連分数展開
2023-12-27
カテゴリ:数学
電卓遊びから最近,連分数が気になっている.
連分数というのは分母が整数+分数で構成され,その分数がさらに整数+分数で構成されるというような分数である. 具体的に1.875という数を計算手順も含めて連分数で表すと \begin{eqnarray*} 1.875 &=& 1 + \frac{7}{8} \\ &=& 1 + \frac{1}{8/7} \\ &=& 1 + \frac{1}{1 + 1/7} \end{eqnarray*} となる.分数の表記を続けると複雑になるので,分母だけを並べて 2.[1,1,7] のように書く.
有理数の場合,連分数は有限桁で尽きる.実際,上の例で分数の分母は8から7へ小さくなっていて,一般に連分数への書き換えを続けていくと,分母は1,すなわち整数になり書き換えは終了する.
無理数の場合は書き換えが無限に続くが,同じパターンが繰り返す.例えば
\begin{eqnarray*} \sqrt{2} &=& 1.41421356\cdots \\ &=& 1 + {\bf 0.41421356} \cdots \\ &=& 1 + \frac{1}{2.41421356 \cdots} \\ &=& 1 + \frac{1}{2 + {\bf 0.41421356} } \end{eqnarray*}
のように何ステップか展開を続けるともとの数(の一部)に戻るので,展開は無限に続くことがわかる. \[ \sqrt{2} = \frac{1}{2 + \frac{1}{2 + \frac{1}{2 + \cdots}}} = 1.[2]^\infty \]
このことは\(\sqrt{2}\)の小数部分\(x_1 = \sqrt{2} - 1\) とそれに共役な\(x_2 = - \sqrt{2} - 1\) を解にもつ 2次方程式 \[ x^2 + 2x - 1 = 0 \] を考えるとよりはっきりする.\(x(x + 2) = 1 \) として両辺を \( x + 2 \) で割ると \begin{eqnarray*} x &=& \frac{1}{2 + x} = \frac{1}{2 + \frac{1}{2 + x} } = \frac{1}{2 + \frac{1}{2 + \frac{1}{2 + x} } } \end{eqnarray*} のように,\( x = \frac{1}{2 + x} \) で無限に\(x\)を置き換えていくことで連分数にすると2が無限に続くことが分かる.