九十九島夕焼けクルーズ

2012.10.15

先日「市鵬会」の懇親会にお招き頂き、夕映えの九十九島クルーズを楽しむことができた。「市鵬会」とは、前身校も含めた本学経済学部同窓生の、佐世保市役所あるいは関連機関にお勤めの方々の会である。西海国立公園の一部である「九十九島」巡りの観光船を借り切って、家族共々の懇親会に混ぜて頂き、楽しいひとときを過ごすことができた。

全国でも「数少ない」or「ただお一人の」女性の船長さんのお出迎えを受けて船に乗りこむ。本土から見る最も遅い入り日の時間(午後5時55分)に合わせて桟橋を離れる。この手の会で最も重要なものは、お料理やお酒ではなく、お天気であることは間違いない。こればかりは、予約も調整も、どうしようもない。当日は、参加者の皆さんの日頃の行いが良いと見えて、これ以上ないという好天に恵まれた。寒からず暑からず、風もなく、鏡のような海を船が滑るように進んでいく。ほどほどに雲があり、次第に紅に染まっていき、大小数々の島々が夕日に輝き、あるいは大きな真紅の夕日をバックにシルエットとなって浮かび上がる。この景色は、神を感じさせる、荘厳なまでの美しさである。

清少納言の文章を拝借すると、佐世保版はこんな風になろうか。
夕日のさして、島影いと近うなりたるに、かもめの、寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさえ、あわれなり。まいて、雁などの列ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、波の音など、はた言うべきにあらず。(“雁などの列ねたるが”の部分は実際には見ていません、原文のまま借用です
原文(枕草子)はもちろん京都での夕暮れで、海ではなく山の端に日が落ちる。
夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の、寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへ、あわれなり。まいて、雁などの列ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。

サンセットクルーズは、もちろん佐世保だけの独占ではなく、国内でも外国でも、その地域のものがあるだろう。私自身の数少ない経験(瀬戸内海、オランダやドイツの運河、イスタンブールの海峡等)で言えば、しまの間を縫うように行く九十九島のクルーズは、景色の変化の面白さと、入り日と島のコントラストの見事さで、世界一であると思う。掲載の写真は木村副学長撮影のものを拝借した。

九十九島夕焼けクルーズの写真