あっぱれ錦織、山本昌

2013.06.21

最近、スポーツ界には新しいスター選手が次々に現れている。シーズンが過ぎてもう大分経つが、今年はじめに日本中を湧かせたのはスキージャンプの高梨沙羅。何と100 mを超すジャンプでワールドカップの総合優勝をさらった。まだ、高校生というから、これからもグングン伸びるであろう。私は、長野県の八方尾根にある長野オリンピックのジャンプ台の上に立ったことがある。もちろん見るだけ。見るだけで足がすくむ。急角度の助走路の遥か下に着地するバーンが見える。ここを思い切りの速さで滑り降り、空中に舞い上がるのかと考えると、最早人間業とは思えない。スキーのジャンプとは、そういうものである。空中へ飛び出すときの0.0何秒かの踏切のタイミングと強さ、空中での姿勢が勝負になる。

その0.01秒でやはり国中を興奮させたのが京都の高校2年生、桐生祥秀。日本記録にあと0.01秒と迫る10.01秒で100 mを走り抜けてみせた。同じ100 mでもまるで意味合いが違う。あと0.02秒速ければ日本人初の9秒台である。数字の上では、1001円で売っているものを999円に値切るのと同じことだ。スーパーマーケットならできそうだが、陸上短距離走ではこれが難しい!これからは、彼が走るたびに皆「あと、0.02秒」と祈ることになるのだろう。

テニスは、自分が中学のときにクラブ活動でやり、市内の大会で一応は優勝争いに絡んだ唯一の種目なので、選手の成績も気になる。以前にこの欄でクルム伊達公子にエールを送った(2011/06/28 クルム伊達公子の健闘)ことがある。彼女はその後全豪大会で勝利の最年長記録を更新する等活躍しているが、最近のトピックは、あっぱれ錦織圭!である。もちろん高校生程若くはないが、まだ23歳。これからまだまだ強くなるであろう。その23歳が、スペインでの大会でフェデラー(スイス)に勝った。フェデラーはテニスの4大大会(グランドスラム)と言われる全豪、全仏、全英、全米大会で合わせて17回(最多記録)優勝している史上最強の選手である。31歳で、まだまだ衰えを感じさせる年齢ではない。そのフェデラーに勝った意味は大きい。しかもスペインの大会は、錦織が苦手とするクレーのコートであった。試合に勝つためには、相手サーブのゲームをとらなければならない。テニスのサービスは、我々クラスのサーブは文字通り相手に対する「サービス」になるが、世界のトップ選手では「サービス」どころか、最大の攻撃手段である(時速200 km程度)。これを打ち負かしたのだから、「あっぱれ」以外の何ものでもない。ジャンプしながら思い切り打つ彼のフォアをウィンブルドンのセンターコートで見る日が近いことを期待したい。

錦織はその後の全仏オープンでも日本人としては75年振りに4回戦まで勝ち進んだ。残念ながら全仏の王者ナダルに破れてベスト8の夢はついえたが、勝ち進んでフェデラーやナダルと対戦するということは、確実に強くなってきている証左であろう。

そして、極め付きは上の3人のオヤジでもおかしくない年齢のプロ野球中日の山本昌投手。47歳9ヶ月で今期2勝目をあげ、嘗ての中日の大投手杉下の215勝と並んだ。杉下は年間32勝したこともあるピッチャーなので、比べる意味はあまり無いかもしれない。むしろ、「いくつ勝ったか」より「いくつで勝ったか」で記憶に残ることになるだろう。この勝利で、自己の最年長記録を2ヶ月更新した。今後彼が勝利投手になる度に、プロ野球の最年長勝利記録は更新され続けることになる。いつまで続くか楽しみだ。