【vol.57 2023年8月】(中国・西安外国語大学 堀口 美結さんより)
国際社会学部国際社会学科2年 堀口 美結
私は今年の夏休みに中国の西安という場所で約1か月間の語学研修を体験しました。
9月の初め、学校が始まる前にまず私たちが経験したのはクラス分けテストでした。筆記やスピーキングなどのテストを受け、その結果を元に1人ひとり別のクラスに分けられます。私たちは西安外国語大学の外国人留学生が通う漢学院というキャンパスで中国語を学んでいたため、同じクラスには韓国やアルゼンチン、タジキスタン、アゼルバイジャンなど各国から集まった年齢も性別も異なる人たちがいました。
授業は朝の8時20分からお昼の12時までで、主に中国語の文法や単語などを学ぶライティングの授業、中国語を聞き取るリスニングの授業、会話力を身につけるスピーキングの授業などを受けました。最初のうちは先生方が話すスピードが早く、ついていくことで精一杯だった上に、周りの留学生は授業中ほとんどノートを取っておらず、先生の質問に対してすぐに答えようとする積極性のすごさに驚き、中国語専攻として大学で毎日中国語を学んでいても、現地の中国語には対応できるレベルには至っていないことを痛感しました。
2週間目に入ってだんだん授業に慣れてくると、授業で学んだ内容が頭に入ってくるようになり、授業が終わって寮に帰った後は少しでも中国語能力を高めるために中国ドラマや中国語の字幕が付いたアニメを見て過ごしていました。また、それくらいの時期になると心にも余裕ができて、学校が終わった後の午後の時間や、土日にはバスや地下鉄を乗り継いで動物園に行って中国のパンダを見たり、兵馬俑を見に行ったり、漢服を着て大雁塔辺りを散策したりと中国でしか経験できないことをたくさん楽しむことができました。外出する時は現地の人と話すことも、乗り継ぎの仕方を調べるのも全て自分たちでやらなければならなかったため、かなり緊張しましたが、自分が話した中国語が伝わるとすごく嬉しかったし、公共交通機関の乗り方が分かって行きたいところに行けるようになると西安での生活に対応できているという感覚が芽生えてより楽しさを感じることができました。
3週間目になると同じクラスの留学生とも中国語を通して会話ができるようになり、先生が話していることも授業の内容もほぼ理解できるようになっていて、中国語のレベルが少し上がったことを実感しました。授業の最後の日にはお世話になった中国語の先生や同じクラスの留学生の方々と共に写真を撮りました。約1か月間という短い間でしたが、彼らは私たちといつかまた会えることを楽しみにしていると言ってくれました。いつかまた私も彼らと会えたらいいなと心から思います。
今回、初めて中国へ行ってみて、これまで私が持っていた中国に対するイメージが一変したことを感じました。現地の人々は私たちが日本から来た留学生だと知ると中国語頑張ってねという言葉や、日本は綺麗な場所が多いよねといった温かい言葉をかけてくれる人が多くて、いくらイメージや偏見を持っていても、実際に現地に行かないと分からないこともたくさんあるのだと実感しました。また、西安外国語大学の中国人学生が通うキャンパスの学生とも交流し、WeChatを交換して連絡を取り合ったり、一緒に火鍋を食べに行って、中国語と日本語を両方交えながら会話をしたりと仲を深めることができ、日本人として彼らが積極的に日本語を話そうとしてくれる姿勢にとても嬉しくなりました。
西安で生活する中で、寮の洗濯機が水漏れしたり、シャワーから茶色い水が出てきたりといったハプニングも多発し、地下鉄の乗り方や中国の生活習慣、ほぼ現金を使わない決済方法など驚くこともたくさんあって、約一か月だったにもかかわらず本当に多くの出来事がありました。そんなことも含めてとても充実した一か月間だったし、より中国語を学んで上達したいと思えた語学研修でした。そのためにも、大学の中国語の先生や学生と中国語を交えて会話してみる、中国語検定を取得する、中国のテレビや映画を字幕あり、なしで見てみるなど、できることから少しずつ始めてみようと思います。そしていつか中国に行く機会や中国の方と話す機会があれば、自信をもって会話できるようになりたいです。