本文へ移動
研究ピックアップ 
竹内 昌平
栄養健康学科 竹内 昌平 講師
ヒトの行動を疫学的、人類生態学的に捉える

栄養健康学科 講師
竹内 昌平 (タケウチ ショウヘイ)

#公衆衛生学 #疫学 #人類生態学
Q.01
研究テーマとその内容、具体的な取り組みについて教えてください。

A.
ヒトの行動が健康の一側面にどのように影響を与えるのかを、疫学的、人類生態学的に捉えることをテーマに研究を行っています。具体的には、「健康寿命の延伸に寄与する生活習慣要因を探索する研究」と「感染症の流行とヒトの行動の関連を数理モデルを用いて明らかにしていく研究」を行っています。前者は、長崎県在住の健康な高齢者を対象に、長く健康状態をフォローアップさせていただきながら、移動距離などを測定させてもらっています。後者では、ヒトの行動が感染症の流行にどのような影響を与えているのかを、COVID-19のデータなどを用いて検討しています。
Q.02
この研究をはじめようと思ったきっかけについて教えてください。

A.
もともと天文や物理に興味があったのですが、健康を扱う分野に進学することになりました。そこで、少しでも関わりがありそうな「数理モデル」を扱うことができるテーマ(研究室)を選んだことがきっかけです。最初は学級閉鎖というヒトの行動が、インフルエンザの流行にどのように影響を与えるのかを数理モデルを用いて検証したのですが、思っていた以上に難しかった(楽しかった)ので研究を継続していこうと思いました。学級閉鎖のような集団としてのヒトの行動を考えるのは、まさに公衆衛生学の分野です。徐々に、同分野の話を見聞きすることが増え、健康寿命延伸に寄与する生活習慣要因(ヒトの行動)の探索にも加わることになりました。
Q.03
研究内容が身近な社会とどのように関わり、影響を及ぼすのか教えてください。

A.
感染症の流行が対象の1つですので、COVID-19の流行に関しては、いくつかのプロジェクトに参加しています。感染症の数理モデルは、厳密な正解を提供できるとは限りませんが、おおまかな流行の状況はほとんど外しませんので、自身が受け持っている公衆衛生学や生物科学の講義や地域公開講座などでは、感染症の流行を理解するために必要な簡単な数理モデルのことや実際に数理モデルからわかることなどを伝えるようにしています。感染症の流行という現象を理解し、適切な行動を自ら考え実践できる人が増えて欲しいと願っています。
Q.04
今後、研究をどのように進めていこうと考えていますか。

A.
最初のテーマに挙げたとおり、現在は健康寿命の延伸に寄与する生活習慣要因の探索と感染症の数理モデルの二つが研究の柱になっています。共同研究において、前者では買い物行動、後者では人の流れデータなどを扱うようになってきました。今後はこのような人の行動を数値化するために地理情報(GISデータ)の活用を進めていきたいと思っています。
Q.05
ゼミや講義で学生を指導をする上で、いつも心がけていることや大切にしていることはありますか。

A.
例えば、社会に出ると必ず聞かれる「あなたは大学で何をしましたか?」という質問への回答は、「〇〇学を学びました」や「サークルで〇〇をやりました」ではなく、「このような研究テーマ(問題)を見つけ、このような結果を得ました(解決策を見つけました)」だと考えています。ですので、学生・大学院生のみなさんが、胸をはって研究についての回答を行えるように手助けすることを心がけています。
TOPへ戻る