山のランキング

2018.11.10

 土曜日の朝日新聞に「RANKING」という記事がある。前に西部劇映画のランキングに関して「懐かしの西部劇」と題して書いたことがある(2012.08.28)。大分前になるが、これも私にとっては「懐かしの」と言える、山のランキングがあった(6月30日)。この投票結果を見ると、登るのが好きな人だけでなく、眺める山、郷土の山に投票した人も多いようで、北海道から九州まで全国に分布している。山は、「散歩道」という程気軽ではないかもしれないが、この記事を取り上げてみたい。
 今年5月25日の「佐世保の屋根縦走」で山と岳の違いについて書いたが、今回のランキングのベスト20まででは、「山」の方が多い。山:岳=12:7で、残り1枠は美ヶ原だ。これは美しい高原であるが、「山」と言えるかどうか疑問ではある。堅いことを言わなければ、最も高い場所の「王ケ頭」からの眺望は素晴らしい。
 ランキングのトップは富士山(668票)で、これは別格である。2位はその半分強で阿蘇山の356票だ。九州からベスト20入りは阿蘇山だけなので、九州の人気を一身に集めていると言える。歩いて登るより皆がドライブを楽しんでいると言えようか。3位は富山県の立山。この山は富山市内の海岸から美しく見えるので、この地域の人にとっては、富士山級とも言える。富山市役所にも立山連峰を眺めるためと言っても過言ではない展望所がある。標高2450メートルの室堂までバスで行けるので、頂上(3015 m)まで晴れてさえいれば、子供でも登れる。立山—アルペンルートについては、「日本最高のホテル」というタイトルで、2011年11月4日に紹介した。
 4, 5位に初めて本格的山である「岳」が登場する。穂高岳と槍ヶ岳だ。穂高岳という名前の山はなく涸沢をぐるりと囲むように前穂高岳、西穂高岳、奥穂高岳、北穂高岳、それに涸沢岳が連なっている。標高は奥穂高岳が最高で、日本で3番目。槍ヶ岳は10メートル及ばないが、天を突く特徴ある形で知名度は高く、北アルプスのランドマークあるいは盟主と呼ばれる。
 6位以下で岳がつく山は八ヶ岳のみ。後は、八甲田山、大山、大雪山、月山とその地域の代表的山の名前が連なる。いずれも僅差で、順位はあまり意味がない。八ヶ岳は、文字どおりいくつかのピークの連なりで、1つの山の名前ではない。夏沢峠を境に、北八ヶ岳と南八ヶ岳に分かれる。南の方が険しく、主峰の赤岳は標高2899 mである。アプローチが短く冬山の訓練には良い山であると言われる。
 私が「岳」と名のつく山に初めて登ったのも八ヶ岳であった(もちろん夏)。大学院生の時で、2年先輩のグループに連れて行ってもらった。キスリングを背負った人しか乗らないのではないかという新宿発23時50分(?)の夜行で出かけた。先輩に迷惑かけてはならない、その為には睡眠をとることだ、その為には睡眠剤と考え、ウィスキーを飲み過ぎて1日目は相当きつかったことを今でも覚えている。
 ランキングに戻って、11位以下は、剱岳、利尻岳、乗鞍岳、鳥海山、白馬岳、蔵王山、美ヶ原、磐梯山、浅間山、筑波山である。ベスト20の内1000メートルに達しないのは筑波山だけ。平原から立つ独立峰で美しい形と誰でも登ることはできることが人気の要因か。平原ではなく、海からそびえているのが利尻岳。1771mとはいっても海抜ゼロメートルから登るので、簡単ではない。標高差だけで言えば、上高地から槍・穂高登山に匹敵する。
 日本第2の高さを誇る北岳をはじめとする南アルプスの山々、中央アルプスの山々や甲斐駒ヶ岳、仙丈岳等が入っていないのは、投票者が必ずしも「山登りが趣味」、という人ばかりでないからだろう。

写真は本文と関係ありません。

Canadian Rocky(カナダ)

Mt. Cook(ニュージーランド)