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国際交流研究センター

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本学初となる日本銀行特別講演会を開催しました
2023-02-24
 本学国際交流センターは、2月3日(金)、日本銀行から、調査統計局長の大谷聡様、長崎支店長の鴛海健起様をお招きし、本学初となる日本銀行特別講演会を開催しました。この特別講演会は、日本銀行の協力のもと、わが国および長崎県経済の将来像を考察するとともに、学生および高校生に、自分のキャリア選択を考える機会を提供することを目的に開催したものです。当日は、佐世保校のメイン会場とシーボルト校、離島を含む県内8高等学校をオンラインで結び、計約500名が聴講しました。
佐世保校メイン会場の模様
 当日は、まず鴛海様より、「これからの長崎県を担っていく皆さんへ」というテーマで、お話しして頂きました。鴛海様は、①長崎県の人口減少には、徹底したデジタル活用が突破口となりうるほか、「人の希少性」が高まる分、むしろ若者が活躍する機会は広がるとみられる、②成長するアジアに近い長崎県においては、❝Look east❞(福岡、東京)ではなく、❝Look west❞(アジア)のように❝global❞な視点でモノを考え、❝local❞に具体策を考える❝glocal❞人材が大切になるとみられる、③長崎県は、他県にない豊富な海洋資源を有し、「ブルーエコノミー」を起爆剤とした発展を展望しうる、と指摘され、長崎県は、「世界や日本全体に価値を提示していくポテンシャル」を持つ「わくわくする地域」であると述べられました。
日本銀行長崎支店長 鴛海健起様
熱心に質問する学生
熱心に質問する学生
 続いて、大谷様より、「世界の中の日本経済」というテーマでお話しして頂きました。大谷様は、景気分析の第一人者として、日銀総裁を議長とする日本銀行政策委員会(金融政策決定会合)において、日本経済の現状や先行き見通しを報告する重責を担っておられ、日銀短観(全国企業短期経済観測調査)を始め、マネーストックや物価に関する統計の作成・公表の責任者も務めておられます。講演では、世界経済と日本経済の事実関係を多数のグラフを用いて整理したうえで、わが国経済の「失われた30年」を振り返り、ポストコロナの時代にあっては、「人手不足社会」をキーワードに「変化の兆しが窺われる」と指摘されました。また、聴講している「皆さんに期待すること」として、①自分の武器(得意分野)を絶えず磨き続けてほしい、②地方にいても常にグローバルな視野を持ってほしい、③冷静な頭脳と温かい心を持って、社会に貢献してほしい、④大学時代の友人は一生の友人、二度とない大学生活を有意義に過ごしてほしい、というアドバイスを聴講生に送って下さいました。
日本銀行調査統計局長 大谷聡様
学生の質問に答える大谷局長
 次に、東京の日本銀行情報サービス局と長崎をオンラインで結び、日本銀行本館のバーチャル見学ツアーに出かけました。テレビでもよく取り上げられる中世ヨーロッパのお城のような建物で、国の重要文化財に指定されているそうです。旧営業場や平成16年まで実際に使われていた地下金庫の中を見学させて頂きました。重さが25トンもある大金庫扉は圧巻でした。また、日銀職員の方に、来年、発行予定の新しい1万円札(肖像:渋沢栄一)、5千円札(同:津田梅子)、千円札(同:北里柴三郎)それぞれの特徴点や偽札防止技術などを詳しくレクチャーして頂きました。普段、何気なく使っているお札に様々な秘密が隠されていることに、会場は、驚きの声に包まれました。
日本銀行本館のバーチャル見学ツアー
日本銀行本館のバーチャル見学ツアー
 最後に、現在、日本銀行長崎支店に勤務している本学OGのショート・メッセージ動画を放映しました。女性が輝く時代にあって、本学卒業生が、長崎の日本銀行で活躍しています。一つのモデル・ケースとして、皆さんのキャリア選択の一助になればと願っています。

 この特別講演会では、日本経済の中枢で活躍するお二人をお迎えし、たいへん貴重なお話を伺うことができました。本学学生や地元高校生にとって、学びに満ちた一日となりました。

 大谷局長、鴛海支店長におかれましては、ご多忙の中、佐世保までお越し下さり、心より感謝申し上げます。また、日銀情報サービス局の皆様、興味深いバーチャル見学ツアーと楽しいレクチャーをどうもありがとうございました。本学卒業生も、後輩への温かいメッセージ動画をどうもありがとうございました。
講演終了後も学生の質問に丁寧に応じる大谷局長と鴛海支店長
日本銀行 大谷調査統計局長、鴛海長崎支店長と本学幹部
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