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研究ピックアップ 
芳賀 普隆
地域創造学部 実践経済学科 講師 芳賀 普隆
低炭素社会、脱炭素社会の実現に向けた諸問題への対応について研究をおこなっています。

地域創造学部 実践経済学科 講師
芳賀 普隆 (ハガ ヒロタカ)

#環境経済学 #環境政策論 #環境教育
Q.01
研究テーマとその内容、具体的な取り組みについて教えてください。

A.
私の専門分野は環境経済学及び環境政策論です。一言でいうと、なぜ環境破壊を引き起こすのかの原因を明らかにし、環境を壊さず人間社会が豊かになるような経済はどうすれば可能になるのかを追求するのが環境経済学という学問分野であり、具体的な解決策を考えるのが環境政策論です。低炭素社会、脱炭素社会の実現に向けてどのように廃棄物管理や地球温暖化問題等への対応をおこなうのか、再生可能エネルギーをいかに有効活用しながら地域発展していくのか、という視点から研究に取り組んでいます。大学院では自治体廃棄物政策の研究、最近では、長崎県や九州地域を中心に、地域の再生可能エネルギー普及及び地域活性化に関する研究に取り組んでいます。
Q.02
この研究をはじめようと思ったきっかけについて教えてください。

A.
大学の学部時代に、副専攻で文理融合型の環境マネジメントコースを履修したことがきっかけで環境問題に関心をもち、大学院に進学しました。また、再生可能エネルギーの研究は、北海道大学で博士研究員として2013年と2015年に在籍し、持続可能な低炭素社会づくりプロジェクトやコジェネレーションに関するプロジェクトに参画するなど、プロジェクトに関わりながら北海道の現状について学びました。本学赴任後は、その経験を活かしながら、長崎県などで地域資源として豊富に存在する再生可能エネルギーをどのように活用すればよいのか、という問題関心を持ちながら研究を進めております。このように、出会ったきっかけを大切にしながら研究を行ってきました。
Q.03
研究内容が身近な社会とどのように関わり、影響を及ぼすのか教えてください。

A.
人間の生活スタイルや経済活動のあり方がごみ問題や地球温暖化問題、エネルギー問題といったさまざまな環境問題を引き起こすなど、環境問題は私たちにとって身近な問題です。「環境問題は経済問題であり社会問題である」というのが、研究でも教育でも通底する問題意識です。社会経済システムそのものを環境・経済・社会の各側面からいかにして持続可能なものにするか、人々の生活の質の向上を可能にするような都市や地域をどのようにしたら実現できるのか、といったスタンスで取り組んできました。このような問題意識は、2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2020アジェンダ」の中核をなすSDGs(持続可能な開発目標)にも通ずるものだと考えています。
Q.04
今後、研究をどのように進めていこうと考えていますか。

A.
ごみ問題にせよエネルギー問題にせよ、地方自治体がどういう役割を果たせばよいのか、また、公共部門(地方自治体)と民間部門(事業者や住民、NPOなど)がどう関与し連携していけばよいのか、といった公民協働の観点にも一貫して注目してきました。
今後は引き続き長崎県や九州地方の現場を数多く調査したいと考えております。また、他の先進地域とも比較しながら、都市部や離島など、地域特性に応じた再生可能エネルギー普及や事業運営のあり方を考える研究や、ICT(情報通信技術)を活用しながら電気、熱、エネルギーの効率的利用を行う地域を創出するスマートコミュニティの研究などを進めていきたいと思います。
Q.05
ゼミや講義で学生を指導をする上で、いつも心がけていることや大切にしていることはありますか。

A.
最近では、ゼミで「地域プロジェクト活動」という活動に取り組み始めています。例えば、大学周辺の相浦川や相浦地域を学生と散策しながら把握し、ゼミの中で議論して環境問題や地域の課題を発見し、得られた問題意識や疑問などをもとにゼミ学生自らがテーマ・トピックについて調べていく、というものです。ゼミ生にはよく「足で考える」と言っていますが、実際にフィールドに出て歩き、この目で見て感じたことを大切にしてほしいと学生には伝えています。今後、ゼミでの学びで得られたことを少しずつ地域に発信したり、学生と地域住民の皆さんが一体となって取り組めるような試みをおこなうことで、大学での学びを通して地域社会に貢献したいと考えております。
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