サイバーセキュリティの対策計画と方法論
情報セキュリティ学科 教授
島 成佳 (シマ シゲヨシ)
#サイバーセキュリティ #セキュリティアーキテクチャ
Q.01
研究テーマとその内容、具体的な取り組みについて教えてください。
A.
デジタル社会の形成が進む中、年々守るべき情報資産が増加し、さらにサイバー攻撃が巧妙化・複雑化しています。この状況に対応するには、技術・制度・人の3つの面からバランスのよいサイバーセキュリティの対策計画を立て、この計画に基づいたオペレーション(作戦行動)を実施することが求められています。このオペレーションに関する方法論や実施に必要な技術等について研究開発しています。
Q.02
この研究をはじめようと思ったきっかけについて教えてください。
A.
サイバーセキュリティとは、ICTに係る技術やサービスを社会の中で利用するうえで発生する問題に取り組み解決することと捉えることができます。サイバーセキュリティの研究を通して、問題を解決する一助となるものを創出して、より安全で信頼できるデジタル社会の実現することに貢献したいと考えたからです。また、技術・制度・人の3つを考慮して課題を分析しながら解いていくプロセスが面白く感じているからです。
Q.03
研究内容が身近な社会とどのように関わり、影響を及ぼすのか教えてください。
A.
サイバーセキュリティのうち人に係る対策では、セキュリティ教育やサイバー演習等の研究活動を行なっています。この研究活動は、セキュリティ人材の育成、および、利用者のセキュリティ知識や意識の底上げに貢献します。中でも人材育成に関しては、学生自身の目線から必要となる知識や経験を分析することで卒論のテーマにもつながっています。
Q.04
今後、研究をどのように進めていこうと考えていますか。
A.
サイバー空間には現状多くの課題がありますが、社会貢献度の高いものを優先的に研究テーマとして取り上げようと考えています。サイバー空間の課題は技術や制度が複雑に絡み合っており、課題解決の鍵となるものの分析から取り組み、適切な解決手段を創出します。また、サイバーセキュリティに関係する組織や企業と連携することで、現状に即した研究成果を得て、社会貢献につなげていきたいと考えています。
Q.05
ゼミや講義で学生を指導をする上で、いつも心がけていることや大切にしていることはありますか。
A.
企業出身の教員として、これまでの経験から社会で求められる考え方や能力に基づいた指導をしています。ゼミでは、特に自助・共助といった自分の役割を持って、主体的に周りと協力しながら成果を出すことを意識してもらっています。講義を受講するなどの受け身の学習者から、主体的に問題に取り組む研究者となれるように、時間をかけて指導を行なっています。