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「地域創造概論」にて内閣府の山崎翼氏が語る『地方創生と地域の未来』
2026-06-08
カテゴリ:お知らせ
2026年5月26日、地域創造学部1年生を対象とした「地域創造概論」において、内閣府地方創生推進事務局次長の山崎翼氏による特別講義が行われました。
山崎氏は財務省等での要職を経て現職に就かれており、講義では「日本の人口動態と地方創生」をテーマに、最新の政府戦略から長崎の産業が持つ潜在能力まで、データに基づいた多角的な視点を提示されました。
 

1. 人口減少社会の現実と可視化される課題
講義の冒頭、山崎氏は日本の人口推移の長期的な展望を示しました。特に、若年層の東京圏への転入超過は依然として顕著であり、就学や就職を契機とした地方からの流出が大きな課題となっています。こうした現状に対し、RESAS(地域経済分析システム)やRAIDA(地方創生プラットフォーム)といったデータツールを活用し、客観的なデータに基づき地域の強みや弱みを正確に把握することが、実効性のある地域施策の第一歩であると強調されました。

2. 「生活の質(QoL)」から再評価する地方の価値
山崎氏は東京圏への一極集中が続く一方で、「所得」と「生活コスト・時間」を統合した新しい指標を提示しました。東京都の可処分所得は全国1位ですが、住居費や食費などの基礎的支出も最も高く、さらに長い通勤時間という負担も加わります。これらを換算して「生活の質」を試算すると、長崎県(27位)が東京都(35位)を逆転するという結果が出ています。

3. 国家戦略としての「産業クラスター」と「地域未来戦略」
地方創生の最新動向として、政府が進める「地域未来戦略」が紹介されました。これは、地域の特性に応じた「産業クラスター」を形成し、大規模投資とインフラ整備を一体的に支援する戦略です。
特に九州全体で進む半導体産業の集積(新生シリコンアイランド九州)や、五島での洋上風力発電などのエネルギー分野において、長崎は重要な役割を担っていることを説明されました。国際情勢の変化に伴い、国内での製造能力維持が重要視されている現状に触れ、長崎が長年培ってきた造船等の高度なノウハウが、サプライチェーンの強化において重要な鍵を握るとの期待を寄せました。

4. 地域の自律的な挑戦と本学への期待
講義では、地域の創意工夫で成功を収めている事例も多数紹介されました。ブランド戦略と徹底したマーケティングで「波佐見焼」を再興させた波佐見町など、現状打破への強い思いが地域を動かした具体例が挙げられました。
本学においても、情報セキュリティ学科と企業が連携する「共同ラボ」の設置など、産学官連携による高度専門人材の育成と人材循環の仕組み作りが進んでいます。
 

最後に、山崎氏は自身の学生時代の経験を振り返りつつ、1年生に向けて力強いエールを送りました。 「地方創生には画一的な正解はなく、非常にクリエイティブな力が問われる面白い仕事です。学習環境が整っている若いうちに、時間を大切にして自らの力を高めてほしい」と語り、講義を締めくくりました。

地域創造を学ぶ学生にとって、日本の構造的課題を理解し、長崎というフィールドの可能性を再発見する貴重な学びの機会となりました。
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