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研究ピックアップ 
岡田 雅之
情報システム学部 情報セキュリティ学科 教授 岡田 雅之
社会生活に不可欠なインターネット基盤のセキュリティについて研究をおこなっています。

情報システム学部 情報セキュリティ学科 教授
岡田 雅之 (オカダ マサユキ)

#インターネット基盤の運用(経路制御、DNS、IPv6など)とセキュリティ
Q.01
研究テーマとその内容、具体的な取り組みについて教えてください。

A.
スマートフォンでアプリを使ったり、インターネットのサイトでものを購入したりと、インターネットは社会生活にはなくてはならないものになりました。そのインターネットが常に動き続けられるようにインターネット基盤のセキュリティを研究しています。インターネットはネットワーク同士が自律・分散・協調といった精神を基にした相互信頼のネットワークです。この相互信頼の良い面を生かしつつ、日々発生する問題を緩和することを目的としています。
Q.02
この研究をはじめようと思ったきっかけについて教えてください。

A.
インターネットへ接続するときにはIPアドレスと呼ばれる全地球上でユニークな番号を使って宛先や通信経路の制御をしています。ただ、このIPアドレスは、43億個しかないんです。インターネットはIPアドレスの節約、共有の歴史でもあり、このIPアドレスを日本で重複せずに有効活用する仕事に従事していました。その過程で、IPアドレスの乗っ取りや途中経路でののぞき見をどうやったら防いだり検知するにはどうしたらよいかということがきっかけで研究を始めました。
Q.03
研究内容が身近な社会とどのように関わり、影響を及ぼすのか教えてください。

A.
インターネットの宛先の乗っ取りはほとんどの事例が運用者の操作ミスであったりと悪意は少ないのです。ですが、実際に大手動画サイトが乗っ取られてしまったり、クラウドサービスが乗っ取られて結果として仮想通貨が奪われるなど、インターネットを支える基盤が危険にさらされると影響範囲も大きくなります。とはいえ、インターネットは自律したネットワークの集合なので一人で頑張ってもセキュアにすることはできません。インターネットの特性を学び、今後さらに重要となる将来のインターネットを担う人材になってください。
Q.04
今後、研究をどのように進めていこうと考えていますか。

A.
インターネット運用に携わる通信事業者と密接に連携し共同研究を積極的に進めていこうと考えています。このような事業者と組むことで現実的で実務家にも受け入れられやすい成果物を心がけています。
Q.05
ゼミや講義で学生を指導をする上で、いつも心がけていることや大切にしていることはありますか。

A.
某巨大サイト運営会社では、成果の高いチームは一体どういったチームであったか?を研究したことがあるそうです。成果の高いチームはどのようなチームであったのでしょうか?スキルが高い?給料が高い?いやいや、同年代で組んでいる?など様々な要素がある中で、明確に関係性が認められた要素に”心理的安全性”が高い組織は成果の質が高い、ということが分かりました。心理的安全性とは、簡単に言うと、”何を言っても許容される”という雰囲気がチームの中に浸透しているということです。(もちろん、人格を否定したり、TPOに合わない不適切な発言などはいけません。)私の講義や演習ではこの心理的安全性を常に意識し、学生の指導に当たっています。
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