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学生広報スタッフ

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学生広報スタッフ『起業サークルFIRPEN』特別取材
2022-11-09
 こんにちは!経営学科1年森永凜奈です。私は学生広報スタッフの活動のほかに、起業サークルFIRPENにも所属しており、サークルメンバーと日々様々な活動に取り組んでいます。
 さて、10月23日に開催された「長崎学生ビジネスプランコンテスト」において、私たちFIRPENの3組がファイナリストに選ばれ、それぞれ特別賞(企業賞)を受賞しました!惜しくもグランプリは逃したものの、私たちの活動が評価されたことに、メンバー一同のモチベーションは更に高まっています!
 そこで、今日は私が受賞したメンバーを取材し、それぞれのビジネスプランの特徴や取り組むメンバーの素顔、そして今後の展望などを伺ってみました!!!

<KPG賞(i Land nagasaki)>
Sasutenai-clothes
~その服所有しなくていいんじゃない?~
経営学科2年 鶴山 すみれさん(代表者)
経営学科1年 仲宗根 楽人さん、森永 凜奈さん
左から仲宗根さん、鶴山さん、森永レポーター、仲良しの森田さん
今回のプロジェクトの概要を教えてください。
 今回のプロジェクトに着想したのは、ファストファッションが主流となっている今日のアパレル業界における大量の在庫廃棄により引き起こされる環境問題、そして、大量消費・大量生産の背後にある開発途上国での低賃金や労働環境の劣悪さに起因する人権問題を解決したいという思いからです。
 具体的には、倉庫に保管されている在庫の服をレンタルする仲介役になるというものです。いわば古着の「サブスクサービス」といったもので、1ボックスに10着を同梱し、3,000円で最長1年レンタルします。また、借りた服を自分でリメイクした場合は販売も可能で、その販売のための仕組みを含めた、全体的なプラットフォームの提供に主眼をおいています。

プロジェクトを進める中で、印象的だったことを教えてください。
 もともと古着のサブスクのみを考えていたのですが、本学の卒業生の方が運営されている古着屋さんなどにヒアリングをさせていただいたんですよ。そこで出てきたアイデアが、自分でリメイクしたものを自身も販売できるというもので、実際の経営の考えから多くの助言をいただき、協力していただいたことはとても印象に残っています。

このプロジェクトの推しポイントを聞かせてください!
 古着は「古着屋さん」に行かないと出会えない、ここに一つの着想点があります。このプロジェクトは古着のヘビーユーザーよりも、古着に興味を持ち始めたライトユーザーに古着との出会いを体験してもらうことに主眼を置いています。届いた箱の中の服との出会いにドキドキ、ワクワクしてほしいですね!!
 もちろん、ユーザー登録の際に自身の好きなスタイルやデザイン、年齢等を登録する仕組みづくりをして、ユーザーのニーズに合わせたデザインを同梱するようにしたいと考えています。

このプロジェクトを実現するにあたり、課題は何でしょうか。

 実際のところアンケート調査の結果では、服のレンタルをするくらいなら買うという人も多くいました。このサービスの潜在的ニーズの把握は必要だと痛感しています。
 また、リメイクした服もフリマ経由で販売されてしまってはこのシステム自体の仕組みが機能しなくなります。そのため、サブスクから利用ユーザーによるリメイク商品の販売まで、一括したプラットフォームで提供する仕組み作りがとても重要であると感じています。

大学の学びでどのようなことが今回のプロジェクトを考える上で役立ちましたか。
 私自身が大学の経済・経営系講義で学んだこととして、「三方よし」という近江商人の教えが常に頭の中にありました。買い手よし、売り手よし、世間よし。これは現代の経済社会においてとても意義のある教えです。売り手、買い手双方に利益をもたらすことが、結果としてあらゆるステークホルダーにとってプラスになる、そうしたビジネスプランを作りたいという原動力でしたね!

今後のプロジェクトの展開を聞かせてください。
 まずは、仲間をもっと増やしていき、私たちが取り組みたいことや頑張りたいことをより発信していきたいですね。小さな店舗から少しずつ進めてみたいと考えています。また、これは単なる販売の仕組みではなく、ECサイトの構築といった技術的側面もすごく大きいと考えています。

将来の夢、教えてください!!!
(仲宗根さん)今回の経験を通して、来年は自分のプランでビジネスプランコンテストに改めて出場してみたいと考えています。
(鶴山さん)私自身のプロジェクトの最終目標は、開発途上国の抱える問題を解決することです。起業という手段に囚われず、様々な視点から課題解決に向けてアプローチが出来ればと思っています。

<GEUDA賞>
Flower Page 
ロスフラワー活用事業~ロスフラワーで安心安全なクレヨンを~
国際経営学科4年 河野 更紗さん
公共政策学科3年 櫻井 勇介さん
※長崎大学(代表者:徳永 恒大さん、豊島 大晴さん)、佐世保工業高等専門学校(代表者:森田 羽南さん)との混成チーム
森田さん
河野さん
豊島さん
徳永さん
今回のプロジェクトの概要を教えてください。
(森田さん)私自身、佐世保工業高等技術専門学校でファインバブル(文科省の寄付ポータルサイトにも取り組みが掲載されています)を始めとした理系の研究に努めていたのですが、もともと花き農家で発生している、販売できず破棄されている大量の花、いわゆる“ロスフラワー”に興味を持っていたんです。そうした中、長崎県立大学の河野さんや長崎大学の徳永さん、豊島さんとスタートアップウィークエンドという、若手のアントレプレナー育成イベントで知り合い、意気投合して学校の垣根を超えてプロジェクトを考えてきました。
 農家で発生するロスフラワーの香り成分を抽出してフレグランスを作ったり、色素を利用して安全なクレヨンを製造したり、廃棄されるものを有効利用することによって、農家の方の6次化産業(農林漁業者(1次産業)が、農産物などの生産物の元々持っている価値をさらに高め、それにより、農林漁業者の所得(収入)を向上していく)を支援することが目的です。
 製品の付加価値を高めるため、蘭から抽出したフレグランスには花言葉の想いを込めた商品にしてみたり、その製品のポテンシャルを引き出すための様々な仕組みも考えています。そのおかげで、実際に企業様からもお声をかけていただいています。

プロジェクトを考えるにあたり、どのような取り組みや活動をしてきたのですか。
 徳永さんのご実家が花き農家であり、この事業へのメンバーの想いは強いものがありました。実際に市場や農家さんへヒアリングを行いました。農家の方々は誇りをもって花の栽培に取り組んでいらっしゃるので、そうした方々へのリスペクトを大前提に、農家の方々とともにいかにメリットを共創していくか、そのビジネスモデルに苦心しました。もちろん、花を加工するためには高度な技術が必要な点も難しいところと言えますね。

プロジェクトの優れている点や推しポイントを教えてください。
 現在の花き農家は後継者不足、そして昨今のコロナウイルス感染症拡大による花き需要の低迷、そして国際情勢緊迫化による原油価格高騰による輸送コスト増大により、経営を取り巻く環境は厳しさを増しています。そうした中、ロスフラワーの事業化を私たちが支援し、農家の方は品質の高い花きの栽培に専念していただく。これがこの事業のねらいの一つと言えます。

プロジェクトを考えるうえで、難しかったことを教えてください。
 農家の方の考え方も尊重しながらプランを考える事、これが大前提であったということです。また、農家の方は永続的な事業を望んでおられます。持続的な事業として定着させる方策をどう導くか。これは重要な観点です。併せて、類似サービス(サブスク)はすでに商用化されていて、この事業でどう付加価値を付け、差別化するかは大きな課題と考えています。

学校での学びでどのようなことが今回のプロジェクトで役立ちましたか。
(森田さん)私自身、学校での学びをベースとしながらも、学内外という垣根を超えて、自分でできるアプローチは全てアントレプレナーシップ精神のもと取り組んできました。そこで感じたのは、思っている以上に学生の活動に手を差し伸べてくれる人は多いことです。学内だけでなく社会、企業、農家の方などさまざまな関わりを持つこと、それが私の今回の学びを踏まえた今の原動力の一つですね。

(河野さん)やはり「三方よし」の発想、これがとても大切であると感じているんです。生産者のニーズ、買い手のニーズは違いますし、そこに社会情勢といった要因も加わります。いずれか一つを見ているだけではダメなのです。農家の方にヒアリングをしてみて、自分自身が感じていた観点だけでは、物事は理解できないことを痛感しましたね。

(徳永さん)私自身はまだ経済原論を学ぶ段階ではありますが、将来は起業したいという想いを持っています。学内の学びだけでなく、こういった活動で学べることは計り知れないですね。学校だけの学びに限らず、さまざまなことを吸収していきたいです!

(豊島さん)私はまだ夢を探している段階ではありますが、やはり学外で体感できる学びの重要性はすごく感じています。様々な交流の場を通して繋がる縁を大切にしながら更に未来の自分を探していけたらと思います。

今後のプロジェクトの展開を教えてください。
 胡蝶蘭の香りを使った香水を作り、そこに付加価値としてストーリーを付けていくことにより、商品価値のポテンシャルを高めたいと考えています。つながりを持った社会の方の力をお借りしながら、このプランをこのメンバーで実現したいんです!!
 また、農家の皆さんには本業に専念してもらいつつ、それを持続的に支えていけるような起業ができればと思っています。

将来の夢、聞かせてください!
(森田さん)”ものづくり”だけでなく、”ことづくり”ができる人間になりたいですね!
(河野さん)私自身就職が決まっているのですが、社会人になっても開発途上国のインフラ整備に携わって行きたいと思っています。
(徳永さん)将来は失敗を恐れることなく、起業するという夢を実現したいと考えています。人に感謝される会社を作りたいんです。先日、私が主宰するサークルのイベントで「ありがとう」の言葉を多くの方からいただいたんですよ。これからも一人でも多くの人にそういった温かい思いを作ってあげられる人になりたいですね。
(豊島さん)今はまだ将来の夢がはっきりと決まっていません。だからこそ、大学生活の中で、今自分ができることを多く吸収して、夢が決まったら発揮していきたいという、強い想いを抱いています。

<安達賞(安達株式会社)>
SigPArt
障がいのある方が描くアートを発信~みんなに平等と仕事のやりがいを~
国際経営学科2年 古川 友稀さん(代表者)
古川さん
今回のプロジェクトの概要を教えてください。
 高校生の頃に、身体が不自由な方々の賃金や、仕事にやりがいを感じられていない現状について知る機会がありました。大学生になって、そうした方々の貧困や、社会における自己実現のために、何か起業を通じて手伝えることがないかと感じたことが、原点にあります。
 また、大学入学後に身体の不自由な方々のグループホームでのアルバイトをしたのですが、そこに入所する方々の姿を垣間見て、その思いをさらに強くしました。
 今回のプロジェクトでは、身体の不自由な方々が制作したイラストをフォトフレームにし、企業などにレンタルすることで、社会的な平等さや仕事のやりがいを感じてもらうことが目的です。

プロジェクトを作り上げるにあたって、どのような取り組みや活動をしてきましたか。
 この事業の実現可能性を、企業の方にアポイントを取りヒアリングを行いました。そこで、この事業自体のポテンシャルは感じることが出来たのですが、ニーズがどの程度あるかということを真剣に検討してきました。

プロジェクトの推しポイントを教えてください。
 通常、身体の不自由な方の施設は、国からの支援、いわば公助により成り立っています。しかし、この事業は身体の不自由な方の特技を生かし、それを収益化するシステムですので、そうした方々の「自助」の部分を拡大することができる。そこに大きな意義があると考えています。

プロジェクトの課題を教えてください。
 ビジネスプランとしての意義は、多くの方々に高い評価を頂きました。しかし、いざこのプランをビジネスや商業ベースで考えた場合、今後どう展開していくのかに関しては多くの課題があります。また、こうした絵画レンタルのニーズを見極めることが難しいのも事実です。

大学の学びでどのようなことが今回のプロジェクトで生きていますか。
 やはり「経営分野」の学びですね。授業で学んだ社会問題、ソーシャルビジネスなども踏まえてプランを考えました。

今後のプロジェクトの展開を教えてください。
 イメージとして、1点5,000円でレンタルするビジネスモデルを考えました。この実現可能性を模索していきたいです。

将来の夢!!!
 絵画に関わらず、身体の不自由な方の生活環境を改善し、すべての方がともに活躍できる場を作りたい。それが、私の今の想いであり、原動力です。

あとがき
 今回の取材を通じ、ビジネスプランの検討をきっかけに、様々な可能性を切り開いていく姿を強く感じることができました。私自身も、日々の学びに加え、起業サークルFIRPENで仲間といろんな話をすることは、学びだけではなく、様々なことにチャレンジする原動力になっています。
 これからのみなさんの取り組みに引き続き注目していくとともに、私自身アントレプレナー精神ある学生広報スタッフとして、皆さんに学生の今をお伝えしていきます!(森永)



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