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学生広報スタッフ

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学生広報スタッフ『教員取材シリーズ』企画 第1弾
2021-04-23
 皆さん、こんにちは。学生広報スタッフです。『教員取材シリーズ』と題して、長崎県立大学佐世保校の先生方にインタビュー取材を行いました。
 このインタビュー取材では、先生方の研究内容や、教員を目指そうと考えたきっかけ等について、質問を通して触れていきます!
 第1弾は、経営学部国際経営学科長の矢野生子先生です。非常に気さくで明るい先生で、楽しく取材をさせていただきました!
左から 矢野生子先生 学生広報スタッフの佐田さん


1.    矢野先生の専門とされている研究内容を教えてください。
 私の専門は「国際経済学」です。ブレトン・ウッズ体制〔IMF、GATT(WTO)〕下での国際収支の調整(不均衡)の問題と自由貿易がもたらす問題点を再考察し、生産要素の国際間移動がもたらす影響を考慮した新たな経済理論を構築するための研究をおこなっています。
 現在は新型コロナウイルス感染症の拡大になかなか歯止めがかからず、人も物も移動しづらくなっているため、世界的に経済が縮小傾向にあります。特に発展途上国ではその影響が顕著となっており深刻な問題を生じています。経済の流れを止めると社会が機能しなくなってしまいます。今は特殊な状況下にあると考えるべきでしょう。経済の流れを正常な状態へ戻すために、まずは感染症の拡大を防ぐことが大切です。

2.    矢野先生の教育理念は何ですか。
 「基本に忠実」ということです。私が担当している「ミクロ経済学」や「マクロ経済学」は理論経済学の基礎です。経済学に限らず、土台となる基礎がしっかりしていなければ、上にいくら積み上げても安定せず、いつかは崩壊します。逆に基礎がしっかりしていれば、色々なことに応用可能です。「ミクロ経済学」や「マクロ経済学」などの経済理論は一見、皆さんが社会人になった際に意味が無い(役に立たない)ように思われるかもしれません。しかし、経済理論に基づいた考え方(分析方法)というのは非常に重要です。
 ですから、地味ですが、「基本に忠実」なことが一番大切だと考えています。このことは、経済理論に限らず、他のどの分野でも重要となります。


3.    矢野先生は学生時代どのように過ごされていましたか。
 今の学生さんたちと基本的にはあまり変わりませんでした。サークルには所属していませんでしたが、ゼミがとても活発でした。アルバイトをしながら、友達とショッピングに行ったり、ゼミの先輩方と一緒に勉強したり遊びに行ったりしていました。ただ、スマホどころか携帯も無い時代でしたから、今よりも時間に余裕があってのんびりと過ごしていたかもしれません。
4.    大学の教員を目指そうと考えたきっかけは何ですか。
 実は、経済学部を辞めようと思ったのがそもそもの始まりです。私はいわゆる、「不本意入学」でした。高校時代は理系でしたので、簿記も世界史も習っていなかったため、大学での1年次の専門科目が全く理解できず、興味も湧きませんでした。そこで、大学を辞めて再度大学受験しようと考えたのですが、「ここで辞めるのは、大学についていけないから・・・」と自分の負けを認める気がしました。どうせ辞めるなら、精一杯勉強した上で「理解したけれど経済学は面白くないから辞める」でなければカッコ悪いと思い、やれるだけ経済学を勉強してみようと考えました。
 そうしているうちに、理論経済学(ミクロ経済学やマクロ経済学)が数学を多用することを知り、自分の得意分野でもあったので面白くなってきました。(ちなみに、日本では「経済学部」は文科系と考えられていますが、海外では、「経済学部」は理科系として位置付けられています。)
 そして、決定打となったのは、名前も知らない4年生の先輩から「勉強する気があるなら後ろ向き(大学再受験)よりも前向き(大学院)に進んだ方がいいんじゃないの?」と言われたことです。今、考えるとなんだかおかしなアドバイスですが、その時は何故か、そのアドバイスがすごく響いたんです。
 という訳で、非常に不純な動機ですが、気がついたら経済学が面白くなって、大学の教員になっていました。現在置かれた場所で自分に何ができるのか、ここからどのような道を進んでいくべきかを試行錯誤していくと、様々な道が開けていきます。


5.    矢野先生が考える長崎県立大学で学ぶメリットは何ですか。
 大きな大学では、どうしても人間関係が希薄になりがちですが、長崎県立大学はとても小さな大学なので、教職員と学生の距離感が非常に近いです。もちろん、学生間についても皆が知り合いのような状況です。
 ゼミ(演習)などは少人数教育で教員が一人一人の学生に対して丁寧な指導ができるなど、先生も学生にゆとりを持って対応することができます。事務職員の方も名前を憶えてくれたりして、相談事にも丁寧に対応してくれます。小さいからこそ、大学全体がとてもアットホームな雰囲気です。
 また、学科毎に様々な特徴があります。例えば、国際経営学科では、英語教育に非常に力を入れており、海外での語学研修や海外ビジネス研修(海外インターンシップ)もあります。それ以外にも、国内外で活躍されている著名人をお招きして特別講演会なども頻繁に行われています。もちろん、講演会はどこの大学でも実施していますが、先述しているように、少人数の大学だからこそ、普段、お会いできないような著名人に近い距離で接し、直接質問することもできます。小さいからこそできる良さも多いです。
 要するに、「コンパクトでアットホーム」なところが本学のメリットですね。
6.    学生に求めるものは何ですか。
 「自主性」と「感謝の心」です。
 他人から何かを与えられるのを待つのではなく、自分は何がしたいのかという事を明確にし、そのためには何が必要なのか、何をすべきなのかを考えて行動して欲しいと思います。こういった積極性や自主性は、就職活動や社会でも必要となっていきます。
 また、「感謝の心」は常に持っていて欲しいです。自分が今こうしていられるのは保護者の方を始め、目には見えない多くの人々に支えられているからです。これまでも、そして、これからも多くの人々に支えられて生きていくわけですし、自分自身も誰かを支えていくことになります。自分はもちろんですが、誰かを支えていくためには、より強い力(武器)が必要ですし、自分が受けた恩を誰かに返すことも大切です。自分の力(武器)を学生時代に一つでも多く備えて欲しいと思います。


7.    最後に、学生への一言メッセージをお願いします。
 大学4年間はあっという間に過ぎます。大学は社会という大海原を航海するための最後の訓練の場です。自分の目指す場所(将来)にたどり着くためにも、しっかりと入念に準備をしてください。大学で学ぶ知識はあなたにとって最強の武器の一つとなります。
 高校までとは違い、交友関係も格段に広がります。友人を作り、「県立大学に来て良かった」と思えるような有意義な4年間をお過ごしください。

 「基本に忠実」であること、「自主性」や「感謝の心」、どれも私たち学生にとってなくてはならない大切な考えだと、取材を通して私たち学生も改めて気づかされました。
 矢野先生、この度はお忙しい中インタビュー取材をさせていただき、ありがとうございました!


取材者:地域創造学部実践経済学科3年 佐田真莉亜
議事録・記事作成:地域創造学部公共政策学科3年 井手敦子
写真撮影:地域創造学部公共政策学科3年 松元広貴
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