私の友人 その2 トロントでの珍事

2018.08.10

 前々回、1989年にカナダ・トロントのBryan Jones教授の研究室に押しかけて行った時のことを書いた。実はその前後に、今となっては思い出以外の何ものでもないが、相当ヒヤヒヤドキドキがあった。
 トロントへは、アメリカのフィラデルフィアから飛んだ。Prof. Jonesを訪ねる約束時間は午後3時頃だったので、午頃トロントに着く便を予約していた。ところが、フィラデルフィアで世話になった友人が「アメリカの国内線の時間は100%正確とは限らない。どうしても3時までにトロントに着きたいなら朝1番のフライトに変更すべきだ。朝1番の飛行機なら、前日に整備してあるから必ず時間通りに飛ぶ」と曰う。「予約の変更!これは大変だ」とたじろいだが、やるしかない。電話で、「私はアメリカ人ではない、英語に慣れてない。ゆっくり話して下さい」と最初に頼んで、なんとか変更できた。こういう会話の内容はおよそ見当がつくので、あらかじめメモを作っておけばスムースである。それでも翌朝飛行機に乗るまで心配であったが、無事トロントへ行くことができた。
 トロントの空港からホテルへ向かうタクシーの中がまた大変だった。ドライバー氏が「いつTorontoを出るのか」と尋ねてきた。明日の早朝と答えると、それなら迎えに行ってやるという。それは有難いと思い、何時に来てくれと頼むと、OKと快諾してくれた。そこまではスムースに運んだ。ところが、ここから訳分からなくなった。彼が突如「ホンダカンパニー」と言い出すではないか。私は「ホンダ」は日本の車のことと思った。「ナンデこの人急にそんな話しするんだ?ホンダもトヨタもこの際関係ないぞ」と思いつつ、それでも調子を合わせるかと思い、「ホンダは日本では人気の車だよ」という類のことを言った。ドライバー氏は「No, no」と悲しみ、そして苛立ち、名刺を出して「ホンダカンパニー」を繰り返す。そんな会話をしながら、やっと私は「ホンダカンパニー」とは「Phone the company=自分が明日早朝お客を迎えにホテルに行くことを会社に電話で知らせてくれ」という意味だと気がついた。そんな習慣は日本にはないし、初めて外国に来た日本人に分る訳がない。おまけにインド系の人の発音に接するのも初めて。それまで練習した英語では「フォーン・ザ・カンパニー」となるべきところが「ホンダカンパニー」になると気がつくまで2人で凄く苦労したという訳だ。ホテルに着く前に商談成立で、翌日早朝無事にWisconsin Madison 行きの飛行機に乗ることができた。
 インド人の発音もオーストラリア人の発音も分かり難い。有名なジョークに、オーストラリア人の友人に「I go to the hospital to die」(私は、死ぬためにあの病院に行く)と言われてびっくり仰天した、というものがある。これはオーストラリア人の発音のせいで、彼は「I go to the hospital today」(私は今日、あの病院に行く)と言ったのである。「today(今日)」が、英米ではトォイと発音し、豪州ではトォイ(死ぬために)という発音になるのでびっくり仰天となる。私達も「Janglish」と言われようと臆せず話すことが大切と思う。通じなければ相手は「Sorry」と聞き返してくる。学校で習ったように「I beg your pardon」ナンテいう人は誰一人いないので要注意!

後方サングラスの人がDr. Bryan Jones


お詫びと訂正:2018年7月25日掲載の「はやぶさ2」の最初の文に「はやぶさ2とは、2014年12月に小惑星「リュウグウ」探査のために打ち上げられたロケットである。」と記載しました。ところが、お読み頂いた方から「はやぶさ2をロケットというのは間違いである」というご指摘を受けました。ロケットは人工衛星を宇宙空間まで打ち上げるもので、「はやぶさ2」はそれ以上の使命を持つものであるからロケットではない、というご指摘です。その通りなので、JAXAのホームページから引用して、文頭の1文を「はやぶさ2とは、2014年12月に小惑星「リュウグウ」探査のために打ち上げられた小惑星探査機である。」と訂正させて頂き、併せてお詫びいたします。ご指摘有難うございました。