Happy Planet Index

2014.12.24

 誰でも幸せになりたい。しかし、あなたにとってどういう状態が幸せか、と問われると人によって答えは違ってくるだろう。健康や平和等共通のものも少なくないだろうが、「お金持ちになりたい」と言っても具体的収入となると多分千差万別ではないか。多くの国では、もちろん平和を前提として、経済成長やGDPの高さを求めて努力している。豊かな物資、便利な生活への願望が、今や「地球という星」の許容量を超えているのではないかという議論がある。豊かさや便利さを求める時、一方で地球それ自体の持続可能性=Sustainabilityを考える必要があるということである。地球の歴史は約50億年、生命の誕生からは36億年、そして人類の歴史はどこまで遡るかによって違ってくるが、アフリカのサバンナに降りたのは360万年前、今の人類と同じ新人類(現生人類)の誕生は20万年くらい前と考えられている。地球に負荷をかけ始めたのは、産業革命に端を発すると考えれば、約200年の短い間に人類の活動は地球それ自体の健康を考えなければならない所まで来てしまったという訳だ。

 目先のGDPだけでなく、もっと遠くを見ようと提唱しているのが、イギリスの統計学者ニック・マークス である。先日の「学長の散歩道(11/10 想像を絶する人)」で紹介したTEDのプレゼンテーションで知った。彼は人の幸福度を数値化する工夫をし(詳細は?)、一方それを実現するためにどれだけ地球に負荷をかけるか(主としてエネルギー消費量?)も数値で表す。多くの国でアンケート調査を行い、前者を縦軸に、後者を横軸にとってグラフ化した。彼はこれをHappy Planet Index(地球幸福度指数) と名付けている。多くの点が図上に現れるが、代表的な3点を示す。

当然、縦軸は上に、横軸は左へ行く程好ましい。赤色は日本をはじめとする欧米先進国である。アフリカの国々の多くが紺色の点の廻りにくる。他の多くの国が紺と赤を結ぶ線上に分布するが、例外的に緑の点付近に来る国がいくつかある。地球に負荷をかける度合いが低く、しかも幸福度が高いので世界中のお手本となる国だ。これらの国々はある特定の地域に位置する国が多い。その最上位にくる国はどこか、プレゼンテーションを聞いていない方には、次回で正解を示すまでの宿題としたい。その国は、1949年に軍隊を放棄し、識字率は世界でも最高レベルであり、消費エネルギーの99%を再生可能エネルギーで賄っているということである。

 ニック・マークスによると以下の5つのことを心がけると幸せへの扉が開くという。試してみてはいかがでしょうか。
1. Connect(愛する人、友人と親交を結び、家族を大切にする)
2. Be active(運動に限らず活動的に過ごす)
3. Take notice(世界で起こっている様々なことに注意を向ける)
4. Keep learning(学校での学びだけではなく、多くの事柄へ好奇心を持つ。例えば料理、ピアノやギターを弾く、等々何でもOK)
5. Give(他人に与える)
人に朝100ドルあげて、一方には「このお金を自分のために使いなさい」と言い、他方の群には「このお金を他人のために使いなさい」と言って、夕方に2つの群の「幸福度」を調べると後者が勝っていた、という実験が根拠としてあげられていた。もらった100ドルと、自分のポケットマネーの100ドルでは、違うかもね、と質問できなかったのが残念!

皆様、良いお年をお迎え下さい。