「地方型」MaaS(Mobility as a Service)導入可能性に関する政策研究
地域創造学部 実践経済学科 講師
地域創造学部 実践経済学科 講師
魏 蜀楠 (ウェイ シュウナン)
#交通経済論
Q.01
研究テーマとその内容、具体的な取り組みについて教えてください。
A.
研究テーマ:「地方型」MaaS(Mobility as a Service)の導入可能性に関する政策研究。本研究は、地方観光都市でありながら離島・過疎地の部分も抱える佐世保市を例に、佐世保市公共交通網の現実状況にあった「地方型」MaaSとは何か、その導入可能性について考察することを目的とします。MaaSに関する国内外の先行研究を集め、概念の整理、国内の状況にあったMaaSの再解釈を行い、海外のMaaS事例を集め、「地方型」MaaSの導入可能性を模索するためのケーススタディを行いました。
Q.02
この研究をはじめようと思ったきっかけについて教えてください。
A.
近年、技術革新を受け、世界各地でIoTやAI活用したMaaS(Mobility as a Service)等の新たなモビリティサービスへの取り組みが活発になっています。国内でも2009年から「日本版MaaS」の実現に向けて地域類型別のモデルを設定し、実証実験を開始しました。中では、海外で見られない「地方型」MaaSも含まれており、「日本版MaaS」の特徴の1つとして世界から注目を集めています。
Q.03
研究内容が身近な社会とどのように関わり、影響を及ぼすのか教えてください。
A.
佐世保市内公共交通サービスの持続可能性を図るためにも、市内の移動制約者、公共交通機関を利用して市に来訪する観光客のモビリティ水準の向上を図るためにも、MaaSという新たな政策手段を考える必要があります。
佐世保市における「地方型」MaaSの導入可能性などについては、基礎演習、専門演習、公開講座、新聞で学ぶ経済、交通経済論において紹介しました。専門演習のゼミ生と一緒に議論を重ね、研究成果の一部を2021年第10回合同ゼミ報告会で専門演習のゼミ生により報告し、研究論文の作成と投稿を行う予定です。
佐世保市における「地方型」MaaSの導入可能性などについては、基礎演習、専門演習、公開講座、新聞で学ぶ経済、交通経済論において紹介しました。専門演習のゼミ生と一緒に議論を重ね、研究成果の一部を2021年第10回合同ゼミ報告会で専門演習のゼミ生により報告し、研究論文の作成と投稿を行う予定です。
Q.04
今後、研究をどのように進めていこうと考えていますか。
A.
MaaS事例分析を通して、佐世保市内のバス、鉄道、タクシー、レンタカーおよびオンデマンドバスなどの各種DRT(Demand Responsive Transport;デマンド型交通)のサービス情報の統合におけるマルチモーダルモビリティサービスの活用可能性が見えてきました。今後は、ウィズコロナ時代の地方型MaaSとは何か、MaaSの社会実装に向けた交通事業者間の連携、地方自治体の役割などについてさらに研究を進めていきたいと考えます。
Q.05
ゼミや講義で学生を指導をする上で、いつも心がけていることや大切にしていることはありますか。
A.
ゼミ指導では、学生の本来持っている能力を引き出し、学生一人一人がなりたい「自分」と出会う「きっかけ」を提供することにいつも心がけています。講義では、学生の学びたい、知りたい、創造したいという学習意欲を引き出し、一方向的な講義形式ではなく、課題やクイズ問題などを講義内容に組み入れることでアクティブ・ラーニングに注力しています。また、国際社会の異質性と多様性を正しく把握・認識し、異文化に対する許容力と柔軟性を有する大きな人をつくりたいと考え、学生がみずからの未来を主体的、創造的に生み出すことを可能にする教育を目指したいと思います。