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研究シーズ集

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国際法遵守のための国内法メカニズム
研究キーワード
国際法、憲法、神学、戦争・平和論、戦争観の変遷、国際法の遵守
学部学科
国際社会学部 国際社会学科
研究者
福島 涼史 准教授
研究目的
国家が戦争を典型とする潜在的国際法違法行為を控える根拠・仕組みを解明し、提示する。
主権論や戦争論といった従来、国家が国際法を無視し、破るための理論的根拠とされてきたものをその逆の方向・機能のために再構成(解釈)することを目指す。
国際法をいわば国家にとっての枠として外からはめ込み、行為を抑制するのではなく、国家が国内の制度などを通じて、自発的・内在的に国際法を遵守する道筋を明らかにする。
研究概要
上の目的のために、まずは、古典的正戦論が平和(論)にとってどのような意義をもっていたかを繰り返し吟味し、また、その仕組みも様々な観点から再検証している。主な理論家は、トマス・アクィナス、フランシスコ・デ・ビトリア、フランシスコ・デ・スアレス、バルタザール・デ・アヤラなどである。
これらの正戦論者を包括的に扱った理論家として、ドイツの公法学者、カール・シュミットがあり、同じく、その再構成(解釈)によって、法をないがしろにする政治学の理論としての通説的理解から、法の理論としての特質・機能を取り戻そうとしている。
より実践的・現実的な分野では、このシュミットを足がかりにして、ドイツを中心とした各国の公法(憲法)学の議論のうち、国際法の遵守に関連するものを受け止め、日本においてどのように展開することが可能かを探っている。正戦論が期待したのは、君主(とその上位者)などが自ら戦争(原因)の正当/不当を自ら判定し、行為を思いとどまることであったが、現代において、どのような国家機関・決定主体(組織)がそのような役割を果たし得るのか
を特定する研究を行う―具体的には議会の外交統制など。
これらによって、核兵器などの特定の兵器の使用/不使用の議論を超えた、新の平和論、平和への道筋を提示することを目指している。
用途・研究効果・実用化のイメージ
中学校・高等学校において、公民の授業と平和教育(学習)は通常全く別の時間に別の枠・内容で行われている。それは、後者が、核爆弾投下の歴史とその被害に特化しているためと推察される。この研究を用いれば、二つの授業をいわば統合し、公民の内容―民主制や三権分立(チェック・アンド・バランス)など―に即して、平和の仕組み、あり方を教え、また、生徒たちに考えさせることができる。
アメリカ・ドイツなどの連邦制なども参照し、地方自治体が外交などの分野で、公的機関・組織の一つとして、どのような発言力を持ち得るかを示すことができる。
関連情報
福島涼史「古典的正戦論の世界観 : 近代的構成に対峙するその抑制の構成 (戦争と平和の法的構想)」、平和研究第41号、2013年、127-145頁
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