会とどのように関わり、影響を及ぼすのか教えてください。
A.
研究推進のためには、テキストや制度・理論だけでなく、実務に携わることで常に身近な問題点として認識することが大事だと考えております。大学業務の傍らで、専門性を活かした資産運用の相談会講師を引き受けて、相談者の抱える課題解決策を一緒に検討します。授業やゼミでは、テキストを中心とした専門知識の習得に学生と一緒に取り組み、最新の動向や改正を鑑みながら問題意識を高める努力を忘れないよう心掛けています。
Q.04
今後、研究をどのように進めていこうと考えていますか。
A.
現在、専門的に取り組んでいる具体的なテーマは、企業年金やNISA・iDeCoの活用です。全国的にこれらへの人気向上を背景に、私たちの目指すプランニングや方向性を慎重に吟味することが喫緊の課題です。毎年のように法改正や制度改正が実施され、私たちの身の回りの生活に大きな影響を与えているため、最新情報をチェックしながらメリット・デメリットを比較・検討し、課題解決に向けた取り組みを推進していきたいと思います。
Q.05
ゼミや講義で学生を指導をする上で、いつも心がけていることや大切にしていることはありますか。
A.
ゼミや講義では、なるべく分かり易い説明をするように注意しております。会計ファイナンス分野は、専門用語が多くて仕組み・計算も複雑多岐に渡ります。これらをいかにして一般の方々に分かり易く伝えていくのかは、自らが学習・理解することよりも遥かに難しいものだと実感します。また、取り上げる内容は必ずしも最新のものばかりではなく、従来のものを踏まえて展開することが大事で、広く深く興味・関心を持つことを呼び掛けているのも特徴的です。