朋あり遠方より来る

2015.09.15

 「朋あり遠方より来る、また楽しからずや」は論語の中にある有名な一説で、どなたもご存知だろうし、実感できることと思う。

 関東暮らしから佐世保に引っ越し、県立大学に勤務するようになって、早いもので7年目も半年近くが過ぎた。この間、家族はもちろん、関東在住の多くの友人が訪ねてきてくれた。高校時代から付き合っている友人、慶應大学勤務の頃の友人、そして研究室の卒業生、また遠くも遠くドイツから来た学会仲間もいる。まさに、「朋あり遠方より来る、また楽しからずや」である。

 最近、慶應大学 理工学部 数理科学科のM名誉教授が訪ねてきた。「佐賀大学にいる弟子が古希のお祝いをやってくれるということで佐賀へ行く。その週末長崎へ行きたいが都合はどうか」というわけだ。運良く、という程稀なことではないけど、ともかく他に予定はなかったので2日間、佐世保、平戸、長崎と一緒に観光した。私は車を持たないので、こういう時はレンタカーを使うが、普段運転してないのでなかなかくたびれる。今回は、前述のお弟子さんの運転なので、大変楽であった。

 まず行ったところは田平天主堂。来年世界遺産に登録されることが期待されている教会群の一つだ。晴天にスッと伸びる尖塔とステンドグラスが大変美しい。ステンドグラスとは、外から見ると色が見えないことを迂闊にも初めて知った。次に平戸ザビエル記念聖堂を拝観して、生月の塩俵断崖へ行った。ここは、無風よりは風があってある程度波が高い日の方がより迫力があるように思う。風が強いと、「塩俵 磯もとどろに寄する波 われてくだけて裂けて散るかも」(元の歌は、「塩俵」ではなく「大海の」:源実朝)。この日は「夏の海 ひねもすのたりのたりかな」(元の句は、「夏の海」ではなく「春の海」:蕪村)という風情であった。

 佐世保市内へ戻り、遊覧船「みらい」に乗る計画であったが残念ながら時間に間に合わず、上から九十九島を眺めることにした。平坦な佐賀県に住む人には、つづら折りの細い道を登る弓張丘へのドライブは多少きつかったかもしれないが、無事到着。さらにパールシーヘ取って返し展海峰へ。ここも九十九島を眺める代表的スポットの一つである。この日のこの時間は空気が十分澄んでいるとは言えず、遠くまでは見えなかったが、穏やかな海に点在する美しい島影を楽しんで頂けたと思う。

 駅前のホテルへ戻るとタイミングよく大きな精霊流しの船に出会った。船自体、爆竹の賑やかさ、そして墓石の金文字もお隣佐賀県の人にとっても大きな驚きである。

※県外の方へは、馴染みでない地名等がいくつかあるかもしれません。解説するスペースはないので、恐縮ですがWebで訪ねてみてください。

平戸ザビエル記念聖堂

 

生月の塩俵断崖 精霊船
生月の塩俵断崖 精霊船