【vol.33 2016年11月】(カナダ・ビクトリア大学 酒井岳大さんより)
国際交流学科2年 酒井 岳大
私は、平成28年9月5日から平成28年10月2日までの28日間、ビクトリア大学のMonthly English Programに参加しました。ビクトリア大学はカナダ西部にあるブリティッシュ・コロンビア州にあり、バンクーバーからバスとフェリーで3時間半ほど移動したところにあります。ビクトリアの9月の気候は、日本の10月中旬から11月ごろの気候に当たります。夏が終わった直後のため、基本的に湿度の低い晴れの日が続きますが、雨の予報がなくても軽いにわか雨が降るというような感じでした。ビクトリアは町全体が豊かな自然に囲まれており、ほぼ毎日野生のシカやリスに会うことができます。
また、バンクーバーなどの都市部とは大きく異なり、町全体が広々としており、とても静かで落ち着いた環境の中で滞在・学習することができました。Monthly English Programに参加する生徒のほとんどがホームステイでの滞在で、バスで最大45分以内で通学できる距離のホームステイ先に、1人から3人の生徒が滞在するという形となっていました。
このプログラムには、日本全国各地の様々な大学からの参加はもちろん、韓国、モンゴル、イラン、サウジアラビア、ブラジルなど、様々な国籍の人達が様々な目的で英語を学びに来ていました。それぞれの時期によるとは思いますが、今回のプログラムでは、6か国から約80人の生徒が参加していました。ビクトリアに到着した翌日に行われるクラス分けテストで、1クラス5人から15人程度の合計7クラスに分けられ、自分のレベルに合ったクラスで、個性的な先生方から英語を学びました。私のクラスは、プログラムで1番上のクラスで6か国籍15人で構成されており、非常に個性的で文化的多様性のある特殊なクラスでした。また、午前と午後で担当の先生が異なり、2人の優秀な先生と出会いました。私たちのクラスは人数も多く多国籍、多文化だったにもかかわらず、全員非常に仲が良く、授業時間だけでなく休み時間や休日でも一緒に英語を話して過ごし、またそれぞれが非常に意識の高い仲間たちでした。
午前の授業では基礎的な文法等の学習の他、英語が全世界で使われるようになった成り行きを学んだり、お互いの文化を比較しあったり、自分の人生で起きた面白い出来事をプレゼンで紹介したりしました。午後の授業では、“Love You To Death” というミステリー小説を読み進めていく毎日のルーティーンに加え、様々なトピックについてディスカッションを行ったり、時にはディベートをし、時には “TED Talk” を観てそれに基づいたプレゼンを行ったりしました。また、このクラスでは興味深いプロジェクトを行いました。Facebookの “Humans of New York” というページの趣旨になぞらえて、“Humans of 30A” と題して、それぞれの世界観、人生観について二つの文章を書いて、全員の文章を1つの冊子にまとめるというものでした。
この文章の作成過程は、シーボルト校でのWritingの授業ととても似ていました。出来上がった冊子はみんなの文章一つひとつが充実していて、修了証書よりもはるかに思い出に残るものとなりました。午前午後の授業全体を通して、ありとあらゆる英語の能力を鍛えられたように思います。
授業以外の時間では、クラスの仲間と様々な場所に行きました。ビクトリアのダウンタウン周辺にある名所を巡ったり、ダウンタウンで買い物したり、郊外の自然の綺麗な場所を訪れたりして、素晴らしい思い出をたくさん作りました。また夜にはレストランやバーを訪れて、英語の飛び交う環境で過ごしたことも素晴らしい思い出です。さらに、ホストファミリーにも様々な経験をさせてもらいました。郊外のビーチで一緒に過ごしたり、初めてアイスホッケーの試合を観に行ったり、様々なイベントを手伝ったり、どれもビクトリアでしかできない貴重な経験ばかりでした。
この1か月間、授業はもちろん、自分の自由な時間やホストファミリーと過ごした時間を通して、英語だけではない非常に多くのことを学びました。カナダの文化、食生活、物の考え方、カナダ人の人柄やカナダの抱える問題など、カナダに関することはもちろん、クラスの仲間たちからも、様々な国や宗教の文化や世界観、生活習慣など、彼らからしか学べないこともたくさんありました。
私はこの1か月間、素晴らしい仲間に恵まれていました。世界中に友達ができ、たくさんのことを学び、様々な時間や感情、考え方を共有し、単に英語を学ぶだけではなく、ここでしか得られないことをたくさん得ることができたと思っています。今回の研修に参加できるように協力してくれた2人の外国人教員と、担当の日本人の先生、学生支援課の担当の方、自分の家族、そしてビクトリアで出会えたすべての人たちに心から感謝しています。
私が今回の研修で感じたことの中で、これから語学研修に行く人たちに伝えたいことがあります。海外短期語学研修の滞在期間は3週間から4週間です。実際に行く前は研修が長く感じるだろうし、不安に思うこともたくさんあると思います。ですが、いざ行ってみると驚くほどあっという間に時間が過ぎていきます。この短期間でも自分の意識一つで、自分の英語力が伸びるかどうかが大きく変わります。
英語力向上のために研修に行こうと考えている皆さん、現地で日本語を話す意識を捨ててください。休み時間などのほんのわずかな時間に話すのは息抜きにいいかもしれませんが、それ以上に日本語を話し、自分と同じ国から来た人たちとしか関わらないのは時間の無駄です。たくさんの人たちの協力で得た貴重な機会を最大限に活用してください。日本語は帰国したら好きなだけ話せます。しかし、英語しか話せないのは研修期間しかありません。自分から積極的に英語しか使えない環境に飛び込み、主体的に何かを得ようとすれば、素晴らしい結果が待っています。今後、語学研修に行く皆さんの健闘を祈っています。