蘇鉄に桜が咲いた

2012.04.07

桜が続いて恐縮ですが、本学佐世保校のキャンパスでとても珍しい桜が咲いたので紹介させて頂く。

むかしむかし、花咲か爺さんは、愛犬シロの形見の木でつくった臼を、隣の意地悪爺さんに燃やされてしまいました。その灰をまいて、ナント、枯れ木に桜の花を咲かせました。優しい心は大切ですよ、と教える昔話で、3月31日の朝日新聞の「be on Saturday」では、伝えたい昔話ベスト4にランクされていた。ちなみに上位のランクは、「鶴の恩返し」、「浦島太郎」、「桃太郎」。「お爺さんもの」ではトップである。枯れ木に花が咲くのは、おとぎ話の世界であるが、本学では「新入生歓迎」よろしく、蘇鉄に桜の花が咲いたのだから驚きだ!

蘇鉄は南国を象徴する木で、九州や沖縄に多い。某社の「この木何の木、気になる木」の様に、枝が広がるわけではないので、道路のロータリー等に植えられることも多いとか。長崎県内の高速道路でも見かける。本学佐世保校のキャンパスでも、正門を入った道に何本か植えてある。その1本の幹から桜の枝が生えて、今年花までつけたのである。

先日書いたように、桜でもソメイヨシノの種子には発芽能がなく、全国に咲いている花は全て人が挿し木や接ぎ木で増やしたものである。しかし、蘇鉄から枝を伸ばしている桜はどこから来たのだろうか。枝はすでに2mくらいの長さとなっている。私を案内してくれた職員によると、3年前には桜の枝の存在に気がついていたそうだ。花が咲くのかどうかと毎年この時期になると楽しみしていたが、とうとう今年花を咲かせた、という。私もこの地で勤務するようになって3年経つが、迂闊にもこんな珍しい桜に気がついてはいなかった。

桜の枝が蘇鉄の幹から出ているのは地面から5mはある高さで、人の手は届かない。茶目っ気のある人が桜を一枝刺した可能性はゼロに近い。鳥が枝を運んできたのだろうか。突き刺さるまではいきそうにない。ソメイヨシノと他の種類の桜の自然の交雑でできた種子を鳥が運んできて、発芽したのかもしれない。この枝の花は、10個あるかないかの数であるが、葉は周りの木よりはるかに多く生えていて、明らかに違う。ソメイヨシノの純種でないのであれば、種から発芽してもおかしくないのかもしれない。よく見ると、蘇鉄の逞しい幹に桜の根が見える。これからどんな風になるのか、楽しみである。

佐世保校キャンパス内の蘇鉄の写真
蘇鉄の花の写真