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本学学生がNPT再検討会議に参加しました!!
2022-09-12
本学大学院地域創生研究科で学び、学生広報スタッフとしても活躍する松田 あすかさんが、去る8月2日~26日の間米国の国連本部で開催されたNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議に、代表団として参加しました。唯一の被爆国であり、また最後の被爆地である長崎で学ぶ松田さんが、ご自身の目で見た会議のこと、そして代表団に参加し活動した今、募る平和への想いについて伺いました!
1.松田さんが核廃絶、ひいては平和活動に関心を持つようになったきっかけを聞かせてください。
私が長崎出身ということもあり、毎年夏に学校で平和学習を受けてきました。そのなかで核兵器や平和には自然と関心を抱くようになっていました。しかしながら、自ら平和活動にアクションを起こすきっかけはなく、またその勇気もなかったかもしれません。しかし、高校生の時に友人が高校生平和大使として活躍している様子を身近に見る機会があり、漠然とではありましたが、平和に向けてできることを、何か取り組みたい!と思うようになりました。
大学に入学し、大学生協の学生組織である「生協組織部」に加入したのですが、そこで全国大学生活協同組合連合会が主催・運営するPeace Now!へのお誘いを頂きました。Peace Now!の活動では、全国の大学生を対象として長崎市の被爆遺構をめぐるフィールドワークや被爆者講話など体験型の平和学習プログラムを企画立案していました。
2.今回、NPT再検討会議団に参加することとなった経緯を教えてください。
学部生時代の平和への取り組みを経て、大学院では西岡 誠治 教授のもとで研究に従事し、長崎市の研究イベントや日本地域政策学会の全国大会で発表させていただくなど、様々な取り組みを続けてきました。SNSで発信をしていた、そうした取り組みに長崎の生活協同組合連合会の代表団の方が注目してくださり、お声を掛けてくださったことで、今回の代表団入りが実現しました。
3.平和活動と、大学院でのアカデミックな活動が結実して、今回の派遣へとつながっていったと感じますが、西岡先生の指導のもと取り組んでいる研究内容について是非聞かせてください。
卒業論文を発展させた研究なのですが、広島と長崎の平和公園の形成過程について研究を行っているんです。それぞれ被爆地として平和公園を有するという共通点を持つ両市ですが、平和公園の形成課程の「軸線」に着目すると、それぞれの特徴が存在することに気づきました。
西岡先生は、高規格道路整備に伴う長崎市の平和公園再整備の検討委員会で委員長を努めていらっしゃいます。また、先生は本学に赴く前は広島市で平和公園の担当局長も務めておられ、両市の知見を幅広く持っていらっしゃったことから、様々な観点からアドバイスを頂きながら、全国大会での発表を行うなど充実した研究にいそしんでいます。
学部生時代の平和への取り組みを経て、大学院では西岡 誠治 教授のもとで研究に従事し、長崎市の研究イベントや日本地域政策学会の全国大会で発表させていただくなど、様々な取り組みを続けてきました。SNSで発信をしていた、そうした取り組みに長崎の生活協同組合連合会の代表団の方が注目してくださり、お声を掛けてくださったことで、今回の代表団入りが実現しました。
3.平和活動と、大学院でのアカデミックな活動が結実して、今回の派遣へとつながっていったと感じますが、西岡先生の指導のもと取り組んでいる研究内容について是非聞かせてください。
卒業論文を発展させた研究なのですが、広島と長崎の平和公園の形成過程について研究を行っているんです。それぞれ被爆地として平和公園を有するという共通点を持つ両市ですが、平和公園の形成課程の「軸線」に着目すると、それぞれの特徴が存在することに気づきました。
西岡先生は、高規格道路整備に伴う長崎市の平和公園再整備の検討委員会で委員長を努めていらっしゃいます。また、先生は本学に赴く前は広島市で平和公園の担当局長も務めておられ、両市の知見を幅広く持っていらっしゃったことから、様々な観点からアドバイスを頂きながら、全国大会での発表を行うなど充実した研究にいそしんでいます。
4.NPT再検討会議団への参加が決まった時はどのような気持ちになりましたか。
決定はもちろん栄誉なことでした。そして、参加するまで、常にポジティブな気持ちを持ち続けていました。というのは、選出されたのは2020年、つまり世界がコロナ禍に直面し始めた時期であり、会議は4度にわたる延期となってしまったんです。当然参加することは叶いませんでした。しかし、その分会議団として渡米できた時の感激は、私自身の世界が広がるという喜びでいっぱいでした!!
5.今回のNPT再検討会議に参加するにあたり、どのような準備や学習をしてきましたか。また、どんなところに注目したいと考えていましたか。
まずは知識を深めなければと思い、長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)の講演会に参加し核軍縮や国際情勢についてお話を伺いました。また、世界の核の現状やNPTのこれまでの成果や現状を図書館や新聞、インターネット等でリサーチしました。
決定はもちろん栄誉なことでした。そして、参加するまで、常にポジティブな気持ちを持ち続けていました。というのは、選出されたのは2020年、つまり世界がコロナ禍に直面し始めた時期であり、会議は4度にわたる延期となってしまったんです。当然参加することは叶いませんでした。しかし、その分会議団として渡米できた時の感激は、私自身の世界が広がるという喜びでいっぱいでした!!
5.今回のNPT再検討会議に参加するにあたり、どのような準備や学習をしてきましたか。また、どんなところに注目したいと考えていましたか。
まずは知識を深めなければと思い、長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)の講演会に参加し核軍縮や国際情勢についてお話を伺いました。また、世界の核の現状やNPTのこれまでの成果や現状を図書館や新聞、インターネット等でリサーチしました。
また、NPT再検討会議は基本英語での討論になるため、しっかりと自分の耳で聞き取れるように、そして外国の人に核兵器の悲惨さを自分の言葉で伝えられるように英語の勉強も頑張りました。
6.NPT再検討会議での具体的な活動を聞かせてください。
現地では、要請活動として各国政府の代表部(イギリス・オーストリア・日本政府など)を前に被爆者の方が被爆体験を伝え、NPTへの早期批准への要望書を手渡しする活動に同行させていただきました。NYの各地で行われている平和をテーマとしたイベントに参加し、現地の方と交流する機会もありました。
到着して2日目には、NPTの一般討論を傍聴することもできました。そこでは、キプロスやパレスチナの演説を聞くことができました。世界中が核の脅威を現実に感じる中、広島・長崎原爆の日が近いこともあり、広島・長崎という被爆地への明確な言及があったことが印象的でしたね。
6.NPT再検討会議での具体的な活動を聞かせてください。
現地では、要請活動として各国政府の代表部(イギリス・オーストリア・日本政府など)を前に被爆者の方が被爆体験を伝え、NPTへの早期批准への要望書を手渡しする活動に同行させていただきました。NYの各地で行われている平和をテーマとしたイベントに参加し、現地の方と交流する機会もありました。
到着して2日目には、NPTの一般討論を傍聴することもできました。そこでは、キプロスやパレスチナの演説を聞くことができました。世界中が核の脅威を現実に感じる中、広島・長崎原爆の日が近いこともあり、広島・長崎という被爆地への明確な言及があったことが印象的でしたね。
7.要請活動においてお話を聞く各国政府の代表団の反応はどうでしたか。
それぞれの国がおかれている状況がそれぞれ色濃くあらわれてくることが印象的でした。核保有国、核の傘のもとにある国は、やはり「無難」な応対であった部分も否定できず、想いを語った被爆者の方は、核廃絶への道筋にもっと向き合ってほしかったという無念さも持たれているようでした。
ただ、そうした中でも私が印象的に感じたのは、「被爆体験」を聞くときの代表団の方々は、それぞれの国の立場こそ違えど、本当に真剣に、話をさえぎることなく、被爆者の方のお話に耳を傾けてくださっていた点です。やはり「生の声」の持つ力はとても大きいことを改めて痛感した活動でした。
また、印象に残っているのが、オーストリア政府代表のダニエル・レスリン氏です。当日、活動で被爆者の方がパンフレットや、折り鶴をモチーフにしたキーホルダーをお渡ししたのですが、本当に大切に受け取ってくださったそのお姿は忘れられません。
8.NPT再検討会議では同世代の方々との交流もあったかと思います。想い出に残っていることはありますか。
ドイツのユース代表団とお話をしたことですね。彼らを前に被爆者の方がお話をしたのですが、とても熱心に耳を傾けていました。原爆の投下という歴史的事実は知っていても、どのような惨状であったのか彼らは知らなかったそうです。「知ってもらうこと」の大切さを改めて実感しました。
9.先日NPT再検討会議は閉幕しましたが、特定国の反対で最終文書の調印には至りませんでした。核軍縮について向き合って議論を重ねた今回の会議を振り返り、感想を聞かせてください。また、松田さんが今回の会議で想う、今核廃絶に必要なことについて教えてください。
現地でも日々国際情勢の緊迫化は感じていましたし、最終文書の採択は困難ではないかというムードが漂っていました。「核の抑止力」としての性質についても、様々な議論が飛び交っていました。
そんな中で私が感じたのは「世論」の大切さです。平和な社会の実現のためには、核兵器は絶対に使ってはならない。そうした想いを一人でも多くの人が抱くことが、まずは大切なのではないかと思いました。
10.松田さんが見て、今の日本の「世論」はどうでしょうか。
一番感じてしまうのが、平和への「無関心」さです。私たちの日常は、第二次世界大戦終結後、平和の礎の上に日常が成り立っている、いわば平和が「当たり前」になっているように思います。しかし、今回の会議に参加し感じることは、平和は絶対に当たり前ではありません。私たちが当たり前と感じていることが享受できない人がたくさんいる、この事実を改めてかみしめて、平和には無関心でいられないことを一人でも多くの人に感じて欲しいと思っています。
私が先輩から教えてもらった言葉なのですが「戦争に無関心ではいられても、絶対に無関係ではいられない」。この言葉の重みを日々感じています。
11.今年は世界情勢が緊迫の度合いを増し、冷戦終結以降で最も「核の脅威」を身近に感じた方も多いのではと思います。また、「力による現状の変更」という言葉も飛び交う中、長崎に学ぶ学生として、今どのような想いですか。
一人でも多くの人に被爆地を訪れていただき、多くの人に被爆の実相を知ってほしい、これが今の私が一番願っていることです。被爆地で自分の目で、耳で感じた体験は、何よりも平和や核廃絶を考えるきっかけになると思うのです。これは絶対に他人事ではなく、すべての人が真剣に向き合わなければいけない課題です。
12.松田さんが、同じ世代の若者たちに今訴えたいことはありますか。
世界で起きている様々な出来事に注目するだけでなく、正しい知識と情報を得てほしいということです。SNSを通じて容易に情報を手にすることができる反面、情報戦の中でフェイクニュースだって沢山あります。そうした情報に惑わされないことは絶対に必要だと思います。
また、私たちは被爆者の方からお話が聞ける最後の世代かもしれません。被爆の実相を聴く、そしてどうやって伝えていくか、それを是非考えてほしいと思います。
日常が「平和」であることは絶対に当たり前のことではないという松田さんの言葉、私たちみんなが考えなければならない事実だと改めて感じる取材でした。
平和への想いを胸に様々な活動に取り組む松田さんを、本学も応援しています!