スポーツの空間

2012.08.09

前回論じた野球以外の球技では、フィールド(コート、ピッチ等)の辺の長さは決まっている。テニス、ピンポン、バドミントン、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボール、バスケット、ハンドボール、アイスホッケー、等々。相手の打ち損じでポイントを獲得するか、相手ゴールへボール(あるいはパック)を入れてポイントを獲得する。打ち込む、蹴り込む、持ち込む、投げ入れる等々、様々である。これら全てに、三次元的要素がからむ。ネットの高さ、ゴールの高さ、ラグビーではトライの後のキックボールの有効範囲に高さ制限がついている。幅には「三角関数」が効いてくる点がユニークである。

テニスコートの広さと、ラケットやボールの反発係数は大いに関連がありそうだ。ボールのスピードが速くなる程、コーナーへのボールは打ち返し難くなる。仮に一発で決まらなくても、辛うじて返すボールは相手の餌食になりやすい。したがって、コートの広さはそのままで、ラケットの質が上がる(スピードボールが打ちやすくなる)とパワーのある選手が有利になり、技巧派は不利になる。ファーストサーブで決まるテニスよりは、工夫された組み立てで試合が進む方が見ている方は面白い。

サッカーやラグビーのフィールドの広さはどのようにして決まったのだろうか。フィールドが広くなる程、空いたスペースが出来やすく、攻撃側が有利になりそうだ。ラグビーはともかく、引き分け試合が山ほどあるサッカーは、もう少し工夫しても良さそうな気がする。

決められた範囲からボールが出てしまうと、ポイントになるか、あるいは一旦プレーが中断され、出た地点から決められたルールで再開される。野球だけは、ボールが「ピッチ」から出てもボールデッドにならない。アイスホッケーは例外である。フィールドの範囲が線で書かれているのではなく、フェンスになっている。したがって、コートの外へパックが出ることはほとんどない。ゴールの後ろにすらパックが行き、キーパーはオロオロ(失礼!)することがある。どちらかのゴールが決まるまでプレーが中断しないことも珍しくない。非常にスピード感があって面白いのだが、油断するとパックがどこにあるか分からなくなってしまう。それを良いことにして(?)かどうか、わざと相手選手に体当たりするくらいは平気でやっている。しかし、目に余る違反をすると審判に退場を命じられ、その間は味方選手と隔離された場所に座敷牢よろしく閉じ込められる。これは、なかなかユーモラスな光景であるが、残された選手は4:5で戦うのだから、このペナルティは大きい。