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研究ピックアップ 
坂根 純輝
経営学部 経営学科 准教授 坂根 純輝
統計的手法を用いて、GC注記/追記と経営分析指標や株価の関係性を調査しています。

経営学部 経営学科 准教授
坂根 純輝 (サカネ ヨシテル)

#会計学
Q.01
研究テーマとその内容、具体的な取り組みについて教えてください。

A.
私の研究テーマを簡単に述べると、倒産しそうな企業の研究です。
具体的に述べると、1年以内に倒産する可能性が高い企業の経営者及び公認会計士が開示するGC(ゴーイング・コンサーン)注記/追記を研究しています。大規模な企業データを収集し、統計的手法を用いて、GC注記/追記と経営分析指標や株価の関係性を調査しています。
Q.02
この研究をはじめようと思ったきっかけについて教えてください。

A.
研究に行き詰まった際に、研究のヒントを得ようと海外のトップジャーナルを読んでいましたが、日本の研究と異なり、統計を使用した論文しかジャーナルに掲載されていませんでした。
海外に通用するような研究をするためには、統計が必要だと認識し、そこから一念発起し、統計の勉強を始めました。その中で、統計を使用した会計監査の研究の中でも国際的に一大研究領域となっているGC研究があることを知りました。研究テーマとして面白いと感じ、海外にも通用する研究をしたいと考えていたため、統計を使用したGC研究を始めました。
Q.03
研究内容が身近な社会とどのように関わり、影響を及ぼすのか教えてください。

A.
GC研究は企業の経営分析をする際に役に立ちます。例えば、以前私が実施した研究では、企業の総資産に占める現金預金の比率が低い我が国の赤字企業がGC企業になることがわかりました。つまり、現金預金が少ない我が国の赤字企業は倒産可能性が高いと判断されるということが科学的に明らかになったということです。
また、坂根ゼミでは、株式投資コンテストに参加しており、実際の株式市場で仮想の現金を用い株式投資を実施しています。学生は研究で得られた知識を使用し、会計数値を使用した経営分析をした上で株式投資を実施します。この経験により、学生は良い企業と悪い企業を区別できる能力を修得します。その結果、学生が悪い企業に就職することを避けることができるようになります。
Q.04
今後、研究をどのように進めていこうと考えていますか。

A.
GCに関する制度は日本とアメリカで異なります。日本には日本のGC制度のみを研究対象とする論文を執筆している研究者がいます。一方、国際ジャーナルには、アメリカのGC制度のみを研究対象としている論文が多く掲載されています。今後、日本のGCに詳しいことと修得した統計の方法論を活かして、日本のGC制度と諸外国のGC制度を統計的に比較していこうと考えています。
Q.05
ゼミや講義で学生を指導をする上で、いつも心がけていることや大切にしていることはありますか。

A.
会計は人間ドラマです。

人間の行動や決断の結果が会計数値にあらわれます。
会計数値を通して、会社の経営状態だけでなく、人間の行動や決断がみえるレベルまで分析能力を高められるように学生を指導しています。
また、簿記や会計の知識は全ての社会人に必要であるにもかかわらず、簿記会計の講義は大学生から難しく面白くないと考えられている傾向にあります。そこで、私はできるだけ皆さんが簡単で興味深いと思って頂けるような簿記会計の講義を展開できるように心がけています。
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