キャンパスの四季 その4

2017.7.25

 6月は梅雨の季節として日本ではあまり好まれない。この稿が出る頃は、梅雨も明けているだろうか。もちろん世界の他の地域では事情が違い、場所によっては最高の季節である。皆さんも「June Bride」という言葉はご存知だろう。気候だけでなく、神様のご加護もあるとか、さらに現実的な理由も考えられているようだが、ともかく6月の花嫁は憧れの的であることは間違いない。
 美人歌手で有名であったジュリー・ロンドン(Julie London)のレパートリーにこんな歌がある———「月の光は(恋人たちにとっては)魔法のようだ、6月のどの夜よりも、、、」———6月の夜が素敵だからこそ、比較の対象となっている。

Magic is the moonlight, On this lover’s June night
中略
Magic is the moonlight, More than any June night
Magic is the moonlight for it made you mine.

 6月は恋が育つだけではなく、気温も上がり、雨も降るとなれば、植物も育つ。花が咲き、相合傘ともなれば日本でも恋が育まれるかもしれない。恋の花はさておき、本学の両キャンパスとその近くに咲く6月の花をいくつか紹介したい。撮影はどれも6月のある日である。  まず「その2」(2017.5.31)で紹介したシーボルトキャンパス。正面入り口付近はこの季節、紫陽花が綺麗だ。ガクアジサイのいかにも花びらのように見える白い部分は実は萼(がく)で、中央部分青い小さなものが花だ。校舎の脇には鮮やかなワインレッドの葉をつけたノムラモミジがある。周りの新緑と対象的だ。そして最後は白く清楚に咲くクチナシ。あまり数がないので目立たない。「ともすれば君クチナシになり給う 海な眺めそ海にとられむ」:大好きな牧水の歌の感じがぴったりだ。

紫陽花

ガクアジサイ

ノムラモミジ

クチナシ

 佐世保キャンパスにも大きな樹に咲く花がある。いずれも正門付近。タイサンボクはなかなか良いアングルで撮れない。一斉に咲くのではなく、順に開き、しぼんだものが茶色っぽく綺麗とは言い難い色で残る。高いところに咲くのでどうしても下から撮ることになり、葉が邪魔になる。ネズミモチも高い樹に咲いている。

タイサンボク

ネズミモチ

合歓の木

 最後の1枚は通勤途上に見事に咲いている合歓の木(ネムノキ、別名ネブ)。マメ科植物なのに、大きな木だ(ジャックが登った豆の木は天まで届いていたぞ!と陰の声あり)。芭蕉が「象潟や雨に西施がねぶの花」と詠んだ花である。いにしえの中国の美人に例えられるだけある美しさである。英語では silk tree、これも相応しい名前だ。  芭蕉が松島(宮城県)でなく佐世保に来ていれば九十九島(くじゅうくしま)はもっと有名になっていただろうと悔しがる人がおられる。「九十九島や、、、」では字余りになるが、「九十九やああ九十九や、、」ならなんとか収まるけど「チョットね」という感じだ。調子に乗って「タラレバ」を続けると「象潟や」も「柿田原(注)、雨に卑弥呼が合歓の花」なっていたかもしれない、、、。

注:柿田原は合歓の木の近くのバス停、「卑弥呼」は、何故か西施ではなく、小野小町や楊貴妃でもなく、もちろんクレオパトラではあり得ず、ここは卑弥呼!という感じなのだ。