宇宙の創造主とヒトの進化

2014.7.25

随分前になるが、月の公転の周期と自転の周期がピッタリ一致している偶然から、もしかしたら「宇宙の創造主」がいて、その遊び心かと考えてしまう、と書いたことがある(2011.9.26)。「これに関する話題は後日のお楽しみ」と、宿題にした。今回は宿題の提出である。宿題の提出に3年もかかるなら、学長はクビ、というお叱りを受けそうだ!

 最近、「進化」という言葉が本来の意味と全く違う意味で使われることがある。曰く「進化するマー君、新人でオールスター戦に選出」等である。「進化」とは、その生物の遺伝暗号(DNA)に変化が生じ、それが子孫に伝えられる場合に使う言葉である。ゴリラから分かれてチンパンジーが誕生し、さらにホモ・サピエンスが分かれて人類の祖先の誕生となる類いのことを進化と呼ぶ。田中将大はどんな大投手になっても田中将大であり、進化ではなく進歩というべきである。「進歩」という表現では、物足りない気持ちが「進化」とさせているのであろうが。

 ところで、進化の系統樹では下の方にいる単細胞微生物は、糖分とわずかな金属イオン(ミネラル)を含む培地中でどんどん増殖する。タンパク質やそのもととなるアミノ酸を自分の体内で作ることができるからだ。ヒトは進化の頂点に位置するのだから、バクテリアができることはいとも簡単にできるだろうと考えたいが、トンデモナイ!タンパク質の部品は20種類のアミノ酸であるが、ヒトは、実にその内の9種類を糖分からつくることができない。したがって、食物として摂取しなければ生きていけない。栄養学ではこれらを、必須アミノ酸という。デンプンに関しても他の生物と違って、加熱してからでないと消化できない。「生ムギ、生ゴメ、生タマゴ」のうち食べることができるのは生卵だけというから情けない。生ムギ・生ゴメを消化する能力は火を使い始めてから失ったのだ。これで、進化の頂点と言えるのだろうか?ちなみにヒトとチンパンジーの全遺伝子を比較すると98.5〜99%は同じであるとされている。

 生きるための基本的能力を犠牲にして、ヒトが得たものは何か?それは脳の発達である。脳が重くなったため、二足歩行の方が都合よく、ついでに(?)両手を自在に使うこともできるようになった。脳と手の力を目一杯に使い、道具や機械を創った。これらを利用して他の生物を狩りあるいは刈り、そして飼い、自らの食物とすることにより繁栄してきた。

 では、何故ヒトの脳だけがかくも発達したのか?ここで「宇宙の創造主」を登場させる考え方がある。曰く「宇宙の創造主は自らを認識してもらいたくて、ヒトを創った」と。人類は確かに、宇宙の何たるかに関して思索を巡らし、また観測し、それが拡大しつつあることまで知っている。ロケットを創り、宇宙の一部に関して実際に探索もしている。日本の「はやぶさ」は7年間の宇宙旅行から「お土産」を持って帰ってくるのだからホントに凄いと思う。「宇宙の創造主」が存在するなら、その意図は成功したと言えそうだ。

 地球上に生物が存在し得るのは、太陽の活動から判断して、今後10億年程度と推定されている。その間、ヒトはどれくらい賢くなるのであろうか?残念ながら、現在までのところ、ヒト同士で争うことをやめる程には賢くはなっていない。20世紀は戦争の世紀と言われたが、21世紀はもう少し進歩することができるだろうか。