新旧交代

2017.07.10

 人は年齢を重ねると様々な力が衰えていくので、いずれ新しい人と交代するのは必然的なことだ。特に勝負ごとの世界での新旧交代は、スポーツの世界でも、囲碁・将棋のような類でも結果がはっきり出るので厳しいものがある。
 6月末の新聞で大きく取り扱われた将棋の話題が、正に新旧交代のこれ以上ない象徴的な対照であった。新人として空前の華々しいデビューを飾った中学生棋士藤井四段の連勝記録が将棋界最高記録の28に並んだのが6月22日。26日には勝ちを1つ重ねて、新記録を樹立した。連勝記録は7月2日に29でストップしたが、デビュー戦から負けなしの最高連勝記録を讃えるのにどんな言葉を使っても不足であろう。この連勝が始まった第1戦の相手が将棋界最高齢の加藤一二三(ひふみ)九段というのはでき過ぎた偶然だ(因みに、加藤九段の名前は、英文ではKato one hundred twenty-threeとか? )。加藤九段は藤井四段が連勝記録を28とする2日前の20日の対局で敗れ、ルールにより引退を余儀なくされた。77歳、現役生活約63年というからこれもすごい記録である。通算1324勝1180負、それぞれ第3位と第1位で、長く続けたからこその記録である。
 将棋や囲碁ではスポーツと違い、筋肉の強さや俊敏さは要求されないが、それでも体力は必要である。構想力、読みの正確さ、速さが必要なことは当然だが、長い時間その勝負に集中するためには、瞬発力や筋力とは別の「体力」も必要である。一流同士の戦いでは一瞬の隙やポカが敗戦につながるであろう。その意味で77歳まで現役を続けることは大変なことだ。私自身、かなり前に TOEICテストを受験したと書いたことがあるが、この試験時間2時間でも相当な疲労を実感した。
 私は、将棋についてはコマの動かし方を知っている程度であるが、囲碁の方は詰碁の本を何冊かもっている程度には好きである。時々手ほどきを受けているクリーニング屋の親父さんに言わせると、「趣味というからには初段くらいの腕はないといかん」ということで、趣味の一つは囲碁というのは遠慮しなければならないかもしれない、、、。とまれ、棋士とは、将棋または囲碁を生業としている人という意味で、そんな共通点もあることから、囲碁の方はこの手の記録はどうなのかと調べてみた。数字そのものを比較するのは意味がないかもしれないが、両方とも「棋士」の記録ではある。
 囲碁界の連勝記録は坂田栄男の29で、奇しくも同じ数字になっている。坂田は既に2010年に90歳で他界しているが、「カミソリ坂田」の異名を持ち、数多くのタイトルを保持した昭和最強の棋士の一人である。坂田は年間最高勝率(30勝2負=0.93)のタイトルホルダーでもあるが、これも藤井四段とどんな勝負になるか楽しみだ。

 もう一人、5月末に今シーズン限りでの引退を表明した人がいる。ご存知プロゴルファー宮里藍だ。彼女は31歳というから、まだまだやろうと思えばやれない年齢でもないと思うが、モチベーションが上がらないという。一流のプロで特に個人戦だと、自分のイメージ通りにいかないと気持ちを高く保つのは容易なことではないのだろう。それにしても、私自身がゴルフを始めた頃から活躍している選手なので、引退は残念なことだ。私はイメージ通り行くことはほとんどなくてもゴルフを続けているのに、、、(意味の無いたわ言であることは分かっています、、、スミマセン)。