ドイツ連邦銀行東京事務所長Cleveland博士による特別講義を開催!
2026-06-09
カテゴリ:お知らせ
本学経営学部国際経営学科では、合同ゼミ(大澤ゼミ、山本ゼミ)として、ドイツ連邦銀行東京事務所長Eugen Cleveland博士をお招きし、特別講義 “The Euro 27 years after its introduction – a turbulent success story”を英語で実施しました。最初に、商業銀行と中央銀行の違いについて説明していただきました。商業銀行は、メガバンクをはじめ、私たちが町で見かける一般的な銀行を指し、利益の追求を目的としていますが、中央銀行は、基本的に各国に1つしかなく、金融政策を遂行して物価の安定を図ることを目的としているそうです。ドイツの中央銀行はドイツ連邦銀行、日本では日本銀行がこれに当たります。
続いて、欧州単一通貨「ユーロ」(Euro)の誕生に至る経済通貨統合の長い歴史を説明していただきました。欧州は、二度の世界大戦で戦場になった経験を踏まえ、平和を維持するためには経済や政治を統合すべきという構想が芽生えたそうです。1967年に欧州共同体(European Community)が発足した当初、加盟国は6か国(ベルギー、フランス、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、西ドイツ)でしたが、現在では、欧州連合(European Union)の加盟国は27か国にまで拡大し、4億5千万人が暮らす経済圏に発展しています。
これと併せて、加盟国の通貨を一つに統合するという気宇壮大なプロジェクトが進められました。1993年に発効したマーストリヒト条約に基づき、加盟国通貨の統合が進められたのです。途中、通貨危機など幾多の困難に見舞われつつもこれらを克服し、1999年1月、ついに欧州単一通貨「ユーロ」が導入されました。それまで、ドイツ・マルク、フランス・フラン、イタリア・リラ、スペイン・ペセタのように各国がそれぞれ発行していた通貨が「ユーロ」に統一されたのです。現在、欧州連合27か国のうち21か国で「ユーロ」が導入され、ドイツ・フランクフルトに所在する欧州中央銀行(European Central Bank)がユーロ圏内の金融政策を一元的に遂行しています。当時、多くの人が「無理だ」と考えていた通貨統合を現実に成し遂げた欧州の実行力には敬服します。
欧州単一通貨「ユーロ」が導入されてから、今年で27年になりますが、なお乗り越えるべき課題が多くあり、とりわけ政治統合には、まだ相当の時間を必要とするようです。ハイレベルな英語の講義でしたが、学生からは、「欧州中央銀行は、域内各国の景気や物価動向がそれぞれ異なる中で、ユーロ圏21か国の金融政策をどのように判断し運営しているのでしょうか」といった質問が英語で提起されるなど、講義のポイントは学生にしっかり届いているようでした。国際経営学科では、「国際金融論」が必修になっています。講義で学んだ欧州通貨統合について、実際の政策当局者であるCleveland所長に英語で詳しく解説していただき、とても貴重な学びの機会となりました。お忙しいなか、佐世保にいらして下さったCleveland所長に心より御礼申し上げます。
