はやぶさ2

2018.07.25

 はやぶさ2とは、2014年12月に小惑星「リュウグウ」探査のために打ち上げられたロケットである。それが3年半の旅を終えて去る6月27日9時35分に目的の「リュウグウ」に到着した。誠にめでたく、あっぱれという他ない。JAXA(宇宙航空研究開発機構)のプロジェクトである。よくもまァ、そんなことができるものだと感嘆する。
 このコラムでも、2016年4月10日に「挑戦が力を生み、継続が力を深める」というタイトルの文中で、スウィングバイという方法で方向転換に成功したことを紹介した。方向転換そのものに成功してもターゲットに到着しなければ何にもならない。ターゲットに到着しても、衝突して粉微塵になってしまっては何にもならない。現在約20キロ上空に横付けしているということだ。地球からリュウグウまでは3億キロメートル、その大きさは直径僅か900メートルである。ターゲットと距離の比は約1/3億。ゴルフのホールインワンは1/1000くらいか。「そんなもの比べて、どうする」って感じであるが、精確さが多少は実感できるかもしれない。しかも、リュウグウは「惑星」というからには、太陽の周りを回っている。動いているのだ。そのターゲットに向かって3年半の旅を終えて到着したというのだから、「よくもまァ、そんなことができるものだ」と何回言っても十分ではない。
 プロジェクトに携わった関係者にとって3年半はものすごく長い時間であったろう。先代「はやぶさ」の打ち上げから数えれば、その2倍以上の時間がかかっている筈だ。その先代のトラブルを教訓に様々な改良や工夫をしたのは当然であろうが、成功する保証はどこにもない。宇宙の遥か彼方で流星と衝突する可能性もゼロではないだろうし、他にも想定外のことが起こっても不思議ではない。
 小惑星とは太陽系ができた時に惑星になり損ねた小さな天体であり、多くは火星と木星の間にあるが、リュウグウは例外的に地球と火星の間にあり、地球からは近いことになる。はやぶさ2はこのリュウグウに1年半「滞在」し、この間、表面にクレーターを作り風化していない岩石を採取して、再び2020年の暮れに地球に帰ってくる予定だ。復路に要する時間は往路に比べると非常に短いが、ともかく無事に帰ってきて欲しい。
 宇宙の始まりと考えられている「ビッグバン」は136億年前、太陽系ができ始めたのは46億年前と考えられている(何故そう考えられるのか、私は知らない)。その頃の謎が少しは分かるかもしれない、生命の誕生の謎解きのヒントが得られるかもしれないと期待されている。「そんなことどうでも良いじゃないか」と言わずに、ときには悠久の謎に思いを馳せ、遠い、遠い昔に何が起こって、今私達が地球の上で生活しているのか、考えてみるのも悪くない。私達の存在そのものが奇跡と思えるようになれば、もう少し皆で地球を大切にし、小さなことに拘らずに平和に暮らそうと考えるようになるのではないか。