佐世保の屋根縦走

2018.05.25

 このタイトルは我ながらオーバーと思う。佐世保市民のどなたも「佐世保の屋根」と言われても何のことかわからないだろう。しかし、こういうオーバーなタイトルとする根拠がチョットはあるので、そのことから書かせて頂く。  山の名前の漢字には2種類ある。「〇〇山」と「〇〇岳」だ。山岳地帯という言い方もある。山と岳はどう違うのだろうか。以下は勝手な推測である。まず具体的名前を挙げてみたい。日本一高い山に敬意を払って「山」から始めると、富士山、阿蘇山、御嶽山、月山、磐梯山、白山等は「サン」と読む。日本には冬になれば白くなる山は少なくないが「白山」は立派な固有名詞である。本学の最寄りの鉄道の駅は「大学」であるのと共通するというとクレームがつきそうだ。立山、浅間山は「ヤマ」と読む。変わっているのは大山で「セン」と読む。このような高山もあるが、一方「里山」はあっても「里岳」はない。山の方は信仰に深く関しているか、生活に身近なものかのどちらかであることが多いように思う。  一方、「岳」は山を意味する単独の字としては使われない。日本百名山はあっても日本百名岳とは使わない。代表的な山は日本第2、第3の高さを誇る北岳、穂高岳、山好きでなくても頂上の形がイメージできる槍が岳、岩登りで有名な谷川岳、劔岳等々、挙げればキリがない。日本アルプスと呼ばれる山岳地帯にそびえる山の少なくとも多くは「〇〇岳」で、気軽に行ける山は少ない。  ところが、佐世保市には「岳」がいくつかある。そのうちの2座、将冠岳から弓張岳まで、私は4月のある晴れた日に歩いたのだ。一方は大将の「将」に冠という立派な名前だ。他方は弦を張った弓で、これまた勇ましい。しかも家から徒歩で登り、大学目指して下山し、その上徒歩で家まで帰ったパーフェクトな山行きである。これを「佐世保の屋根縦走」と言わずして、何と言えば良いのか!読んでいる人を騙すことになってはいけないので、所要時間を言うと、このルートで家から大学まで4時間半、大学から家までは1時間半くらいである。こうなると「佐世保の屋根縦走」という表現は如何なものか、となる。  登り始めて1時間くらいで頂上に着く程度の山であるが、入るととても静かである。自分の足音以外には時たま鶯の鳴き声が聞こえるくらいである。木が多いのであまり下界は見えず、地図は持っていても道の分岐点でもしっかりした道標がない所もあり、この道で良いのか不安になった。ともかく上へと向かい、無事目的の将冠岳に到着した。445.1メートルとある。頂上からは大学のある相浦方面、九十九島で有名なパールシー等の眺望を楽しめる。ここから弓張岳までは1時間足らず。頂上直下にホテルもあり、佐世保港、佐世保市街地の眺めが美しい。

 

大学付近からの将冠岳(左)と弓張岳(右)

 

将冠岳から大学方面を望む

弓張岳からの佐世保港