菜の花マラソン

2015.01.30

 市民マラソンは最近ますます盛んになりつつある。10キロ、ハーフ、フルと種目もバラエティに富み、制限時間も様々なので、その人なりの楽しみ方ができる。多くある大会の中で、「新春初の」と銘打って行われるのが指宿の「菜の花マラソン」である。今年は4年ぶりに参加した。

 指宿は鹿児島市中央駅から鉄道で約1時間南へ下った所で、砂風呂でも有名である。対岸の佐多岬の方がより南であるが、本土のほぼ最南端と行って良い。いくら最南端と言ったって、まさか1月半ば前に菜の花は咲いていないだろうと思われるかもしれないが、これが真っ盛りで驚いた!道路脇を飾ったり、畑一面に咲いていたり、とても美しい。

 菜の花マラソンは市の総合グランド付近をスタートして、池田湖畔から開聞岳の麓を走り、最後は海を右手に見ながらゴールを目指す。制限時間は8時間、35キロ地点で7時間と、緩い方である。おおらかな制限時間、新春初、そして何よりも指宿市民あげての歓迎のお陰で、参加者は非常に多い。約1万9千人である。市の人口が約4万人の半数に届こうという数字であるから大変な数だ。もちろん市民の方も多く参加しているであろうから、1万9千人全てが他所から来た人ではないと思うが、それにしても膨大な人が集まっていることには間違いない。

 スタートは、自分の予想タイムを自己申告し、速い順であるが、私が並んだ辺り(5〜6時間)は真ん中辺りか。スタートの号砲は聞こえても、付近の人は微動だにしない。進行担当の人のマイクが「まだまだ、続々ランナーがスタートしていきます。招待選手、最強の市民ランナー川内選手の姿はもう見えません。」と叫んでいる頃に、そろそろ私の周りも前へ進み始めた。少しずつ走り始めてもこの状態は変わらない。「分け入っても、分け入っても青い山」は、種田山頭火の傑作であるが、私の場合はさしずめ「分け入っても、分け入っても人の山」だ。

 4年前にはさほど感じなかったのであるが、このコースはかなりアップダウンがキツい。池田湖や開聞岳の眺めを楽しみながら気持ち良く走ることができた、と書きたいが、上り坂はほとんど歩く状態で、息も絶え絶えにやっとの思いでゴールできたというのが正直なところだ。6時間かかってしまった。4年前に比べると1時間半くらい遅い。嘗て、清浦前理事長がおられた時、「体力が衰えるのを実感するのは70歳を過ぎてからですよ」と言われていたが、正にその通りである。「冬の日の、清浦理事長のお言葉の、身にしみて、ひたぶるにうら悲し」という感じである。「げに我はうらぶれて、ここかしこ飛び散ろう落ち葉かな」とならないよう、心がけなければならない、というのが新春の想いである。

スタート地点の菜の花

 

前も後ろも人、人、人

 

池田湖 開聞岳