空中散歩

2012.9.20

生き物や乗り物が、陸上を移動できる原理は、理解しやすい。足を前へ出すなり、車輪が廻れば前へ進む。足や車輪と地面の間に摩擦があるから、滑らずに前へ進む。雪や氷の表面では摩擦係数が小さくなるので、スリップして進みづらい。車ならチェーンやキャタピラで路面に食い込むような工夫が必要になる。

水上や水中を進むとなると、陸上の動きより説明は難しい。しかし、魚が身をくねらせて推進力を得るということは、見ていて何となく納得はできることである。それであるなら、人が泳ぐときに「バタ足」だけでも前へ進むことは一応納得できる。しかし、魚や人が、前へ進むことができるなら、体の動きを工夫すれば後ろへ進むことができるかというと、それは見たことない。どういうことなのだろうか?泳ぐときの体の動かし方は足を前へ出す程簡単ではないので、速さは人によって随分違う。プールに通っていた頃、どうして自分があのオッチャンより遅いのだろうと納得がいかなかないことも度々であったが、筋肉を効率良く使っていないことにつきる。

空中を飛ぶとなると、そもそも何故浮くのか、何故進むのか大変難しい。先ず、飛行機が何故浮くのか?原理は辛うじて知っているつもりである。チョットサイエンスで、ベルヌーイの定理が基本である。野球のピッチャーがシュートやスライダーを投げることができることと原理は同じである。こちらの方は、自分でボールに回転を与えるのだから、納得しやすい。ゴルフの飛球がスライスしたり、フックしたりすることは、真っすぐ打っているつもりなので、気持ちの上では納得し難い。しかし、物理の法則にしたがっているだけで、情け容赦無しである。飛行機に戻って、翼の上を流れる空気の流速が下側の流速より速いことで揚力が生ずるということらしいが、そう思って翼を見ても到底納得できない。胴体の先端部の形も揚力に都合良く設計されているように思える。いずれにしても飛行機の離陸・着陸のときには、「頼むぞ!」と心の中で言っている。離陸時に地上整備員のクルーが、ヘルメットとつなぎ服で手を振って見送ってくれる姿は、「俺たちが整備したから大丈夫」と言っているようで、とても心強い。

飛行機が前に進むのは良いとしても、鳥やトンボ、はたまたチョウチョが前に進むのはどうしてなのだろうか?飛んでいる様子を見るだけでは、「そうかもね」という感じすら見えない。まして、ツバメと雀の飛ぶ速さが違うのは、何に差があるのか、見当もつかない。ツバメが眼の前にとまっているのを見ると、人間で言えば「肩が張っている」。雀はなで肩、というより肩がない。大きな違いがあることは分かるが、飛ぶ速さとどう関係があるか全くチンプンカンプンである。ライト兄弟は鳥が飛ぶのを見て、飛行機を発明したという。どの段階で、羽を動かすのではなく、プロペラを付けて推進力を得ようと発想したのであろうか?