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学生広報スタッフ

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学生広報スタッフ『新任教員取材シリーズ』企画  後藤 究 講師
2022-07-21
 皆さんこんにちは!学生広報スタッフです。今回は公共政策学科講師の後藤 究先生の取材を行いました。先生は長崎県立大学にどんな印象を持ったのでしょうか。早速インタビューしてきました!
後藤先生を取材する学生広報スタッフ
1.後藤先生の専門分野について教えてください。
 労働法という法律を専門的に勉強しています。特に、外国法(ドイツ法・EU法)を参考にしながら、日本の判例や立法政策との比較検討を行っています。時には裁判所や立法者に対して批判的な検討をしてみることもありますね。
 実体験として、塾講師一コマ分の準備に給与が発生しない疑問を持ったこと等がきっかけで、労働法の勉強に興味・関心を抱きました。

2.後藤先生の教育理念について教えてください。
 イソップ童話に「北風と太陽」というお話がありますが、そのお話でいうところの「太陽」のようなモチベーターでありたいなぁ、と思っています。学習において、自発的に行動を起こさせる太陽のような存在でありたいなと考えています。
 北風のような直接型よりも、学生一人一人のパーソナリティーに向き合い、ほめて伸ばすことをモットーにしています。

3.後藤先生はどのような学生時代を過ごしましたか。
 法学部に入学したのですが、「君は何で法学部に入学してしまったの?」と言われるほどに、法律の勉強がなかなか上手くいかない学生時代でした。というのも、語学(ドイツ語)の勉強ばかりしていたからです(笑)。
 当時から英語と全く文法の異なるドイツ語は、英語よりも日本向きだと感じており、面白い言語だと思っています。アルファベットの読みが日本語に似ているところも魅力の一つです。

4.後藤先生が大学教員を目指そうと思ったきっかけは何ですか。
 大学3年生になるまで全く進路が決まらずに、モヤモヤした日々を過ごしていました。しかし3年次に受講した労働法の授業やゼミの先生との出会いが大きく、そこから自分の中で変化が起きました。労働法を熟知しているこの先生が、私のドイツ語能力と労働問題に関する、鋭い発見意識を研究活動に生かしてみないかと持ちかけてくださいました。
 これがきっかけで研究者(大学教員)を目指そうという気持ちに駆り立てられた気がします。2年次にはドイツ語の試験2級を取得していました。進路を聞かれても目標を答えられなかった私にも、先生は突き放さず、研究者の道に進めてくださいました。熱心に労働法を履修していたことが、例えば、その後に従事することになる、行政(神奈川県)での労働相談窓口での相談員の仕事で役立ったと感じます。
教員を目指した秘話を語ってくださる後藤先生
5.赴任されて2ヶ月近くたちますが、後藤先生が考える長崎県立大学で学ぶメリットは何だと思われますか。
 もはや現在では死語かもしれませんが(笑)「マンモス大学」と呼ばれるような大学とは違って、「先生と学生さんの双方向型のやり取りのしやすさ」をとても感じています。私自身が学生生活を過ごした大学では講義は300人受講といった感じで、ゼミ・講義のどちらにしても、先生とコミュニケーションをとるうえでのハードルが結構高かった気がします。
 生徒と先生との距離がちょうど良く感じる双方向型のスケール感だと思います。私の学生時代よりも、長崎県立大学は先生と気軽に意見交換が出来る点にうらやましさすら感じています!

6.後藤先生が学生に求める物は何ですか。
 長崎県立大学には「真面目・素朴」な学生さんがとても多いと感じています。その良さを生かしつつ、しかし、たとえ相手が先生であったとしても相手の言説を鵜呑みにするのではなく、時には「批判的」にも検討してほしいと思います。自分が「おかしい・納得できない」と思うことがあれば、臆せずに議論を挑んでみてほしいです。つまりは、批判的思考にも目を向けていいのかな、と感じています。
 真面目さはとてもいいことですが、おかしいなと思うことにきちんと正すことが出来るのも必要です。直観的に納得できないことは質問してみることで深い理解が得られることもありますよ。私自身の経験から、真摯に意見を受け止めてくれる先生も中にはいらっしゃいました。そうした中で、私に次のステップを紹介してくださった先生方は印象に残っていますね。

7.学生に一言メッセージをお願いします。
 私自身が立派な大学生活を送ってきたわけではないので、偉そうなことは何も言えないのですが(笑)、わがままな注文をさせていただくと、何でもいいので大学4年間の中で「これだけは絶対に他人に負けない!」と自信をもって語れるスキル・経験値を1つでいいので身につけていただけると、とても嬉しいです。私自身にとっては、「ドイツ語のスキル」が、それにあたります。
 大学四年間が人生で一番自分の強みアイデンティティ、個性を育てられる引き伸ばせる期間だと思います。資格・試験のために勉強に打ち込むことも、もちろん素敵だと思いますが、単に合格することを目的とするだけでなく、そこでの勉強を将来どう生かすのかという視点も必要かなと思います。

8.最期に後藤先生の休日の過ごし方を教えてください。
 休日も研究論文の執筆のために、判例分析や外国文献の翻訳作業に勤しんでおります。余裕があれば、趣味として魚釣りを沢山やりたいなと思い、予定を立てている途中です。それから、私のゼミ生さんが「させぼ通信」というインターネットサイトで佐世保周辺の観光スポットや素敵なお店を紹介する記事を執筆されているので、記事で紹介されている場所を訪れたいなとも思っています。
ご自身の経験から暖かくメッセージを語ってくださった後藤先生
 今回のインタビューでは、日々の学習に対して、理解するだけでなく批判的な視点も持ってみること、これだけは譲れない得意とする物を見つけることの重要さを後藤先生に教えていただきました。試験を単位の目的のみならず、学習に対する理解を深める手段としてみることをこれから心がけていきたいと思います!
 後藤先生、お忙しい中のご協力有り難うございました。


取材:地域創造学部公共政策学科2年 井手祥子
記録:地域創造学部実践経済学科1年 宮部幹大
撮影:地域創造学部実践経済学科1年 佐藤天祐
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