岬のランキング

2014.09.25

 朝日新聞土曜版に「RANKING」というシリーズがある。前に西部劇のランキングについてこの欄で取りあげたことがある(2012.8.28)。このときは概ね賛成であったが、2014年7月12日の「訪ねてみたい日本の岬」のRANKINGについては、悔しいではないか、という感想だ。

 日本の東西南北の端はどこかというと、北と東の端は北海道であり、南と西は沖縄県である。北は宗谷岬、東は北方領土を含めて考えれば択捉島の先端、ロシアが実効支配しているということからこれを除くと、納沙布岬となる。南は波照間島の南端、西は与那国島の西端となる。南端と西端はいずれも離島であり、「岬」というイメージからはいささか遠い。そこで北海道、本州、四国、九州を「本土=mainland」と定義し、それに限って考えると最南端は鹿児島県の佐多岬だ。北海道の2つの岬と合わせて、これら3つの岬は先のRANKING のベスト20に入っている(佐多岬は惜しくも11位であるが、北海道の2つはいずれもベスト10)。

 ところが、ここからが悔しいのであるが、本土最西端の岬はベスト20に入っていない。20位は長崎鼻である。「ナンダ、悔しがらなくてもちゃんと入っているではないか、長崎県の岬なら最西端でしょ!」と勘違いされる方もおられるかもしれないが、長崎鼻は鹿児島県の薩摩半島側の先端の岬である。佐多岬のペアと言える。日本本土最西端の岬は、名前すらほとんどの人が知らないのではないか。それは長崎県佐世保市にあり、神崎鼻(こうざきばな)という。

 ここまで来て、「実は…」と白状しなければならないのであるが、私自身も日本本土最西端に行ったことがない。これではいかんと、出かけることにした。岬と称する場所は、大概交通の便はあまり良くない。したがって、車を持たない者にとっては、どうやって行くかということはなかなか厄介な問題である。鉄道の最寄駅からは10キロ以上ある。構わん、いざとなったら歩こうと決意し、これは正真正銘日本最西端の鉄道(松浦鉄道、略称MR)に乗ってハイキングに出かけることにした。

 佐々(さざ)駅に着いて聞いてみると目的地の近くまでバスがあるという。1時間に1本程度のバスに、運良く5分も待たずに乗ることができた。バス停からは徒歩1.8キロで本土最西端の岬に着く。北緯33度12分51秒、東経129度33分18秒である。経度にして納沙布岬と16°16’の差がある。日の出、日の入り時間で1時間5分の違いだ。ここまで来て景色を眺めると他の3つの岬に比べて知名度が低くなる理由は分かる気がする。地図を見れば分かることなのであるが、西には数キロ先に平戸島(平戸市)が横たわっている。今では橋を渡って行ける。そのまた西には五島列島がある。西の端にいるという実感は湧かない。ここに観光客を呼ぶには北海道や鹿児島とは違うアピールが必要だろう。

 

本土最西端の地のオブジェ、遠景は平戸島

案内板:下段には「黒島」、「五島列島」、「平戸島」と実際に見える地名が書いてある。
上段には廈門、上海、北京方面とあり、スケールが壮大である。