【vol.105 2024年11月】(タイ・タマサート大学 谷口 恵音さんより)
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私はタマサート大学へ交換留学に来られた事をとても嬉しく思っている。なぜなら出会うタイ人が全員優しいからだ。それは、学校のクラスメイトだけに限らず、街中ですれ違う人々に当てはまり、何か困ったことがあるとすぐに「どうしたのか?何か手伝えることはないか?」という姿勢を見せてくれる。それは日本人だから、外国人だからというわけではなく、タイ人同士でも助け合っている光景を何度も見てきた。国民性的に日本人と比べると、オープンな人が多い印象だ。その点、思っていることをはっきり言葉で伝えてくれることは自分にとって会話がしやすい。また、大学生やバンコク市内では英語を話す人が多いが、地方に行くと英語が伝わらないことがあるので、簡単なタイ語くらいは覚えておいて良いと思った。翻訳機を使えば伝わりはするが、タイ語を話せた方がよりスムーズな会話やタイ人への理解が深まり、打ち解けやすいと思う。
先ほど、タイ人のオープン気質について述べたが、特にLGBTQの性的マイノリティのことを隠さずにありのままに自分自身をさらけ出して、尚且つ、そういう個性を受け入れている人々が多いと感じた。今やジェンダー問題は世界中で当たり前に語られるようになった。しかし個人的印象として、日本国内では、表面上は皆何も言わないが、心の底では白い目で見ている人が多いのではないかと感じている。しかし、タイでは大学内でも、街中でもどこにでもLGBTQに当たる人達がいる。そして街中を歩く人達も当たり前の存在として分け隔てなく接している。大学ではゲイの男の子が女の子達と歩いている姿をよく見る。見た目に関係なく、その人を中身で見て判断するのはとても良い文化だと思う。実際に、自分の大学の友達でも性的マイノリティの子達はたくさんいる。そして彼らはとても優しく接してくれる。とてもありがたいと感じている。外見で判断せずに、どんなに知らない人でも困っている人がいるなら当たり前のように助けることができる、そんな人に自分もなっていこうと思った。
タイで困ったことは今のところ感じていない。もちろん日本のようにどこでもトイレが綺麗だったり、街中にゴミがあまり落ちていなかったりする事などはないが、自分はタイ人の国民性に、留学に行く価値を見出している。もしタイに行ったなら、なるべく多くの現地民と積極的にコミュニケーションを取ってみて欲しい。同じ学部の子だけでなく、他学部や他学年の子と放課後の様々なスポーツアクティビティをしてみるのも良い。他大学も近くにたくさんあるので、タマサート大学と比べてみるのも面白い。自分はバレーボール部を見つけたので留学最初の週から3ヶ月以上経った現在も欠かさずほぼ毎日練習に参加している。公式戦のために、チームメンバーとタイ国内のいろんな場所に行けたのが楽しかった。また、試合を重ねるごとに、新しい場所に行くごとに新しい友達が出来ていくことが何より嬉しかった。自分のチームメンバーはもちろん、他大学の学生とも交流はたくさんあった。こうしてスポーツを通じて本当にたくさんの人々と出会えたことに感謝している。タイ北部のチェンマイで行われた試合で優勝したときに、敵チームだったが自分たちの優勝をまるで自分事のように涙を流して賞賛してくれた友達もいた。決勝戦はフルセットの激闘で、勝利したときは自分もコート上で泣きそうになっていたが、ここまで思ってくれる人がいたことがとても嬉しくてまた泣きそうになったのを覚えている。大学の留学期間は12月19日までだが、コーチからの誘いを受けて1月中旬にあるトーナメントに出場するため、滞在期間を延長することにした。それまで、残りの約50日を、New Year EventやChristmas Eventも楽しみつつ、日々の練習と卒論に力を注ぎたいと思う。