vol.50 2020年1月

実践経済学科2年 山崎 葵

 西周が西安に都を定めたのは紀元前十一世紀のことで以来、秦・漢・隋・唐など十三の王朝が約二千年間この地を都とした。城壁の表面はレンガを積み重ねて作られており、高さが十二メートル、頂部の幅は十二から十四メートル、東西に長い周囲の長さは約十四キロにもなる。
 中国の生活にもだいぶ慣れてきた九月八日、ルームメイトと共に西安城壁を訪れた。城壁付近のバス停で降りて南門に向かって歩いた時、ちょうど南門から鎧を着た集団が出てきて異国の歴史を肌で感じた。入場料は54元で、学生証の提示で半額になる。チケットを購入して金属探知機などのセキュリティーチェックを受けた後中に入ることができた。大きな門の下をくぐるとまず見えてきたのは大きくて立派な中国的建造物で、日本では見たことのない造りや装飾に目を奪われた。

 そこから長い階段を上り城壁に登った。少し歩くとレンタサイクル所があり二人乗りを90元(3時間)でレンタルし、城壁を一周することにした。二人乗り自転車に乗るのはどちらも初めてで乗るところから苦戦したが何とか進み始めることができ徐々に慣れた。真っ直ぐと続く城壁を漕ぎながら左手を見ると高層ビルや現代の街並みが見えた(左下写真)。一方、右手の方を見ると昔ながらの街並みや中国ならではのような金色の建物などがあり、過去と現代が共存していることにとても感動した(右下写真)。城壁の四角には角楼が設けられており、休憩がてらに写真を撮ったり角楼の装飾や造りなどを間近で見たりした。

 また、城壁の中で最も大きい門で過去にはシルクロードの発着地として栄えていた西側の安定門には真っ赤なドレスに身を包んだ新婦とピシッと決めたスーツ姿の新郎が3組ほどおり、写真撮影をやっていた。

 城壁に登る前は歴史を観に行く感覚だったが、実際に登って自転車で一周してみると感じたこと、学んだことが沢山あった。中国の歴史や建物、文化を肌や目で感じたのはもちろんだが、城壁には沢山の外国人がおり自転車を必死に漕ぐ私達に対し「fight!」や「加油」と声を掛けてくれる人が多く、国境を越えた人の温かみを何よりも感じた。ぜひあなたにもこの感覚を味わって欲しい。

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