岡田弘菜さんによる特別講義『「砥己」から始まる 宇久島の未来づくり』
2026-06-08
カテゴリ:お知らせ
5月28日、公共政策学科の綱ゼミ・石田ゼミにおいて、佐世保市宇久島出身で株式会社YOKAPRO代表の岡田弘菜さんを講師にお迎えし、「空き家を活用したポジティブな交流機会の創出―起業・子育て・二地域居住の実践―」と題した特別講義を実施しました。
岡田さんは、建築・まちづくりの専門性を生かしながら、ふるさとである宇久島において、空き家となった古民家を活用した新たな交流拠点づくり、居場所の価値づくりに取り組まれています。
岡田さんの講義では、起業、子育て、そして松山市と宇久島との二地域居住を実践するなかで、地域とどのように関わり、故郷である宇久島の未来に向けた活動をどのように形にしてきたのかについて、ご自身の経験を交えながらお話しいただきました。なかでも印象的だったのは、宇久島で進められている「砥己(toko)」プロジェクトについての話題提供です。「砥己」には、己を砥ぎ、自らの夢や挑戦に向き合う場所という意味が込められています。島で暮らす人、島を離れても故郷を思う人、地域で何かを始めたい若者たちがゆるやかに交わる拠点として、「縁側」を開き、人とつながり、夢や未来を語り合える「夢を育む島」を目指す構想が紹介されました。また、その実現に向けて、積極的な情報発信やクラウドファンディングにも取り組まれていることが共有されました。 岡田さんからは、古民家に残る地域の記憶を大切に受け継ぎながら、人と人、人と地域がつながるコミュニティスペースとして再生していく思いが語られました。空き家を単なる遊休資産として見るのではなく、誰かの挑戦を支え、地域の未来をひらく場所として捉え直す視点は、学生にとっても大きな刺激となりました。
また、講義では主に以下のポイントについて話題提供がなされました。
・宇久地域における「中間支援拠点」の重要性
島内外の人材が交わり、地域の担い手の受け皿となる拠点の必要性について
・島に関わる人の「志」や「知」への接続
今いる人だけではなく、外にいる出身者が思う宇久島への想いにも目を向けることで、関わり代が生まれ、地域課題も少しは負担が減るのではないか、ということ
・「関わり続けること」への挑戦
定住にこだわらない二地域居住でのふるさととの関わりの実践
授業の後半では、学生とのワークショップも行われました。若い大学生が地域で活動するためにどのような場所を求めているのか、本学学生たちが「しまなびプログラム」などで離島に関わった経験から、離島地域にどのような印象を持ったのか、また、島で活動する魅力や難しさ、若い世代に届く情報発信のあり方について、活発な意見交換がなされました。
今回の講義は、人口減少や空き家の増加といった地域課題を、単なる「問題」としてではなく、新たな出会いや挑戦を生み出す契機として捉え直す貴重な機会となりました。学生にとっても、地域で働くこと、暮らすこと、そして関わり続けることの意味を、自らの将来と重ねながら考える時間となりました。





