【vol.13 2011年 3月】(中国・上海外国語大学 君田 書欣さんより)
国際交流学科4年 君田 書欣
気づけば7カ月があっという間に経ち、この留学生活も終盤に入ろうとしているところです。後期(2月~6月)からの新しいクラスメイトとも打ち解けてきました。上海での生活は本当に充実していて、勉強面も力が付いていくのがわかってくるとどんどん楽しくなってきます。
上海で生活して強く思ったことは、自分が今までいた世界がどれだけ狭かったかということです。ここ上海外大の留学生キャンパスには“ここにいない人種はいない!!”ってくらいに世界各国からたくさんの留学生が集まります。もともと国際交流学科ですから、世界に興味がある私にとってはとてもウキウキする環境なのです。いろんな国の文化、考え方に触れることができ、また年齢層も様々なので日々吸収することがいっぱいです。まだ中国語初級の人たちと会話するときは英語が必要になります。中国に来て中国語の勉強が大前提ではありますが、だからと言って英語を忘れるわけにはいきません。その点、ここの環境は英語も使う機会に恵まれいてるので助かってます。
前期(9月~1月)は校区内の寮に住んでいました。割り当てられたルームメイトは日本人で、最初は他人と住むことに不安もありましたが、二人で快適に過ごせました。またちょくちょく他の友達の部屋に遊びに行ったりと、常に周りには人がいて寂しい思いもしませんでした。ただ、一人が好きという方には一人部屋もあります。そして後期からは寮を出て韓国人2人、私も含め日本人3人で、部屋を借りて住んでいます。朝はみんなでバタバタと一緒に学校へ行き、授業が終われば、どこか出かけたり、一緒に勉強したり、毎日が賑やかですごく楽しいです。日本だったら、実家を出て暮らす学生は一人暮らしが多いかと思いますが、ここでは大学生のルームシェアは当たり前です。ましてや5人で暮らすなんて、上海に来なかったら絶対に経験できないことだったと思います。上海と言えば、高層ビルの大都会を連想される方が多いかもしれませんが、私たちが住んでいるのは上海の下町のような所で、決してお洒落な街並みではありませんが、朝には側の公園でたくさんの人たちが太極拳や体操、ダンス、運動などしたりして、THE CHINA を感じることができる、とても趣のある場所です。
勉強に関しては、最もメインの授業が精読というもので、日本でいう国語のような内容です。私のクラスでは文章の内容読解とさらに修詞と呼ばれる書面語(文章を書く際に使う、口語とは違う難しい言い回し)を勉強しています。正直、前期に比べ授業は難しくなっており、大変ですが、たった一文字に含まれる意味を理解するたびに、改めて中国語の奥深さと美しさに魅了されます。また、新聞読解や日中翻訳、作文などの授業もあります。
これから留学を考えている方たちへ、海外で生活をするというのは決して楽なことではないと思います。言葉の問題、文化の違い、そして考え方の違い、不安要素はたくさんあります。物珍しく興味惹かれることもあれば、どうしても受け入れられないこともあるでしょう。それでも、私は留学をお勧めします。日本ではできない経験、人との出会い、日々の生活の全てが自分の世界を広げてくれ、今までの偏見を改めてくれ、成長させてくれます。また、今中国の経済発展に注目し留学する人がたくさんいます。それももちろん大事ですが、私は中国という国自体もみなさんに見てほしいです。決して日本で報道されるようなことばかりではありません。問題というものは中国に限らず、全ての国々が抱えているものです。文化、歴史、人柄…みなさんの想像を超える素晴らしいものがここ中国にはあります。それはやはり実際にその中に飛び込んでみないと分からないことも多いのです。私は今、本当に留学に来て良かったと思っています。与えられたこの環境にすごく感謝しています。残り少なくなっていく留学生活、自分のできる限りまだまだ沢山のことを学んで帰りたいです。