国際経済法における公正性(fairness)の変容に関する分析
国際社会学部 国際社会学科 准教授
平見 健太 (ヒラミ ケンタ)
#国際法 #国際経済法 #国際紛争処理
Q.01
研究テーマとその内容、具体的な取り組みについて教えてください。
A.
多くの規範的な法理論が公正の観念に基礎を置くかたちで展開してきましたが、私の研究対象である国際経済法分野も例外ではなく、諸国の抱く公正観が法秩序の在り方を規定してきました。しかし近年の国際政治環境の変化や種々の社会問題の登場を背景に、公正な市場秩序とは何かが再び問われるようになりました。
こうした公正性の動揺が、国際経済法秩序の規範構造と法解釈論にいかなる変容をもたらすのかを考察しています。
Q.02
研究内容が身近な社会とどのように関わり、影響を及ぼすのか教えてください。
A.
国際社会の問題を規律する国際法・国際経済法は一見、私たちの生活とは縁遠い分野と思われがちですが、特に国際経済法のルールは、モノ・サービスの流通や値段、越境的なデータ流通の在り方、投資活動の在り方などに多大な影響を及ぼすもので、企業の経済活動や個人の日常生活もその影響下にあります。
そうした法分野で地殻変動が生じているということは、当然のことながら私たちの身の回りにも徐々に影響が出てくることを意味します。