健康寿命延伸プロジェクト研究報告会in五島を開催しました
2023-08-17
カテゴリ:お知らせ
五島市、森永乳業㈱、長崎県公立大学法人、㈱長崎新聞社及び長崎県では、令和3年11月に、「五島市における健康寿命延伸についての包括的な連携に関する協定」を締結し、五島市における成人を対象とした調査・研究や、小学生を対象とした食育セミナー、食に関する健康講座など健康寿命延伸にかかる事業に取り組んでおります。
この度、健康な食生活への関心を高めてもらうとともに、地域への普及を図り、五島市民の健康寿命延伸に寄与するため、五島市の成人を対象とした健康寿命延伸に関する横断研究の報告会を開催しました。
まず、本学 武藤慶子 名誉教授(元栄養健康学科所属)が「人生100年時代の食生活を考える」と題して基調講演を行いました。
(基調講演の概要)
100年間、1日3食として、生涯で摂る食事は約10万食であり、私たちは食べ物を摂取することで、体の健康や機能を維持し、免疫力を高めています。そこで大事なのは、「何を食べる?」「どう食べる?」の2点。では、何を食べるか、ポイントは3つ、①野菜の摂取量を増やす、②毎食たんぱく質を食べる、③食塩の適正摂取 です。
そしてどう食べるか、日本古来の主食、主菜、副菜をそろえて規則正しく食べる、これが一番であり、『食べ方上手は、生(活)き方上手』をキャッチフレーズに参加者の皆さんに健康寿命延伸を呼びかけました。
続いてこの度の横断研究報告を行いました。
本学 栄養健康学科 世羅至子 教授からは五島市民の生活習慣病について報告しました。
(報告の概要)
メタボリックシンドロームの該当者は男性が33.3%、女性が2%と男性の割合が高く、女性はかなり低くなっています。骨粗しょう症に関しては、五島の方は、「骨年齢」がとても若い。女性は全ての年代において同年代よりも骨量がかなり多く、男性も50代以上の方は骨年齢が若く骨量が多い。ただ、若い男性の骨密度が少なく、20代なのに骨年齢は30歳近くという結果でした。
本学 栄養健康学科 本郷涼子 准教授からは五島市民の栄養と食生活について報告しました。
(報告の概要)
エネルギー摂取量は約30%の方が適量より多く食べています。食事以外の間食については、お菓子の摂取量がかなり多い。間食を乳製品や果物にするなど工夫してみてください。
食塩の摂取は、日本人の平均と同じ10g程度ですが、70代の摂取量が多いのが心配です。健康な食生活には「王道」しかないと考えます。「一つずつ」「無理なく」「コツコツ」「今日から」変えていきましょう。
続いて森永乳業株式会社 新井聡 研究員からは腸内細菌叢(腸内フローラ)と食習慣の関係性について報告しました。
(報告の概要)
全国データと比較すると、腸内細菌叢の多様性が少し低い。食生活に関しては、生魚の摂取量が多く、乳製品の摂取量が少ない。腸内細菌叢と食生活の間に相関関係がみられ、腸内細菌叢の違いは食生活によってもたらされています。食事はわれわれの栄養だけでなく、腸内細菌の栄養にもなるため、バランスの良い食生活でおなかの中の多様性を育む環境を保つことが重要です。
パネルディスカッションでは、「高血圧を予防するために」、「減塩、野菜摂取のための取り組み」「肥満とビフィズス菌の関係」をテーマに長崎県や五島市で取り組む健康づくりの紹介を交えながら意見交換を行いました。
コーディネーターを務めた本学 地域連携センター 田中一成 特任教授から五島市の方々の現在の健康状態を基に、以下8つの提言を行いました。
【五島市民の健康寿命延伸のための8つの提言】
1、塩分の摂取は最小限にする。若年期から塩分を控えた食習慣を確立する。
2、年齢に応じてたんぱく質や脂質の摂取を工夫する。
30歳代から50歳代の男性で、適量の良質のたんぱく質摂取に心がける。
40歳代男性では脂質を適量摂取する。
60歳以上の女性では脂質を摂り過ぎないよう注意する。
3、野菜や穀類を積極的に摂取して、食物繊維を多く摂る。
4、菓子類の摂取を控えめにする。
5、30歳代と40歳代では、日頃から活発な身体活動を行う。
60歳以上では、無理のない適度な身体活動に心がける。
6、朝食を欠食せず、規則正しい食生活に心がける。
7、腸内細菌の多様性の向上に多様な食事を摂取するような食習慣を確立する。
毎食に主食、主菜、副菜を取り入れる。
8、腸内にビフィズス菌を増やすために乳製品の摂取を組み入れる。
特に20歳代から50歳代では、乳製品の摂取を工夫する。
1、塩分の摂取は最小限にする。若年期から塩分を控えた食習慣を確立する。
2、年齢に応じてたんぱく質や脂質の摂取を工夫する。
30歳代から50歳代の男性で、適量の良質のたんぱく質摂取に心がける。
40歳代男性では脂質を適量摂取する。
60歳以上の女性では脂質を摂り過ぎないよう注意する。
3、野菜や穀類を積極的に摂取して、食物繊維を多く摂る。
4、菓子類の摂取を控えめにする。
5、30歳代と40歳代では、日頃から活発な身体活動を行う。
60歳以上では、無理のない適度な身体活動に心がける。
6、朝食を欠食せず、規則正しい食生活に心がける。
7、腸内細菌の多様性の向上に多様な食事を摂取するような食習慣を確立する。
毎食に主食、主菜、副菜を取り入れる。
8、腸内にビフィズス菌を増やすために乳製品の摂取を組み入れる。
特に20歳代から50歳代では、乳製品の摂取を工夫する。
本報告会にはライブ配信を含め、約200人が参加し、参加者からは「普段作る料理の味付けの一つも気を付けていきたい」などの声がありました。この度の横断研究にあたり、ご協力いただきました五島市民方々、関係者の皆様に御礼申し上げます。
<健康寿命延伸プロジェクト研究報告会in五島概要>
【日 時】
令和5年7月9日(日) 13時00分~15時30分
【場 所】
五島市福江文化会館(五島市池田町)
【健康寿命延伸プロジェクト研究報告会in五島 概要】
長崎県公立大学法人、五島市、森永乳業㈱、㈱長崎新聞社及び長崎県の共催
(1)基調講演 「人生100年時代の食生活を考える」
講演者:長崎県立大学 名誉教授 武藤慶子
(2)五島市における横断研究報告会 第1部 結果報告
報告者:長崎県立大学 看護栄養学部 栄養健康学科 教授 世羅至子
〃 准教授 本郷涼子
森永乳業㈱ 研究本部 基礎研究所 主任研究員 新井聡
(3)五島市における横断研究報告会 第2部 パネルディスカッション
コーディネーター:長崎県立大学 地域連研センター 特任教授 田中一成
パネリスト:長崎県立大学 看護栄養学部 栄養健康学科 教授 世羅至子
〃 准教授 本郷涼子
森永乳業㈱ 研究本部 基礎研究所 主任研究員 新井聡
長崎県 福祉保健部 国保・健康増進課 係長(管理栄養士)加藤千春
五島市 福祉保健部長 今村晃
「健康寿命延伸プロジェクト研究報告会in五島」(YouTubeへリンクします。)